“ワイン投資”に関する記事一覧

グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その11

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその11回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2011年12月から2012年5月末までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移(The Liv-ex Fine Wine 50 Index)

2012年に入ってから他の市場と同様に底打ち感が出ていたボルドーワインインデックスは、3月中にその勢いを失い、そのままズルズルと値を下げ、5月中旬には遂に前回の安値を下回る底割れ。そして、そのまま一方的な値下がりが続いている。

値下がり幅は、 2011年7月1日に付けた高値445.49から、2012年5月31日の321.97まで、インデックス・ベースで28%。

 株安、ドル安、ユーロ安、原油安と米国雇用統計の予想以上の悪化を受けて、ほぼ全ての市場の市場心理が弱気一色。ワイン市場にとってもリスクマネーの流入はしばらく見込めない様子ですね。

「ギリシャのユーロ離脱となれば、実物資産である投資可能ワインに資金が流れて価格は上昇する!」としている投資関係のコラムニストもおられるようですが、今のところ全くそれらしい兆候の値動きは感じられません。

中国市場で圧倒的なブランド力を持つボルドーワインが、中国のリスクマネーを大きく動かす富裕層にとって魅力ある水準に達するまで値下がりすると考えた方が良さそうです。

その時にはワイン市場だけでなく他の市場も含めて上昇に転じる可能性があります。そう考えれば、現在既にドル/円の水準は日銀の介入水準に達しているとみられ、すぐにでも介入で大幅なドル高/円安に振れる可能性があるわけです。また、その動向に引きずられて他の市場も含むワイン市場は意外に早い時期にとりあえずの底を付ける可能性もあるかも知れません。

ところで中国のワイン屋さんは富裕層に入るようです。日本でもそうだと良いのですが!

つい先日、新聞を読んでいると中国の記事が載っていました。今でも高級品は飛ぶように売れるのだそうです。若い人の所得水準は二極化していて、上海では窓なしのモグラのような部屋しか家賃が高過ぎて住めない人がいる一方で、フェラーリをカードの一括支払いで購入する若者もいるのだとか。

ビックリしたのは、そのフェラーリを一括支払いで購入したのが、ワイン屋の息子だったこと!「中国のワイン屋さんて、そんなに儲かるの!?」って。

ボルドーワインの供給量は高級ワインのわりに多いと言っても、中国のそんな富裕層がまた本格的に買いに出たら、やっぱりグランヴァン相場は下げ渋ることになるのだと思います。

どの水準で中国人の本格買いが入るのか?がグランヴァン市場の当面のクリティカル・ポイントとなりそうですね。

 

 

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グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その10

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその10回目。

ボルドーワインインデックスはピークから約20%調整したレベル。2012年に入ってからは他の市場と同様に底打ち感も出て、狭いレンジでの横ばいでの推移となっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年1月4日からの2012年5月9日までの高級ボルドーワイン・インデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)チャート。

”インデックス価格は底抜けた!”

フランス、ギリシャでの総選挙での結果を受けてか、ほぼ全ての金融市場が下げに転じた。高級ボルドーワインもまた下げに転じ、遂には昨年末の安値を割りこんでしまいました。

さらには米国大手の金融会社での巨額の損失が明らかになり、マーケット・リスクに対する厳しい目はさらに強まりそうな気配。マーケット・リスクのある商品からの資金の引き揚げ、業務部門の縮小などと、更なる安値を想像させるわけです。

また、中国経済成長の鈍化、ワイン投資会社の評価損の拡大と、弱気ムードに支配された高級ボルドーワイン市場。テクニカルの視点でもファンダメンタルズの視点でも、次の安値のめどが付かない空恐ろしい感じのする高級ボルドーワイン・インデックスの底抜けです。

日本での相場格言では「半値八掛け二割引き」、エリオット波動理論ではフィボナッチ級数を利用した、値上がり幅の38%、50%、62%が底値の目安とされます。

高級ボルドーワイン・インデックスの値上がり幅に対しての調整幅は今のところ約20%。とりあえずの底抜け後の次の下値ターゲットは38%レベルになるわけです。

少なくとも高級ボルドーワイン・インデックスに関しては、1988年から続いた大相場が本格的な調整期に入ったと言えるのではないでしょうか。

 

 

 

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グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その9

