“高級ワイン市況”の記事一覧

究極の超極上ワイン試飲会

酒類専門誌「ザ・ドリンク・ビジネス」に世界で最も贅沢な週末のワイン試飲会が紹介されておりました。

主催するのは美人ソムリエであるメラニー・マイスナーさんが運営するザ・ホワイト・クラブ。このクラブのメンバーになるだけでも15,000ユーロ(約190万円)で、それも招待された人のみ。メンバーは世界で50人までと決まっているのだそうだ。

メンバーになると、フィロセキアの被害以前の12種のDRCや他の高級ワインを試す機会が与えられるのだそうで、それが長い週末のワイン試飲会となる。費用は別途一人12,000ユーロ(約150万円)。

ザ・ホワイト・クラブのセラーには約10,000の高級・希少ワインを所有しており、年に10~12回世界各地で極上のワイン試飲会を行なっているとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 昨年の12月14日~16日。極上ワインの長い週末試飲の場所に選ばれたのは、ブルゴーニュにあるシャートー・ド・メルキュレイ。19世紀に建てられた8部屋の宿泊ルームのある建物。

D・ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌさん(超レジェンドな人!!)が選んだワインにより、試飲会が始まるのは金曜日の午前中。ロマネ・コンティ1957、1978、1997、ラ・ターシュ1928、1947、1963、リシュブルグ1963、1975などを含むDRCの古酒から試飲会はスタート。

参加者にとって、この週末は一生に一度となる経験。旅行気分を楽しみつつ、ミシュランで星を獲得するザ・オステルリー・ド・レヴァノアのフィリップ・オジェ・シェフのお料理とともに贅沢を極めた極上な希少ワインを楽しむのです。

最初の日のディナーにはロマネ・コンティ1922、1923、1929、1935、1942、1954、1969、1973、1974、1975。ラ・ターシュ1940マグナム、1973、1975、1976、1990、2002、2003。リシュブルグ1940マグナム、1945、1999。グラン・エシュゾー1969、2003。またブルゴーニュ・ワインばかりではなくクリュッグ・ロゼの古酒やペリエ・ジュエ1961も楽しんだ。

翌日、土曜日のランチにはロマネ・コンティ2003、1989、ラ・ターシュ1962、1964、1978。エシュゾー1958、2003。グラン・エシェゾー1957。ロマネ・サン・ヴィヴァン2003、リシュブルグ2003、アンリ・ジャイエ・エシェゾー1992、アンリ・ジャイエ・クロ・パラトー1979。

まだ足りないという方にはエクストラ800ユーロ(約10万円)でディナーとともにCh・ムートン・ロートシルト1982、Ch・ラフィット1996、Chマルゴー1929、エピキュリアン2007、ヴィラフォンテMシリーズ2010、Ch・ラトゥール1990、オルネライア・メイデン・ヴィンテージ1984、マセット2006、クインタレリ・アマローネ2003、ヴェガ・シシリア・ウニコ1970、Ch・ペトリウス1998、とさらに驚きのブルゴーニュワインを。

さらに日曜日は1200ユーロ(約15万円)でランチにピングス、ペンフォールズ・グランジ、Ch・ムートン・ロートシルト、Ch・ラ・トゥール、Ch・ラフィット、Ch・ペトリウス、Ch・マルゴー、Ch・ラ・ミッション・オーブリオン、シュバル・ブラン、Ch・オーブリオン、ヴェガ・シシリア・ウニコ、Ch・オーゾンヌ、シャンベルタンのクロ・ド・ベズ、シャルム・シャンベルタン、クロ・ド・ラ・ロシュ、クロ・ド・タール、ボンヌ・マール、ミュージニー、クロ・ド・ヴジョウ、エシェゾー、グラン・エシェゾー、ラ・グラン・リュ、リシュブルグ、ロマネ・サン・ヴィヴァン。

そして最終の日曜のディナーは偉大な5大ワインの1988、1998、2008と楽しんで、長くて贅沢な一生に一度の体験は終了したのだそうだ。

ちなみに2013年の日本でのザ・ホワイト・クラブのイベント予定はないようで、香港では11月6日に世界の高級ワインのイベントが模様されるとのことがHPに掲載されておりました。

お金もワインの大古酒も、あるところには、あるんですね~!(汗)

 

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ペンフォールドが中国企業に買収される!!

