“酒屋の株話”に関する記事一覧

「酒屋の株話」インデックス投資はタフだ

 

 

今朝の日経新聞に「敗者のゲーム」の著者で、インデックス投資の伝道師とも呼ばれるチャールズ・エリス氏のコメントが掲載されていた。

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<日本経済新聞記事>

エリス氏がインデックス投資の有効性を説き続けてこられた方なのは周知のとおり。「市況が悪くても定期的に投資を続けることは長期的には最良の方法である」と説き続けてこられたのだ。

しかしまた、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が、このエリス氏の考えに同意していないことも周知のとおり。

どちらが正しいなどとは、恐れ多過ぎて書けない。

それでも、エリス氏の説くインデックス投資とは、時としてかなりの勇気が必要となることは想像できる。

世界を見渡せば、平気で8割ぐらい値下がりする株式指数はいくらでもある。1990年代の日経平均株価のようにだ。

そんなひたすら値下がり続けるインデックスを定期的に買い続けろというのだから、かなりの勇気やタフさがが求められることになる。

もちろん運が良ければそんな場面に遭遇しないのかも知れない。それでもかなり長期に渡って行うことが重要だとすれば、そんな不遇な場面に出くわすことだってあるのだと思う。

結果として「敗者のゲーム」の理論どおりになったとしても、その過程では精神的にかなりタフなことになりそうだ。

たぶんインデックス投資とは、始めるときのインデックスの水準と、どんな市況でも買い続けるタフな精神力が大切ということなのかも知れない。

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「酒屋の株話」マクロのコンセンサスは逆指標

 

 

相場の世界の古典であり、普遍的な考え方だ。

マクロの予想が困難なのは周知のとおり。また、その予想がコンセンサスとなれば、かならず裏目に出るのが相場だ。

たとえ、ご高名な学者が構築して、今までにハズしたことがない、なんとか理論モデルみたいな崇高っぽいものから出た予想でも、それがコンセンサスとなれば、やっぱり同じ運命をたどることになる。

マクロ投資の神様と呼ばれる方でも、その手法はコンセンサスの偏りを見つけて、その修正に賭ける方法だ。この方法で英ポンドや日本株を売り、名を上げた。

情報を分析しただけのマクロ分析では、市場分析における情報の不完全性も存在するため、実際にポジションを持つにはリスクが大きすぎるのだ。

また、マクロの予想が市場のコンセンサスとなり、そしてそのコンセンサスの偏りが大きければ大きいほど、その後に起きる修正の動きは大きくなる。

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<写真は日本経済新聞の記事>

FXの取引額は過去最高を更新。個人のFX取引はすでに輸出企業などの売買高を上回っており、世界のFX市場に占める日本の割合は3割にもなるのだそうだ。

為替市場のメジャープレーヤーは日本の個人だったのだ。

もし個人のFX市場での運用が芳しくないとすれば、個人のコンセンサスの偏りを見つけ、それをマクロ系のファンドがカモにしている図式がイメージされる。

もっともらしい理由のコンセンサスは疑ってかかるべきなのだ。

 

日本株市場でも、コンセンサスの偏りは修正されるべきだと思う。マクロをガチで予想して挑んでくるマクロ系が退散したとみられる今は、素直に業績やビジネスモデルを買うべき時期だと思う。

 

 

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「酒屋の株話」投機と選別の動乱

 

 

日本株市場は投機色と同時に、選別色も強めているようだ。

マクロに賭けるパニック的な投機と、マクロに影響を受けにくい好業績の小型銘柄への資金流入だ。

日本株高、円安が急ピッチで進んだかと思えば、日銀の金融政策決定の結果をうけ、一気に日本株売りと円買いが進んだ。ドル/円相場は112円から一気に106円と、1~2日で6円幅のパニック的な動きとなっている。

連休前の手控えムードもあり、より極端さを増している。

また、小型の好業績銘柄の価格が急伸している。

ベンチマークからアウトパフォームしている銘柄のトレンドに、フォローする傾向もあるため、特に割高感のない銘柄などはまだまだ買われる展開になるのではないか。

他方、大型銘柄はマクロの投機に翻弄され、さらに売られる銘柄も出て来そうだ。

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日本株市場のメージャープレイヤーである外国人投資家は、3週連続で日本株を買い越した。

