“酒屋の株話”に関する記事一覧

「酒屋の株話」カラ売り屋の増殖か

 

 

「閑散に売りなし」とか「国策には逆らうな」の格言が当てはまりそうな日本株市場。

それでも、個別株に目を転じれば違った状況も見えて来る。

過激に空売りされている銘柄が散見されるのだ。

たとえば「PCデポ」や「ファーストリテイリング」。空売り残が膨らんでいる。

日本株市場への投資意欲は弱いようだが、逆に下げに賭ける投機意欲は強いのかも知れない。

その一方で、空売りファンドの「シトロン・リサーチ」から、見事にボロクソなレポートを出された「サイバーダイン」は、なぜか空売りが盛り上がっている様子はなく、逆に信用買い残が増加している。

「サイバーダインって、そーいう感じだったの!?さすがに売りかな!!」みたいな内容だっただけに、まったく持って不思議だ。

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<シトロンのレポート>

それでも、こんな混沌とした、まったくもって理解しにくい状況こそが株式市場なのだろう。バラバラな思惑が集まって市場心理が形成されるということか。

個別株の世界では、投機の過熱によりバブル(オーバーシュート)も逆バブル(アンダーシュート)も、それぞれの状況の異なる銘柄で、同時に起こる可能性のある状況なのだ。

理想的にはバブル銘柄を売り、逆バブルを買えばよいのだが、それでは理想論すぎる。

それでも感じるのは、個別銘柄の業績やビジネスモデルも大切だが、その銘柄が短期の投機筋からどのような影響を受けているのかといった状況分析がより重要になってきたのではないかと。

そしてその昔に、空売り残の膨らんだ銘柄ばかりを狙ってスクイズを仕掛ける、有名仕手筋がいたことを思い出す。

 

 

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「酒屋の株話」予想できない落とし穴

 

 

「あっという間に半値になっちまった!」

企業の不正会計を見破れる人もほとんどいないが、モラルに欠けるような商売方法から数字を疑うような方々もほとんどいなかったようだ。

投稿サイトに「PCデポ」に対する批判の投稿が相次ぎ、なんと2週間ほどで株価は半値に急落した。

公表されている業績は素晴らしい内容であり、これは驚きだ。

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<写真は日本経済新聞>

パソコンに不得意な高齢者の弱みに付け込み、サポートサービスという名の下に荒稼ぎして業績をつくっていた、ということなのか。

業績の伸びを考えれば特に割高感もない状況の株価が、一気に半値になってしまうのだから、単なる「解約料10万円を請求に批判・・・・」を超えた何かがあるのではないかと勘ぐってしまう。

この急落で、信用取引残は売り買いともに急増。「PCデポ」の株取引は今や鉄火場の様相。

こんなところに安易に手を出せば、すぐにヤケドしてしまいそうだ。

この株価急落からの教訓は、商売の方法がモラルに欠けると感じる企業への投資とは、その後に想像を超えるような落とし穴が待ち受けている可能性がある、ということだろうか。

 

 

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「酒屋の株話」投機筋は悲観がお好きなのか

 

 

なんで日本円ばっかり買われるのか。

ほぼ全ての通貨に対して日本円が買われている。

株価から経済状況を判断するならば、米国は見るからに堅調、反対に日本は伸び悩んでいる。

経済のより強い国の通貨が買われても良さそうなものだが、なぜか世界中の通貨で日本円ばかりが買われている。

「経済指標が・・・」みたいな一般論的な説明では、どうもシックリ来ない。

つまりは膨れ上がった投機マネーが、暴れまわっているということではないだろうか。

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海外のプロの投機筋が何かのアイデアを手掛かりに、短期での利益を求めて為替市場での投機を行っているようだ。

