“酒屋の株話”に関する記事一覧

「酒屋の株話」ハーレムに放り込まれた中年オヤジか

 

 

「ハーレムに放り込まれた若者のようだった」とは、かの大物投資家が割安株であふれかえっていた時代の状況に、どれぐらい興奮したかというたとえ話。

そこまで興奮しないのかも知れないが、バリュー投資家にとって今の日本株市場は「中年オヤジ」ぐらいの興奮レベルにあるような気がする。

日本経済新聞に楽天証券経済研究所所長 窪田氏による、「日経平均株価と裁定買い残」の関係に関する記事が掲載されていた。

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<写真は日本経済新聞>

記事の内容を平たくいえば、日本株市場のメージャープレーヤーは外国人投資家であり、「裁定買い残」の動向は外国人の日本株に対するバイアスを示していて、同時にそれは日経平均株価の動向でもあるということ。

その「裁定買い残」が示している現在の状況は、なんとリーマンショック並みの規模で外国人が先物を使って日本株を売ったことを示している。

その結果、裁定買い残は1兆円を割り込み、リーマンショック時の低水準と同レベルにある。

ここから外国人がさらに先物を売り込む可能性は低く、需給面では相場の転換点が近づいているとも推測できるということだ。

そして日銀はETFの年間購入額を6兆円に増やした。

もし、日本株相場が上昇トレンドに転換するとすれば、一番影響をうけるのは、これでもかと売りたたかれている印象の大型バリュー銘柄だろうと思う。

そんな大型銘柄は、バリュー銘柄としての賞味期限が短くなって来ているということなのか。

バリュー株投資が、もっとも高いパフォーマンスを上げる可能性が高いことはよく知られた話。

だがバリュー投資は長期投資。目先の値動きを気にせず、長期保有で挑む必要がある。

また、まったく持って刺激的ではないし、成果が出るまでに時間がかかる。

それでも、そんな覚悟ができれば、今はそのチャンスなのかも知れない。

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「酒屋の株話」潮目が変わってGO

 

 

人工知能が株式市場を仕切る時代になっても、相場の世界の古典であり普遍的な考え方である「マクロのコンセンサスは逆指標」の知恵は機能しているのかも知れない。

先週末の非観に満ちたセンチメントは週末を挟んで一変した。

今週、NYダウは最高値を更新し続け、円は大幅に円安に振れ、長期債利回りは急上昇。日経平均株価の先週末からの値上がり幅も1000円を超えたのである。

マクロ系にリスクオンのスイッチが入ったようだ。

単なる売られ過ぎからのショートカバーによる上昇というだけでなく、マクロに対する市場心理が変化して、資金の流れが変わったとみるべきだろう。

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日本株市場では「ポケモンGO」の人気や「LINE」の上場で、市場に活気が戻って来た。

コンセンサスの偏りが大きければ大きいほどに、その後の修正も大きくなる。

「任天堂」の株価上昇は始まったばかり、日経平均株価も潮目が変わって上昇に転じたばかり。

日本株の潮目は変わり、上昇トレンドは継続すると推測される。

それでも「中国の南シナ海問題」「場所を問わず続くテロ行為」「トルコ軍のクーデター」と、世の中は危うい。

また、高値では逆張りの売りも待っていると推測されるため、このまま一本調子で日経平均が上昇するとは考えにくいが、トレンドは変化したとみるべきだと思う。

やっと、信念のバリュー投資家が報われるときがやって来た、ということか。

 

 

 

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「酒屋の株話」空売りバブル!?

 

 

空売り比率は2013年あたりをボトムに上昇傾向が続いている。現在は40%を超える水準にあるようだ。

円高になれば先物主導で売られ、現物株に対して割安になるため、アービトラージの信用売りと先物買いが入ることで、空売り比率は上昇する。つまりは円高主導の空売りの増加だ。

また、高速取引を繰り返すHFTも空売り比率が上昇している一因のとのこと。もちろん個人の空売りも増加していると推測される。

さらに、これだけ空売りの比率が高い市場に、米国の名うての空売りファンドが参入してくるというから、もう日本株市場は空売りバブルと言えるかも知れない。

どれだけ名うてなのかといえば、そのファンドが空売りした22銘柄のうちの7銘柄は、価格がなんと90%以上も値下がりしているほどなのだとか。恐ろしく優秀なファンドのようだ。

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<写真は日本経済新聞>

市場は時として行き過ぎる。極端な動きのゲームになるのだ。

今の状況に当てはまると思う。コンセンサスの偏りは円高と株安への「恐れ」。

この状況下で市場に参加するのなら、円高を理由に売られ過ぎているとみられる銘柄の、その買い場を探った方がチャンスがあるように思う。

「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないが、そもそも英国のEU離脱による円高が原因で日本株が売られている。