一部はこの下げで売り戻されることになるのだと推測するが、大きく売り越された後だけに、この極端な動揺が収まれば、また買われることになるのだと思う。

この株式市場と為替市場の激しい動きのなか、原油市場だけは堅調な動きを保っている。オイルマネーの売りは、もうしばらく出てこないと言うことだろう。

先日お亡くなりになった、小説「大物」のモデルにもなられた証券会社の元会長は、「桐一葉 落ちて天下の秋を知る」と、その後のスターリン暴落を予言したのだそうだ。

今の状況はその逆ではないかと思う。

「好業績小型銘柄のアウトパフォームで、2回ほど猛威を振るった悪天候の終了が近いことを知る」ではないかと。

それでも、上がるにせよ下がるにせよ、極端なことになると覚悟して挑むべきだと思う。

投機筋の空中戦に翻弄されてないよう、「動き過ぎてはいけない」ということだろうか。

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「酒屋の株話」投資について

 

 

先日、ある方が新入社員の部下を連れて来られた。

光栄ににも新入社員に何かアドバイスをしてくれとのことだった。

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<うちのベランダでは将来が期待できそうもないカベルネ・ソービニョンの新芽>

 

その新入社員の方の初任給は手取りで12~13万円とのこと。

正直おどろいた。つまり何十年もの間、初任給の水準は変わっていないのだ。ひょっとしたら、いくらか下がっているのかも知れない。

その一方で、世界の資産配分のピラミッドの頂上にいる方々の資産は、おそろしいほどに膨れ上がっているのだから、何かが機能不全に陥っているような気がする。

いつの時代にも資産を持つ人と、その他大勢の資産を持たない人のピラミッドが存在するのは事実だ。

それでも、人類が発明したものの中でも最も素晴らしいとされている株式会社や金融システムが、ますますそのピラミッドの頂点を高くしている印象だ。

これでは今の若い人達は大変だ。

新入社員の方には、埼玉県の偉人、本多静六の著書にあるお金の話を伝えた。

その著書のなかで、「給料が少なくてもその四分の一は、たとえ子供に塩をかけたご飯を食べさせても貯金しなさい」

そして、「ある程度お金を貯めたなら、比較的安全と考えられる投資をしなさい」と本多静六はアドバイスしている。

それぐらいしなければ、勤務している会社にもよるが、今の若い人達の将来は本当に立ち行かないことになるかも知れない。

自身の仕事の他に、自身のポートフォリオが必ず必要なのかも知れないのだ。

株、REIT、投資信託、金・・・・投資対象は何でも良いのだが、よく考えて「比較的安全」というのが大切なのだと思う。

 

 

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「酒屋の株話」投機の時代を生き残る

 

 

今の市場は、上がるにせよ下がるにせよ、極端なことになるようだ。

大量の資金にさらにレバレッジをかけて襲い掛かる投機が、あらゆる市場を極端な動きにしているとみられる。

極論を言えば、事実や数値など無視して、ただ効率の良い市場に大量の資金が流れ込むゲームだと思う。

そして、この極端な動きのゲームは、まだまだ継続しそうだ。

世の中には金融緩和による過剰流動性以外にも、パナマ文書に代表されるようなタックスヘブンに、税金を納めない運用資金がうなるほど存在するらしいことが明らかになった。

そんな資金が市場の投機色をより強めているのではないか。

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投機筋に激しく叩かれ、一時30ドルを割れたWTI原油相場は40ドルを超えるまでに回復した。

そして、この上昇はコンタンゴの縮小をともない、バックワーデーションの方向に動いているようだ。

長く続いた原油価格の下落により供給が細り、直近の需給バランスがタイトになっているのか。もしくは投機的な意思を持つ誰かがタイトにしているということなのか。

原油市場に投機的なプロの市場参加者が多いのは、今に始まった話ではない。また、それこそが様々な思惑が渦巻く原油市場だと思う。

いづれにしても、単なる投機売りのショートカバーによる一時的な回復ではなさそうだ。すぐに下げに転じる状況ではないとみられる。

また、投機の買いが主導したとされる円相場の上昇も反転している。投機筋のポジションの巻き返しがあるとすれば、今度は反動の円安になるとみるべきだろう。

そしてもし、現在の日本株市場がドル/円相場と原油相場に大きく影響を受けているとすれば、日本株もまた大きく値を戻すということになる。

また、英ポンドを基準とする投資家にとっては、日経平均は新高値を更新したようだ。トレンドフォローによる買いが継続して入って来る可能性もあるのだと思う。

しかし、極端な動きは今後も続き、自身のポジションがまたコスト割れのリスクにさらされるかも知れない。

この投機色と同時に、選別色もまた強めている混沌とした市場では、自身にとって最もリスクが少ないと感じられる方法で挑むことが重要だと思う。

後から海外の投資家が気前よく買ってくれそうな銘柄を、バリューを気にして購入する、もしくは保有すると言うことではないか。

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