膨れ上がった投機マネーを背景に、力ずくで日本円を持ち上げているとすれば、この市場もまた「池の中の鯨」状態なのかも知れない。

しかし、日本国債や日本株市場の鯨と違うのは、鯨が日銀ではなく投機筋で、短期での利益を目的として近い将来に反対売買を行うことだ。

鯨が買えば上がり、売れば下がることになる。

プロの投機筋が、もし単に「夏枯れ相場の商いの薄い市場ならマニュピレートできる」などと考え、ただそれだけの理由で円買いをすすめたのなら、トレンドフォロー傾向のある高速取引などのによる影響で値動きの幅は大きくなるのかも知れないが、その戻りも早そうだ。

日本株にとってもアンダープレッシャーとなるのだが、この状況は投資の神様が例えるところの、悲観したMr.マーケットが現れたということではないか。

またしても日本株市場へ参加のタイミングが訪れているのだと思う。

膨れ上がった投機マネーが悲観や破滅の方向に賭けるなら、その中にある本質的に楽観できるものは、さらに魅力を増すことになるのだと思う。

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「酒屋の株話」お上に逆らうな相場か

 

 

ファーストリテイリングの予想PERは86倍で、日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は12.78倍でITバブル以来の高水準。

国債と同じように、日銀の買いは日本株市場でも影響が大きくなってきているようだ。

海外の投機筋もこの流れに乗って、日経平均買い/TOPIX売り の日銀トレードと呼ばれる取引を増やしているのだという。

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取引が細る時期になると「閑散に売りなし」などと言われるが、それに加えて「国策に逆らうな」もあるようだ。

日銀のETF購入額は今年中に10兆円を大きく上回ることになる。

国債市場のマイナス金利と同じように、この「池の中の巨大な鯨」とも言える日銀がファーストリテイリングをPER86倍にしているのなら、割高だからといって空売りを仕掛けるのは得策ではなさそうだ。

お上が直接株を買い上げ、さらにその額を倍増しているのだから、これはもうお上に逆らっては、日本株市場でも国債市場でも生き残れいけないということなのかも知れない。

外国人投資家からのさらなる激しい売り圧力が想像しにくい状況で、そろそろとカネ余りの金融相場が芽を出して来たということなのか。

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「酒屋の株話」”苦言は薬なり”でもやっぱり弱気になれない

 

 

いつでもノーテンキに日本株市場に関して強気ばかり書いているブログだが、特に個別株に関してはやっぱり弱気にはなれない。

四半期の決算が出てきた。

トヨタを筆頭に円高による減益が多い。

それでも大幅に業績予想の上方修正を行った銘柄もあった。そして業績が株価を押し上げた。

それでも割高感はなく、過度な過熱感もない。

業績の右肩上がりが予想されるなら、買うか保有し続けるしかなさそうだ。

また業績がパッとしなくてもバリューにすぐれた銘柄はたくさんあると感じる。そんな銘柄は下げたとしても底は浅いレベルにあるのだと思う。

「裁定買い残」の推移が示すように、メージャープレーヤーである外国人投資家からのさらなる激しい売り圧力は想像しにくい。

また過剰流動性がうごめいているような状況下にある株価水準としては、安すぎるのではないか。

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おどろいたことに、空売りファンド「グラウカス」の日本市場における最初のターゲットは「伊藤忠商事」だった。

レポートによれば「伊藤忠が東芝と同規模の会計スキャンダルを引き起こすことになると考えている」とのことで、「強い売り」を推奨している。

株価下落の目標は半値の631円。予想配当利回りで8.7%の水準だ。

総合商社とは最も分かりにくい業種のひとつであり、東芝の”チャレンジ”まではないとしても、市況のリスクや「たぶんイロイロと調整されてるんだろうな~」と市場が考えるから割安感ある株価水準で、配当利回りも高いのだと思う。

そんな商社の商売を徹底的に調べ上げ、最悪のシナリオでの会計方法で目標株価が631円ということなのか。

今後どのような展開に発展するのかは想像もできないが、もし本当に株価が631円レベルまで値下がりするなら、状況にもよるが、非常に魅力的な水準だと感じる人は少なくないように思う。

信用倍率は一気に低下している様子。

やっぱり弱気にはなれない。

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