“酒屋の株話”に関する記事一覧

「酒屋の株話」空売り屋の市場

 

 

世界一著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が、6年ぶりに自社株買いを実施したのだそうだ。

PBRが1.2倍を超える株価水準では買い戻しを実施しないと明言していたが、有望な投資先が見つからないため実施条件を緩めてPBR14倍程度で実施されたとのこと。

 

 

 

 

 

 

【ミルランダージュと呼ばれるぶどうの粒が不ぞろいなぶどう。今年のぶどうは今の株式市場と同じく、栄養や水分が公平に配分されていないようだ】

 

2018年の米企業による自社株買いは約110兆円規模に達し、2000年以降では最高額となり好景気と法人税引き下げが空前の自社株買いブームを生み出しているとのこと。

カネ余りによる過剰流動性は、米IT企業など一部の株と米国の自社株買いにのみ流れ込んでいるかのようだ。

他方で日本企業にはまったく興味がない様子。将来性があって割安であってもまったくスルーされている感じがするからさみしい限りだ。

世界一の投資家も含めた米国の過剰流動性が米国株のみに注目していることが、現在の日本株の価格形成に影響を及ぼしていることは間違いなさそうだ。

東京証券取引所の売買に占める空売り比率は、相変わらず40%を超え続けている。まるで日本株市場では、カネ余りによる過剰流動性が短期での空売りにのみ流れ込んでいるかのようだ。

ひょっとしたら日本株市場のことは、国内外問わず参加者から単なる投機の場ぐらいにしか見られていないのかもしれない。

日本株市場の空売り人気とは裏腹に、ナスダックは最高値を更新中。

もうひとつの大きな影響力としてAIによる取引があるのかもしれない。「AIって、ひょっとしてトレンドフォローしかやらないの!?」みたいな気もする。少なくともバリューを買うようなことはしなさそうだ。

株価の歪みをつくり出しているひとつの要因であることは確かだろう。

それでも理不尽な歪みはいずれ修復されるのだと思う。

日本昔話のサルカニ合戦に例えれば、ナスダックや日本株の空売りは おにぎり で、日本の割安な成長株こそが 柿の種 だと信じたい。

 

 

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「酒屋の株話」中小型株のワナと誠実性

 

 

東京証券取引所の売買に占める空売り比率は、相変わらず40%を超えている。

短期で利益を得ようとする空売りの回転が効いているということか。また、空売りの買戻し以外に積極的な買い手がいないということでもあるようだ。

マクロ環境の不透明感による市場心理の悪化。流動性リスクの高い日本の中小株から資金が逃げ出したことが発端となり中小銘柄の株価は値下がり。

積極的な買い手不在のなか、短期の空売り筋は買戻し、その買戻しに新たな空売りがぶつかるような状況が繰り返され、相場は軟調に推移。

中小型株特有のワナがあるようで、ファンダメンタルズや割安感はまったく関係のないテクニカルな問題と推察する。

それでも、そんな理不尽とも思えるアンダープレッシャーは永遠ではない。何かがきっかけとなり逆回転が起こり、理不尽な歪みは修復されるのだと思う。

それは空売りの回転の行き詰まりなのかも知れないし、新たな材料による反応なのかも知れないし、また単にインパクトのある買いが入ることなのかも知れない。

ここは投資家としてのブレない態度が試されているような気がする。

 

 

 

 

 

 

<写真は日本経済新聞の記事>

日経新聞に「性格が資産形成に及ぼす影響」という記事が掲載されていた。資産運用には知能指数以上に性格が影響しているとのことだ。

性格は5つの因子によって説明できるのだそうで、情緒安定性、外向性、開放性、協調性、誠実性に分かれる。

このうち、資産形成などの経済的成功に最もプラスの影響を与えるのが「誠実性」とのこと。

「誠実性とは、考え、言葉、行動に何の矛盾も食い違いもないこと」なのだそうだが、つまりはブレないことではないかと思う。

それでも、ブレないでいることは忍耐が必要だ。

このどう考えても歪んだ価格形成に対応するには、そんなブレない忍耐力が必要なようだ。

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「酒屋の株話」またもやいつか来た道

 

 

値上がりしている銘柄もあるにはあるが、一方的に下落している銘柄のなんと多いことか。

それも何か特別なことが起こったわけではないのに「なんだここの連日の売り圧力は!?」みたいな売られ方だ。

しかし、その連続して出て来ていた売り圧力は、今週半ばに急に消えた印象がある。

 

 

 

 

 

 

伝えられるところによれば、米中貿易摩擦の激化や世界的な金利上昇への警戒感などのマクロ的な要因で、投資家がファンドを解約したり、持ち高調整が入ったり、保有銘柄の入れ替えによる売りが入ったりしたようだ。

