“ワイン投資”に関する記事一覧

ワイン投資100年の成果は?

ワイン系情報サイト「ワインサーチャー」に「ザ・アメリカン・アソシエーション・オブ・ワイン・エコノミスツ(AAWE)」が発表した、1900年から2012年までのハイエンドのボルドーワインへの投資成果が掲載されておりました。

ロンドンにあるワイン商の老舗、ベリーブラザース&ラッドに過去112年に及ぶ価格リストが保有されているのだそうで、そのリストを元に調査されました。

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調査結果は、1900年~2012年のハイエンド・ボルドーワインへの投資リターンが年率5.3%。しかしこれに保険のコストや保管のコストが加わるため、実際には4.1%までリターンは縮小するのだとか。

 ハイエンド・ボルドーワイン投資での収益パフォーマンスは、美術品投資や切手などへの投資、国債投資などを上まわっているのだが、5.2%の収益を上げた株式投資には及ばなかったとのこと。

 しかし、ここ最近の10年ぐらいに限っては、低リターンの株式投資と高リターンのワイン投資で、二つの投資先の収益の差は小さかったようだ。

 それでもワインコレクターにとっては、切手や美術品と同じく、希少なワインを保有することを喜びとしており、たとえ飲みごろの時期を過ぎていたとしても、その喜びの心理的な要因は1%ぐらいになると見積もっている。

 ワインコレクターのなかには、ワインを飲むよりも生涯を通じて保有することに喜びを感じる人もおり、生涯保有してワインの値上がりをひたすら待つのだそうだ。

ワイン価格が年とともにどう変化して行くのかの調査結果も掲載されていた。

ベスト・ヴィンテージのワインはリリースされて約20年ぐらいは価格上昇が続く。その後はそのワインがアンティーク・ワインになるまで安定した価格での推移となり、その後にまたアンティーク・ワインとしての価格が上昇する。

さえないヴィンテージのワインは数年の間価格の上昇はないが、その後年を追うにつれて値上がりする。

最近のベスト・ヴィンテージである2009年、2010年では過去のパターンとは裏腹に軟調な価格の推移が続いていますが、一般的にはワイン投資のポイントは2回あるようです。1回目はリリースされてすぐもしくはアン・プリムール、2回目はアンティークと呼ばれるヴィンテージになる直前。

資産を増加させる、もしくは護るための投資は株式が有利だが、美術品が好きなコレクターや、レアな切手が好きなコレクターと同じく、ワイン好きにとってワイン投資は利殖以上の喜びがあるってことでしょうかね。

現在では約1/4の世界の富裕層がワイン・コレクターであり、平均すれば資産の2%をワインで保有していると推測されるのだそうで、意外に多くの人がワインを保有しているようです。

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その26

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその26回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年8月から2013年8月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。それ以降ダラダラとしなだらかな下げが続き、戻り高値から5%ほど下げたところでやや値を戻している。

インデックスベースではダラダラとした下げとなったが、その内容はインターネット上での高級ワイン業者間取引プラットフォーム Liv-ex で、まるでボルドーワインとそれ以外の高級ワインとの間での裁定取引が行われているような印象。

ボルドーワインが売られ、DRC、シャンパーニュ、スーパータスカンが買われているのだ。

2012年に引き続き、2013年も供給がタイトになることが反映されたのか、DRC、シャンパーニュ、スーパータスカンとインデックスベースで最高値を更新している。

最も値上がりしたのはスーパータスカンで8月のLiv-ex経由の取引全体の10%を占めるほどの人気。その中で最も注目され値を飛ばしたワインがオルネライア2009年。またサシカイヤ2006年や2008年も値上がりした。

一方、ボルドーワインの方は、シャトー・マルゴー2010年が今年の高値から16%安い1ケース$8,260 の最安値で取引された。また、シャトー・モンローズ2008年が1ケース$850で取引され、ここ半年間での最安値となった。

 9月から高級ワインのオークションが世界各地で開かれるオークションシーズンに入るが、富裕層のワインコレクターがどれぐらいボルドーワインを買い上げるのかが注目したいところ。

高級ワインインデックスは含まれるワインのほとんどがボルドーワインであることから、このボルドーワイン売り、DRC、シャンパーニュ、スーパータスカン買いの傾向が続く限り、ワインインデックスのダラダラとした値下がり傾向は続きそうだ。

大型主力株であるボルドーの値下がりと、小型品薄株であるDRCなどの急騰。典型的な相場形成にあてはめれば、いわゆる相場の秋に突入しているような印象を受けます。しかし、株式相場などにあてはめても積極的にカラ売りする局面でもなさそう。

ワインインデックスで見れば、しばらくは迫力に欠ける展開となりそうです。

 

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その25

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその25回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年9月から2013年7月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。それ以降、まるで初心者向けのスキーコースの如く、ダラダラとなだらかな下げが続いている。

インデックスベースではダラダラとした下げが続いているが、これはボルドーの重鎮銘柄の評価の高いヴィンテージの割高感が解消されないため。割安感のあるものや希少価値の高い銘柄やヴィンテージには買いが入り堅調に推移している。

ボルドー以外の銘柄のインデックスでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、スーパータスカンと、それぞれ最高値を更新。