オーストラリアで最も有名なワイナリーであるペンフォールドやウルフ・ブラスなどを所有するオーストラリア最大で、世界でも2番目の大きさを誇るワイン企業であるトレジャリー・ワイン・エステーツが中国企業に買収されるとの憶測がオーストラリアで飛びかっているのだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真はペンフォールドの代表ブランドである「グランジ」

 オーストラリアのプレスの伝えるところでは、オーストラリア・ワイン業界の供給過剰問題が数年後に改善される見込みがあることから、トレジャリー・ワイン・エステーツに対して、買収のための公開買い付けが行われる可能性が強くなってきていると、その筋のアナリスト達が語っているのだそうだ。

2011年5月に以前の親会社でオーストラリア最大のビールメーカーであるフォスターズから切り離されて以来、トレジャリー・ワイン・エステーツの株価はここ数ヶ月は下落傾向にあるがそれでも30%以上値上がりしている。

 アナリストの話ではグローバルなワイン企業は間違いなく、このトレジャリー・ワイン・エステーツの所有する有名ワイナリーに興味を持っており、中でも中国系のワイン企業からの強烈な買い付けが入る可能性があると予想。

このところ中国でのオーストラリアワインの売り上げが急増していることもその追い風となっているようだ。

最も積極的に買い付けに動くと予想されるのはシャトータヌンダやイエリング・ステーションを所有するラスボーン・ワイン・グループ。その他にも上海を拠点にしているブライト・フードやサーベラス・キャピタル・マネージメントなどで、ブライト・フードは2010年に買収を検討していることが伝えられており、サーベラスCMは同じ年に約2千億円での買収に失敗しているとのこと。

アナリストはトレジャリー・ワイン・エステーツの買い付け戦争が始まれば4千億円を越える買収金額となるだろうと予想しているのだそうだ。

 オーストラリアの国宝級とも言える伝統あるワイナリーを含む買収ですから、オーストラリア国民にしてみれば複雑な思いがあるのだと思います。また中国企業にしてみれば自国に巨大な市場を持っているわけですから、供給元からおさえてしまえばそのメリットは大きいわけです。

 その中国で最もビールを販売する会社はイギリスの会社で、ワインを大量に販売する会社も日本のサントリーさんが所有してたりするわけです。酒屋にとってはあまりにもスケールの大きい話で、まったくピンとこないのですが、グローバル化に飲み込まれるとはこういうことなんですね。

 グランジも中国人好みの味わいに変ったりするのかな(汗)!?

 

 

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グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その18

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその18回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

1999年から2012年12月までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移。

2012年の高級ボルドーワイン価格は、1年を通して下落傾向で推移しました。

年初にはワイン、ゴールド、原油、株式市場と、ほぼ全ての市場が上昇に転じましたが長くは続きませんでした。3月に入るとそれらの価格は一転して調整ムードへと変化したのです。

その後、欧州債務危機や中国の経済成長の鈍化などの影響を受け値下がり傾向は続きました。ワイン市場ではワイン投資会社の倒産や、偽造ワインの流通なども価格下落に拍車をかけました。

ワインのオークションは売上高が減少、非常に希少価値の高いワイン以外は盛り上がりに欠ける状況でした。

夏以降はほぼ横ばいで推移。秋ごろにはダウンサイドへのトライも見られましたが、それも一次的で長続きしませんでした。11月に入ると中国新政権に対する期待感からか、ボルドーワインと価格の値動きが似ているとされる中国株の上昇と同調するようにボルドーワイン価格も上昇し、夏場から続く横ばいの水準まで値を戻したのでした。

 この上昇では高級ボルドーワインのオフ・ヴィンテージが主に買われた模様。

近年の高級ボルドーワイン価格の大幅な上昇をけん引した主導者は、金属や穀物などのコモディティと同じく中国と考えられます。今後また大きく高級ボルドーワイン価格が上昇するとすれば、中国の急激な景気回復でビリオネラーと呼ばれるような富裕層の数が大きく増加するような状況が訪れること意外にはないような気がします。

今までの富裕層による資産運用でのリスクヘッジでポートフォリオの一部としてワインを保有するとしても、ワイン相場がピークを付けた時に中国系が2008年ヴィンテージを買い上げたようなバイイングパワーには達しないとも想像されます。

 現在の中国系のワインの買い方は、メインの高級ボルドーワインではなく、供給量が少なく希少価値の高い右岸のボルドーやブルゴーニュ、イタリア、シャンパーニュ、カリフォルニアなどに移行しているとのこと。

また中国の新政権は、腐敗のイメージを拭い去るために酒離れの方向に動いている様子。政府関係でのワインの消費量は減少すると予想されます。

ちなみに中国人アーティストの描いたラベルを採用して話題となったムートン・ロスチャイルド2008は、2010年の12月にB to Bの取引で1ケース(12本)8,300ポンドで取引されていたが、このところは大きく値を下げ3,100ポンドと半値以下に値下がり。製品化される前の先物取引であるアン・プリムールで買い付けて製品をを引きとった業者やファンド、コレクター、投機家は全て大損か大きな含み損になっていることになります。

 近年の評価の高いヴィンテージ続きでワインファンドの資金とワインの比率は大きくワインに傾いていることも上値を重くしている一因と考えられます。

一般的には高級ワイン価格に関する悲観論は利害関係もあり書かれることがありませんが、高級ボルドーワイン価格の先行きに楽観視は禁物と考えます。

 

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グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その17

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその17回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2012年7月から11月8日までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移。

“高級ボルドーワイン・インデックス再び下落傾向!”

