“酒屋の株話”に関する記事一覧

「酒屋の株話」巨鯨の政府軍vs反政府軍

 

 

東京証券取引所が発表した9月30日時点の裁定取引に伴う現物株の、売り残高(期近、期先合計)は過去最高を更新。

売り残高は9月9日に18年ぶりに買い残高を逆転して、その後4週連続で売り越し残が買い越し残を上回っている。

また、個別銘柄では信用買い残を信用売り残で割った、「信用倍率」が1倍を割れている銘柄が多い。

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<日本経済新聞の記事>

つまり投機筋は先物売りを増やしていて、個別銘柄でも信用の売りを増やしているということだろう。

池の中の巨鯨である政府軍(日銀、年金)の買い方を相手に、まるで売り方は反旗をひるがえす反政府軍のような様相ではないか。

円高による業績予想の下方修正で上値が重くなる可能性はある。消費の現場が冷え込んでいるのは、酒屋としてもよく分かる。また、日銀や政府の金融政策には無理があるのかも知れない。

それでも、政府軍を打ち負かすには、明らかに兵力が足りない。海外の大部隊による援軍はいない。

あしもとでは原油価格が強含み、為替も円安傾向に動いている。

短期投機筋とみられる反政府軍の形勢は、あまり理想的とはいえないようだ。

この日経平均株価の値動きのレンジが破られるとしたら、上方向が有力ということだろう。

投機筋の先物売りや個別株の信用売りが上値を抑えているとしたら、時間とともにそんな影響力は弱まって行くことになる。

いつの時代でも生き延びるためには、大きな勢力につくことも必要なのかも知れない。

 

 

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「酒屋の株話」アパートバブルの到来か

 

 

今後も人口減少が続くと予想されている日本で、相続税対策としての賃貸アパートが増えている。その結果、需給バランスは崩れ、空室率は過去最悪の水準に達しているという。

なぜか最も空室率が悪化しているのが神奈川県だ。

「不動産の相続税対策を求める土地持ち」「家賃保証を売りにする建設業者」「融資先を求める金融機関」と、アパートの供給を伸ばすにはパーフェクトな環境なのだが、問題はこれが人口減少が長く続くと予想されている日本であることだろう。

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<写真は日本経済新聞の記事>

「家賃保証」を売り物にする最大手の企業の売上高は8期連続で過去最高を更新。しかし、家賃の引き下げによる逆ザヤの発生などのトラブルも多いようだ。

もう何年も前のことだが、その企業の営業の方が酒屋に来店した。

「酒屋で地域の人をよく知っているんだから、酒屋みたいなつまんない商売は止めて、アパート建設の営業やった方がいいよ。アパート建設の営業はスゴク儲かるよ!」

と言って、その月の給料明細を、頼みもしないのに見せてくれた。なんと給料は7千万円を超えていた。

たしかに営業でこれほど儲かる商売は、そうはないだろう。

つまりは、そんなインセンティブが強力に家賃保証のアパート建設の業績をつくり、さらにはアパートの需給バランスを崩した大きな要因ではないか。

まったくもってアンサステナブルな状況と言える。

アパート経営に空売りは出来ない。しかし、その業績に無理があるとすれば、株式市場で考えてみても良いのかも知れない。

 

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「酒屋の株話」やっぱり成長株しかない

 

 

国内の物価を押し上げるための、金融政策による人為的な相場形成。

日銀の国債保有額は全体の4割強に達した。そして、今後さらにその保有額は増加し続ける。

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<写真は日本経済新聞>

・・・・ひょっとしたら、この金融政策の出口を含めた状況を、ホントは誰も正確に把握できていないのではないか?

・・・・また、将来的にはこの金融政策の反動でひどい副作用がまちうけているのではないか?

・・・・例えば物価が2%上昇したとして、その後には何が起こるのか?