売らなければいけない持ち高を機械的にかつ継続的に売り、その売り圧力が急になくなったとすれば、それは「売りが出尽くした」と言うことではないか。

株式市場は上昇相場であっても、その過程で大きく調整することがしばしばあることは分かっている。

そして、そんな「下げ過ぎだろう!」みたいな、市場心理を悲観に変えるぐらいの調整は、素晴らしい買い場であることが多いことも分かっている。

前回はボラティリティの上昇によるリスクマネージメントの機械的な売りで相場は下落した。そしてその後に上昇した。

今回はファンドの解約などで、同じように特定の銘柄に売りが入り相場は下落。今回もまた同じような展開になるのではないか。

もちろん更なるファンドの解約でもあればさらに売りが入る可能性もあるのだが。

それでも、マクロ環境に起因するような理不尽とも思える成長株の下落には、買いかホールドで挑むことこそがベストな対処法ではないかと思う。

 

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「酒屋の株話」センチメントとトレンドフォロー

 

 

ビットコインはなぜあれほどまでに買われたのか。

想像するに価格が上昇し続けることによって、他には特に理由がなく市場心理が強気に傾き、まるで平成バブルのような状況に至ったのでなないか。

結果として、買いが買いを呼ぶようなトレンドに追随した買いが次から次へと参入したのだ。

また、割高も割安もない金融システムの一部である仮想通貨に対する熱狂で、仮想通貨業者は荒稼ぎした。

そんな盲目的とも言えるような状況は、今の日本株市場も同様なのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

個別の日本株を見れば、好業績を発表したがコンセンサスに届かなかったり、マクロの先行きに不透明感があるとの理由付けで売り込まれるケースが多い。

理由などはとりあえず置いといて、動く方向に投機的に仕掛けているようなのだ。

「なぜ売るのか・・・・それは価格が下がっているから」と言うことなのだろう。つまりはそれが弱気の市場心理を反映したバイアスでもあるのだろう。

また、世界的にも株式投資に対する慎重論が台頭してきているようだ。

6月には世界のインデックス運用の株式ファンドから25億ドルの資金が流出したとのことで、2016年5月以来、2年1ヵ月ぶりの月間での資金流出となったとのこと。

もっとも2016年5月以降は、NYダウも日経平均も継続的に上昇しているため、それは逆に良い兆候と言えるのかも知れないのだが。

取引手法は多様化しており、「売り」と「買い」ではどちらが正解なのかというようなことは、もうあまり意味がないのかも知れない。

それでも、個人がAIとガチで争うことなく、また長期で臨むなら、将来性を考慮し、長期的に見れば営業利益の推移と、株価の推移が同調することを考慮すれば、この状況では「買い」こそが、サルカニ合戦での柿の種を選ぶことになるのではないかと思う。

 

 

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「酒屋の株話」空売りファイター

 

 

決算発表日前後の取引からはいつも同じような印象をうけるような気がするが、いまの個別株は決算に対する思惑で特異な動きをしているように見える。

また、特異な動きをしているもうひとつのテクニカルな市場要因として、日本株市場には空売りから入る短期の投機家があまりにも混み合っているような状況があるようだ。

 

 

 

 

 

 

<写真は日本経済新聞の記事>

それはたぶん大局を読むというよりは、ゲリラ戦を得意とするような空売りファイターとでも呼べるような戦い方なのだろう。

ヘッジファンドなどの空売りも活発なのだが、個人の空売りもまた活発なのだそうで、空売り規制の対象外である、取引所を介さない立会外取引でも最近は個人が活発に売買しているというから、かなり積極的だ。

取引所が公表する空売り比率が40%を超えたり、対象外の空売り比率が8%を超えたりすれば、今まではそれが指標となり、相場の局面が変わりやすかったのだとか。

それが、今ではあまりに混み合っているためなのか、指標とならないのだそうだ。

空売りファイターに売られて相場が下がれば、値ごろ感から投機買いや投資買いも増加して、すぐに値を戻しても良さそうなものだと思うのだが、やはりマクロの不透明感からくる懐疑的なムードの市場には、短期的に空売りが効果的なのだろうか。

個人で立会外取引を利用してまで積極的に空売りするのだから大したガッツだと思う。

それでも、もしFXや仮想通貨の市場から流れて来た市場参加者だとすれば、株の空売りあたりでは、まだまだ生ぬるくて刺激に欠けるのかも知れない。

規制対象外であることを利用して、もっと積極的になる可能性もある。

長期投資家としては、今後も予想されるガッツある空売りファイターの攻撃に、ひたすら耐え続けるしか方法はなさそうだ。

それにしてもフェイスブックとツイッターの急落は強烈だった。また日経新聞に掲載された「TDシーケンシャル」と呼ばれるテクニカル分析がFAANGのトレンド転換をピタリと当てていたのには驚いた。

ファンダメンタル分析とテクニカル分析の、両方からのアプローチがやっぱり効果的と言うかもしれない。

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