2011年6月末にピークを付けてた高級ボルドーワイン・インデックスは、2012年7月11日まで約34%の下落。その後は横ばいが続いていたが、ここに来て再び下落基調を強め、昨年にピークを付けて以降の最安値をここ数日間で更新。

 高値から最も値下がり率の大きいのがシャトー・ラフィット・ロートシルト。その中でも最も下落の大きいヴィンテージが2011年に中国系が大きく買い上げた2008年ヴィンテージで、ピーク時の半値以下まで値下がりしている。次が2003年ヴィンテージで約45%の下落、その次が偉大な年と呼ばれる2000年ヴィンテージで約42%の下落。

ラフィットの 2000年~2008年ヴィンテージの平均下落率は約41%。次に平均下落率が大きいのがオーブリオンで約34%。その次がムートン・ロートシルトで約33%。その後にマルゴー、ラトゥールと続く。

 昨年の7月に書いたブログでのエリオット波動理論でのテクニカル分析が、今のところ当たっていると言えるかも知れません。⇒ https://www.stepstep.biz/wine/grandvinesono3

 現在の値動きをエリオット波動理論にあてはめてみると、ピークを付けてから価格が下落している中での値動きの波動は、第一波で大きく値下がり、第二波で横ばいからやや戻り、第三波で第一波の半分ほどの下落、第四波が上の写真にある夏から続いている横ばいからやや戻り、そしてここ数日の間に始まったと推察される下落第五波。

この下落第五波の下落が終了すれば、ひとまず大きな下落は一休み。次の大きな下落トレンドが始まるまで、アップサイドへの戻りを見せるか、横ばいでの動きになるとされている。もし近い将来に高級ボルドーワインを購入したいとお考えの方は、下落第五波の終了レベルが購入のチャンスとなるのかも知れません。

第五波の下落幅の目安は、第三波の下落幅と同程度(第一波の半分程度)とエリオット波動理論では推測され、第一 > 第三 ≒ 第五 の下落パターンとなるようだ。その下値めどは2008年のリーマンショック時に値下がりして付けた安値と同レベルになるとみられる。

 また上昇幅に対するとりあえずの下落幅目標がフィボナッチ数からくる38%、50%、62%とされており、第五波での下落によるリーマンショック時と同レベルは、38%に近い水準となるようだ。

 つまり、エリオット波動理論によれば、ここ数日で始まった第五波での下げが終了すれば、その後はしばらくは高級ボルドー価格の下落は、しばらくお休みの期間となるということでしょうか。

もちろん予測どうりの価格形成になるとは思いませんが、ここで始まった投げ売りと推測される売りが一巡すれば、とりあえず落ち着くということだと思います。

 

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ブルゴーニュの収穫量は1950年以降で最少!

酒類専門誌「ハーパーズ」の伝えるところでは、ブルゴーニュ地方でのブドウ収穫量が1950年以降で最低になったとのこと。

 

 

 

 

 

 

コート・ドールのワイン畑は今年の生育期での霜、雹、カビによるうどん粉病による被害と、乏しい開花により1950年代中盤以降で最低の収穫量となった。

ブルゴーニュワイン取り扱い業者のワイン在庫量は、プレミアムクラスもスタンダードクラスも少なくなっており、価格の上昇は避けられなくなった模様。

大手ネゴシアンは小売り業者に対し、既に暫定的な値上げ分として35%の値上げを通知している。またバルクワインに関してはブルゴーニュ・ピノ・ノワールで最低でも50%の価格上昇が最近になって起こったとのこと。

 コート・ド・ボーヌのコルトン、モンラッシェ、ヴォルネイ、ポマールなどのブドウ畑は特に酷い状況で、雹の被害により収穫量が激減したようだ。ボーヌのワインブローカーの話では、「こんな状況は今まで見たこともない!友達のワイン生産者のところには通常60樽ぐらいあるのだが、今年はたったの3つだけ!」とのこと。

 しかし、収穫の収量は極めて少ないのだが、ブドウの品質に関しては楽観できると生産者はみているのだとか。特に赤ワイン用に関して。

成長期を過ぎて、小さい房、小さいブドウ、厚い皮が特徴となった。赤ワインはとても凝縮感がある。そして2003年と違い酸の不足もないとのこと。

 ということでブルゴーニュのワイン生産者にとっては、記憶に強く残る希少なヴィンテージとなるようです。どんな味わいになるんでしょうか?ある意味、気になるビンテージとなりそうですね。

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