金融市場が混乱すると円高が進む傾向にあるが、英国のEU離脱の混乱以降いろいろとあったが、日本株を除き、米国株や英国株は値を戻し、混乱と呼べる状況はたぶん投票結果発表後の1日だけだったように思う。

下落が混乱、上昇が安定とするなら、安定と言える。そして、安定なら円安に進みやすいことになる。

安定→円安→先物買い→空売りの買戻し→日本株上昇となる可能性もあるのではないか。

空売りファンドは大型株銘柄のみを対象とするとのこと。会計上の減損処理が不十分な1銘柄に、もうすでに目を付けていると言うから不気味だ。恐ろしく売りたたかれるのかも知れない。

今の市場コンディションが売られ過ぎだとすれば、注目する銘柄の「もっとも買いにくいところを買う」、もしくは「保有し続ける」しかないと思う。

 

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「酒屋の株話」バリューかグロースか

 

 

早くも2016年の前半が終了。年初には、申年の株式相場は格言通りなら「騒ぐ年」になると言われたが、今のところその格言通りの年になっているようだ。

大方の予想に反して英国の国民投票はEUからの離脱を決めた。世界の金融市場は大混乱。日本株もパニック売りに急落した。今週の日本株上昇はそのリバウンド相場とみられる。

もしこのリバウンドが倍返しの水準まであるとすれば17500~18000円レベルまで戻ることになるが、そこまで上値は軽くないのかも知れない。

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個別株を見れば大型のバリュー株がより割安感を強めている。

バリュー株投資が、もっとも高いパフォーマンスを上げる可能性が高いことはよく知られた話ではある。しかし、そのズブズブと沈んでいく重量感ある株価を持ち上げるには、相当の買いが入ってくる必要がある。

つまりはマクロに対する市場心理の変化ということだろうか。

そんなバリュー株に比べて軽快感があるのが中小のグロース株だ。個人的にはグロース株をそこそこの水準で買うのが、今の最も効率的な投資法だと思う。

これからの時代の変化に対応していると推測されるグロース株で、割高感のない銘柄が良いと思う。

それでも、バリュー株とグロース株のどちらを選択しても、今の水準なら長期的には良い結果に至るような気がする。

例えが良くないかも知れないが、ワイン相場に例えれば、評価の悪いハズレ年の供給量の多いボルドーワインの価格は、お手頃かもしれないが、相当に年代物となるまで価格の上昇は見込めない。それでも上昇幅は大きい。

しかし、これが供給量の少ないブルゴーニュワインの当たり年なら、割高感はあっても価格は値下がりしにくい。また希少なトップブランドともなれば天井知らずの値上がりとなる可能性だってある。

みたいなことだと思う。

いずれにしても、「もっとも買いにくいところを買う」、もしくは「信じて保有し続ける」しかなさそうだ。

 

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「酒屋の株話」それでも過半数のイギリス人はハッピーなのだ

 

 

英国の国民投票の結果は、まさかの「離脱」。パニック的な悲観がまた戻ってきた。

二度あることは三度あるなどと言われるが、前回のクラッシュを想像させるようなパニック売りだ。

市場はどこまでも理不尽になる。今回もまた行き過ぎ感あるパニック売りだと思う。特に日本株市場は。

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<写真は日本経済新聞>

それでもTVに映る離脱を選んだ過半数のイギリス人はハッピーだ。世界中で金融市場の混乱が生じているにも関わらずだ。

たぶん日本の大相撲に日本人力士は一人しかいなくて、優勝できる見込みはない。ならば、多少相撲は弱くなってももっと日本人力士が活躍できた方が良い・・・・・みたいなことか。

経済ばかり優先させて、自国民がないがしろにされている様な状況では、何のための国家なのだ、と感じている人が多いということだと思う。

英国はEUからの離脱を決めたが、債務不履行に陥ったわけでもないし、大手金融機関が倒産したわけでもない。まして戦争が勃発したわけでもない。

この離脱の先に何が起こるのかが見えにくい、漠然としたそら恐ろしさみたいなものが、混乱を生じさせているだけなのだと思う。

この状況下で最も賢明な投資は、将来の成長が期待できる優良企業の株式の値下がりをひたすら買うことだろう。それでも、今までに経験したことのないような漠然としたそら恐ろしさはある。

恐いのを我慢して、自身が信じる企業の株価の「もっとも買いにくいところを買う」、もしくは「信じて保有し続ける」しかなさそうだ。

 

 

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