ボルドーでも、ペトリウスの最近のヴィンテージで最も低い評価の2002年ヴィンテージが買われ最高値を付けた。また、パーカーポイント100点のChパヴィ2009なども買われ値を上げた。

ボルドーの重鎮銘柄が引っ張るグランヴァン市場の、上値が重く、方向感に乏しい状況で、ボルドー以外の希少価値が高く生産量の少ないワイン、ボルドーでも評価の割に割安な銘柄、生産量の少ないヴィンテージや銘柄が買われている様子。

 関係者曰く「ワイントレーダー達が、この不透明感の強い市場環境のなかで、高額なワインの持ち高を減らし、割安感のあるワインをかわりに持とうとしている」と。

 今の状況を株式市場に例えれば、大型主力株であるボルドーの重鎮銘柄が下落し続ける中、小型品薄株的なワインが買われる状況は、典型的な相場形成の終息に向けての動きに似ているのかも知れません。

日経平均だけでは個別銘柄のことまで分かりませんが、グランヴァン市場ではリスク回避の動きが目立って来ているようです。

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その24

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその24回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年7月から2013年5月末までの推移】

”上値を重くするグランヴァン市場の外部要因”

昨日の業者向け高級ワイン取引プラットフォーム Liv-ex での取引で、Chラフィット・ロートシルトのセカンドであるカリュアド・ド・ラフィット2004が4ケース、2009年11月以降の最安値で取引された。

取引価格は2010年12月に付けたピークの£3,330から47%安い、ケースあたり£1,750。それでもここ10年間のヴィンテージのカリュアド・ド・ラフィットの中では2004が最も高値にある。

売り物が出れば確実に値を下げそうな印象のグランヴァン市場です。

今週の新聞に「はじけた金バブル」の記事が一面に掲載されておりました。ワインと同じ実物資産を代表するゴールドから資金が流出しており、さらにはヘッジファンドなどが更なるゴールドの下落をにらんで先物市場で売りポジションを増加させているらしい。

約2年前に$1900を突破したゴールド価格は30%弱値下がりしたが、ヘッジファンド大手の運用者は「$500まで下がってもおかしくない」と専門TVなどでコメントしているとのこと。

また、グランヴァン市場に大きな影響を与えていた中国の、株の急落も新聞の一面記事となりました。一時はグランヴァン価格は中国株に連動すると言われたほどなのですが、グランヴァン市場への影響力も同時に急落したようです。

今回の中国株急落の原因となった、中国の影の金融システムや、銀行の資金繰りの悪化問題が直ぐに改善されるとは考えにくく、しばらくは中国からグランヴァン市場への影響力は影をひそめることになりそうだ。

以前にこのシリーズのブログで、典型的な株式市場の相場形成と、今回のグランヴァン市場の相場形成が似ているような気がすると書きました。

大型株(ボルドー)が人気となり、それがピークアウトすれば出遅れの割安株(ボルドーのセカンドワイン)などに循環買いが入る。その後は割高感の強いもの(ラフィット系)が大きく売られて行く展開はやっぱり典型的な株式市場の相場形成と似ているのかも知れません。

FRB議長が量的緩和の縮小計画を表明して、世界の金融市場の環境が大きく様変わりしたとされる「ポストFOMC」を境に、グランヴァン市場にも更なる急落のリスクが出てきたのかも知れません。

極めて希少価値の高いチューリップの球根以外は、いわゆるオランダのチューリップになってしまう可能性が出てきたと言うことでしょうか。

 

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その23

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその23回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年7月から2013年5月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。その後は横ばいよりもやや弱含みな推移の、価格変化に乏しい模様眺めの状況が続いている。

ボルドーワイン2012年ヴィンテージのアン・プリムール(先物取引)キャンペーンは不調。

多くの買い手にとって2012年ヴィンテージの価格は高過ぎると感じるようだ。2009年、2010年ヴィンテージと続いた高評価の年に高値で既に大きく買い付けていることもあり、ほとんどのワイン商が2012年ヴィンテージでのアン・プリムールへの参加を見送った。

また、このころからワイン取引のオファーとビットの差が開いている。売りたい人は高値で売りたいし、買いたい人は安くなれば買っても良いという状況。

アン・プリムールで最高値でのリリース価格となった2010年ヴィンテージワインの取引シェアが大きくなってきたことも市場を上値の重い状況にしているようだ。高級ワインの業者向け取引プラットフォームであるLiv-exではボルドーワイン全体の取引量の約30%を2010年ヴィンテージが占めているとのこと。

2011年、2012年ヴィンテージと続くアン・プリムールの不調のためか、ワイン商が2010年ヴィンテージの現金化に動いているとのこと。 

2009年、2010年ヴィンテージのアン・プリムールでは高値で大量に買われた。続く2011年、2012年ヴィンテージでは価格の割高感があるため、値下がりしない限り買い手が不在の状況。これでは、しばらく弱含みの展開が継続すると予想するべきでしょう。

ところで、今日の新聞にイングランド銀行が「史上最大の国債バブル」が混乱した状態ではじけることへの警戒感を表明したとの記事が載っておりました。

いつの日か終わりを迎える不況を回避するための大量の資金注入も、終わり方が 悪ければ、その時こそは本当にワイン市場も巻き込まれてのオランダのチューリップになってしまうかも知れませんね。

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