“酒屋の株話”に関する記事一覧

「酒屋の株話」狂人不走 不狂人不走

 

 

ドル円相場に影響を受けた今週の日経平均株価は、財務相のパンチ―な発言により切り返されたようだ。

また、海外からの円買い投機の影響のみに日本株は反応している印象。

この日経平均の下げと円高が同時に進行する状況は、日本株のメジャープレイヤーである海外の投資家にとって、日本の個人投資家とは、また違った景色に映っているのかも知れない。

日経平均株価は昨年12月のピークから約20%安い水準にある。その間に円高は進んだ。

その結果、米ドルをベースとした運用業者にとっては、日経平均株価は約10%ほどしか下げてない。

また、英ポンドでの運用業者には、ピークから約5%ほどしか下げていないことになる。

海外投資家が主に日本の株式市場を動かしているとするなら、円建てよりも海外の通貨建てでの動きの方が、実勢を反映していると言えるのかも知れない。

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<日本経済新聞掲載のグラフ>

日本株市場は完全に2極化しているようだ。

日本株市場の市場心理はひとつではなく、「欲」と「恐れ」がバラバラに支配している印象だ。

主に日経平均株価への影響力が大きい銘柄が売られていおり、「恐れ」の心理がより幅広く支配しているようだ。

その結果として、PBR1倍割れが50%以上、配当利回りも長期金利との差が過去最大となった。

現在の水準の配当利回りが6%を超えるような銘柄まである。

円高による将来の業績悪化を織り込んでいるとしても、「恐れ」の市場心理が過剰に反応しているように思う。

多くのヘッジファンドの決算は5月とのこと。「狂人走 不狂人走」な印象の昨今の日本株市場は、5月以降に動きだすということか。もちろん「狂人走」は海外の投資家や投機家。

 

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「酒屋の株話」投機相場に抗う

 

 

原油市場は投機筋の動向に支配され、30ドルを割り込むまで売り叩かれたが、日本株市場も海外の投機筋の動向に支配されているようだ。

2015年度の先物市場の売買代金は過去最大。

トレンドフォローによる投機筋の短期売買が増加して、1日の値動きも大きくなり、2015年度は歴史的な「大荒れ相場」となった。

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<日本経済新聞より>

また、フィナンシャルタイムズが伝えるところでは、原油相場を30ドル割れまで売り叩いたヘッジファンドが、今度は一転、記録的な規模の買い越しに転じているとのこと。

この記録的な投機ポジションは、世界の石油需要のほぼ6日間分に相当するほどの大きさらしい。

最近では、原油市場の値動きが、株式市場に大きな影響を与える傾向にある。

アナリストは「原油価格が再び下落する恐れは十分にある」と警戒しており、もしヘッジファンドが現在の記録的な買い越しポシションの転売に出た場合、原油は再び下値を試すことになる。

そして、その動きに株式市場は負の影響を受けることになる。

しかし、アナリストが警戒するように、もしこの大量ポジションがファンダメンタルズを反映していないとするなら、原油市場でヘッジファンド同士でのスクイーズ合戦が勃発している可能性もあり、逆に急騰の可能性もあるのかも知れない。

どちらにしても、原油市場も株式市場も、短期的には投機筋の動向に支配されることになるようだ。

しかし、中長期的には「需給バランスには抗えない」のが相場だ。

短期的に投機筋に翻弄させられることがあっても、将来的に利益を伸ばせる可能性を持つ企業の株価が魅力的な水準に達したなら、その銘柄は買われるべきだし、買う以外に方法はない。

投機筋の動向により、相場が短期的に過激に大きく動き過ぎることがあれば、そんな相場にこそ抗うべきだと思う。

 

 

 

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「酒屋の株話」百戦百勝は善の善にあらず

 

 

外国人投資家は3月の第3週も日本株を売り越し、11週連続での売り越し。

この売り越しは東関東大震災後以来の長さであり、売り越し金額はブラックマンデー暴落が起きた1987年度以来、約30年ぶりの多さになる見通しなのだそうだ。

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<日本経済新聞より>

 