ちょっと前までは、海外のヘッジ・ファンドが日本の国債市場で空売りを仕掛けているとよく聞いたような気がする。

・・・・最近ではまったく聞こえてこない・・・・たぶん、まったくもって得策ではないからだろう。

難しすぎて順序だってうまくは書けないが、疑問が多いこの状況。

しかし、今後しばらくは今の金融政策が継続する。なにかが起こるとしても、かなり後になっての話ということだろう。

この分かりにくい混沌とした状況を突いて、投機筋が為替市場で暴れまくっている印象だ。

そんな投機による円高の影響なのか、日本株市場は頭重い印象。それでも、金融政策もあり、空売もまた得策ではなさそうだ。

マクロを張ろうと思えば、かなり憂うつな状況といえるのかも知れない。

株式投資には、不正会計や、モラルに欠ける商売などのリスクはある。それでも、比較的分かりやすい商売を行っている、成長株の業績に賭けるのが一番安全なのかも知れない。

 

 

 

 

 

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「酒屋の株話」印象と実態の不可抗力

 

 

日経新聞の夕刊に「ウェルズ・ファーゴ 不正営業で米首位転落」の記事が掲載されていた。

なんの話だと思えば、なんとあの投資の神様が筆頭株主の、金融恐慌もなんのそのな、超が付くほどのテッパン銘柄ともいえるウエルス・ファーゴが、実はブラックっぽい企業だったようなのだ。

そのイメージとは裏腹に、内部ではムチャクチャなことが行われていたというのだから驚く。

もうすでに従業員の約2%にあたる5300人がクビになっているとのこと。

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<写真は日本経済新聞の記事>

「見かけの印象と実態は違う」などといわれるが、さぞかし投資の神様も驚かれたことだと思う。

「PCデポ」の場合には、モラルに欠ける商売を非難され、アッというまに株価は半値以下となったが、「ウエルズ・ファーゴ」はまだ高値から2割ほど安い水準にあり、この不正が発覚してからはまだ数%しか下げていない。

偉大な大株主の存在がそうさせているのか・・・「株価が下がれば、投資の神様が動くかも!」という市場心理が働いているのかも知れない。

・・・・それでも、その素晴らしい印象とは裏腹の実態が明らかになってしまった。

これで、「ウミを出して健全になった」とみるべきか、それとも「信用を失った」とみるべきなのか・・・・たぶん両方だろう。

投資の神様が永久の期間で放った大ホームランも、しばらくその勢いを弱めるということなのだろうか。

それにしても、少なくとも5300人もの行員がムチャクチャな行動に走り、その短くない間に、銀行幹部も、敏腕投資家も、だれも気が付かなかったというのだから、企業の不正を早い時期から見抜くとは相当に困難なことなのだろう。

見かけの印象とその実態・・・・・投資の世界の不可抗力なのか。

 

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「酒屋の株話」グロース派の買い場

 

 

「今年のトウモロコシはうまい!」

それでも、その旬は短い。もうすでに旬が過ぎてしまった感がある。

条件の良い年であっても、旬の食材をより美味しく食べようと思えば、そのタイミングは難しい。

天候を予想してそのタイミングを計ろうとしても、その天候を予想することが、まったくもって容易ではないのだ。たぶん「美味しい」と感じた時がベストなタイミングなのだろう。

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9日のNYダウは、早期利上げ観測が強まり384ドル下げた。

来週の月曜日の日本株市場は、この影響を受けて急落するのかも知れない。

投資のスタイルがバリュー派でもグロース派でも、買いのタイミングは同じなのかも知れない。それでも、特に成長株に投資するグロース派なら、この急落は投資の神様がたとえるところの「Mr.マーケットの悲観」ではないかと思う。

つまりは買い場だ。

トウモロコシの最も美味しいときを狙って天候を予想するように、成長株の買い場を狙ってマクロを予想することもまた容易ではない。

マクロが悲観に動いたなら、成長株を妥当な価格で買いたい投資家にとって、それは素晴らしいタイミングと言えるのではないかと思う。

また、好業績により、その価格水準に魅力を増している銘柄も多いと感じる。

素晴らしい年の、素晴らしいトウモロコシは「美味しい」と思ったときが旬。すなわち買い場だ。

来週の月曜日は「旬」となるのか。

 

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