かの大物相場師ジェシー・リヴァモアは、市場心理の「欲」を売り、「恐れ」を買うことで成功をおさめた。

上の写真に見る「株価」と「外国人の売買動向」は日本株に対しての「恐れ」を表しているのではないかと思う。

その「恐れ」もピークを越したようだ。売り越し額は減少している。

次の月曜日の最終の配当権利日を前に、「いよいよ感」が出てきた印象だ。

最終の配当権利日以後に調整がまた入ったとしても、それは「百戦百勝は善の善にあらず」だろう。

長期戦を決め込めば、目先の勝敗など無視しても良い相場水準だと思う。

また、金融緩和による過剰流動性は、かならず「割安感ある優良企業」に向かうと信じるべきだとも思う。

株式会社とは、人類が発明した最も優れたもののひとつなのだそうだが、新しい時代のハイパーインフレがあるとすれば、その対象は優れた株式会社ではないか。

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「酒屋の株話」二度あることは三度あるのか?

 

 

「二度あることは三度ある」とは、同じようなことが二度も起きると、さらにもう一度繰り返されることがあるものだから、悪いことがまた起こらないように注意せよということなのだそうだ。

株式市場のクラッシュが昨年の8月に起こり、そして今年また起きた。

二度あることは三度あるのか?

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今回ほどではないが激しかった昨年8月のクラッシュは、日経平均ベースで高値20,947円から16,901円まで4,046円幅の値下がりだった。

値下がりすればするほど売られ、逆に値上がりすればするほど買われるような、いわゆるトレンドフォローの売買が多かったようで、その後の11月末にかけて20,012円まで値上がり、3,111円戻した。

下げ幅に対する戻りは77%に達した。

今回のクラッシュでも同じような立場の売買は多かったようで、前回と同様に大幅に戻る可能性はあるのだと思う。

今回の下落幅は、20,012円から14,866円までの5146円。同じように77%戻すなら18,828円まで値上がりすることになる。

そのあたりの水準で今回も必要な買戻しが終了し、新たな展開へ向かう節目になると考えてよいのではないかと思う。

その後は、三度目のクラッシュとなるのか、それとも踏みとどまって本格上昇相場へと変化するのか。

もし前者だとしても、今回の極めて激しかったクラッシュの後では、そのパニックの度合いは軽くなるように思う。

しばらくは売りたたかれそうにない原油相場、魅力を増した配当狙いの買いと、先述の仮説水準まではすぐに戻りそうだ。

しかし、Sell in Mayの話でも出てくれば、また市場は警戒感を強めるのかも知れない。

それでも日本株市場は、懐疑の中で育っているように思う。

 

 

 

 

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「酒屋の株話」買いどころを考える

 

 

パニック的な悲観は後退し、下値不安は和らいだ。

株式市場は巻き戻しとも呼べるような、反発の値上がりに転じている。

激しく売りたたかれた後だけに、戻りの上昇幅も大きくなるとみるべきだろう。

それでも、日本株市場のメージャープレーヤーである、外国人投資家の日本株投資が復活している様子は伝わってこない。

市場は強気に変化しているわけではないようだ。

市場心理は、引き続き悲観に支配されているのだ。

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<日本経済新聞より>

NY原油市場は36ドルを上回った。

この原油相場の戻り高で、投機筋のショートカバーが一巡したと仮定すれば、さらなる投機売りに狙われる圏内に入って来たといえるのかも知れない。

原油相場が売り叩かれて下げれば、アメリカ株が下がる。

そして、またほとんどの日本株銘柄が同時に下がるような、パニック的な下げが戻ってくる可能性がある。

大幅な変動率をともなって上下に変動するような、過度に神経質な市場心理に変化はないと推測されるからだ。

それでも、もしこの先、激しい下値トライが起こったとしても、前回の安値を下回るほどに下げるとは思えないのだが。

 

そんな極度に変動幅が大きくなる可能性のある状況で、どうやって「買いどころ」をみつけるのか。

たぶんクラッシュの中で大底を買うのは、ほとんど不可能だろう。

イロハのイのような話だが、株式投資とは素晴らしと思うビジネスモデルの企業に出資すること。

魅力があると思える企業に、魅力があると思える水準で、出資できる機会が訪れたということだ。

購入後に株価が一割ぐらい値下がりするようなことを覚悟のうえで、その株式を購入するべきだと思う。

また、それこそが「買いどころ」で、この不安定で上下に大きく揺さぶられる可能性の高い市場で、負けない方法だと思う。

メージャープレーヤーが戻ってくる前の、割安で魅力ある日本株は「買いどころ」ではないだろうか。

 

 

 

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