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその9回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2001年からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 100 Index)のチャートとトレンド・チャンネル・ライン。

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年1月21日からの2012年4月21日までの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)チャート。

年が明けて株式市況、商品市況とほぼ全ての市場で価格は底打ちし上昇に転じました。しかし3月に入ると、今度は一転してほぼ全ての市場が調整ムードとなりました。高級ボルドーワイン市場もまた動きを同じくしており、今年になって上昇した分の範囲内で調整を続けております。

“Sell in May and go away”の相場格言が話題に上っていた2月の終わりに、ほぼ全ての市場で価格が下がり始めたのは、やはり価格上昇に対する市場参加者の、強気になりきれない市場心理を反映したからではないでしょうか。

さて高級ボルドーワイン市場ですが、ワイン専門誌のデキャンター.comによりますと、有名なワイン投資会社を含む50以上のワイン投資会社が運用の失敗により倒産している、もしくは倒産に至る可能性が強いのだそうだ。

その失敗により、この4年間でワイン投資家は約132億円(£1億)を失ってしまったとのこと。

金融の典型的な詐欺なのですが、ワイン投資会社の中には投資家から資金を集め、その後投資も返還も行われていなかったり、高級ボルドーワインの先渡し取引であるアン・プリムール販売で購入資金だけを受け取っただけの会社もあったのだそうだ。

ワイン投資を取り巻く環境は、初めて厳しくなってきたようです。

また、先日のブログでも書いたのですが、中国では高過ぎる高級ボルドーワインから、割安感のあるワインへ人気が移っているとのことで、2008年のCh・ラフィットを買い上げたようなボルドーバブルは今後しばらく期待できないようです。

南ヨーロッパでの金融危機の影響もあり、ひょっとしたら資金繰りに困った高級ボルドーワイン保有者が売り急ぐ場面も出てくるのかも知れません。

問題はそうなったときに誰が買うの?ってことでしょうか。

傷ついたワイン投資会社のパフォーマンスと信用、中国での高級ボルドーワイン・バブルの崩壊、供給量があるわりにまだまだ割高感のある高級ボルドーワイン価格・・・・・・・・・・・・となかなか強気になれないグランヴァン市場です。

 

 

 

 

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グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その8

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその8回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年12月からの2012年2月末までの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)チャート。

ゴールド、原油、株式とほとんど全ての市場が、2012年になると同時に底打ちし上昇に転じました。グランヴァン市場もまた上昇に転じています。世界的な低金利政策による金融相場は、ワイン市場もまた押し上げていると言えるのではないでしょうか。

最近のワイン・オークションでは、一時引っ込んでいたアジアからの買いが戻ってきたようです。中でも、いわゆる小型品薄株的な高級ワインが値を飛ばしています。特にドメーヌ・ロマネコンティのブランドを中心としたブルゴーニュワインが人気で、2月のオークションでは最高値を記録した銘柄もありました。

ボルドーワインでも、より希少価値の高いポムロール地区のペトリウスやル・パンが人気となり値を飛ばしました。またスーパートスカーナのレアワインもアジアからの買いで大きく値を飛ばしたとのこと。

基本的に経済が不安定な状況下での過剰流動性による資金の流れは、ワインも含めた実物資産に流れる傾向にあるようです。特にゴールドなどの実物資産を好む傾向にある中国系にとっては、供給量の限られた美術品やアイコン・ワインもまた、実物資産の投資対象として好まれるようです。

 しかし、現在ゴールドや原油価格を押し上げている、メインの買い手とされているのは投資ファンドです。その買い越し残は相当の高水準に達しているとのことで、投資ファンドの動向次第で一気に急落した場面もありました。金融相場の環境下では、今後も大量の投機ポジションの動向による乱高下は起こるのではないでしょうか。そして、その動向は高級ワイン市場にも波及すると考えられます。

いわゆる小型品薄株的なワインは、今後も最高値を記録するほどに値を飛ばすと予想されます。しかしボルドーワイン・インデックスのレベルでは、堅調に推移する中で他の市場の不安定な市場動向の影響を受ける可能性はあります。

また中国系からの人気がボルドー一辺倒から、より希少性の高いワインへ移行したことにより、ボルドーワイン・インデックスとしての最高値の更新とまでは難しいと考えます。

ワインに投資したい人にとっては、「ボルドーは値段が高過ぎるし、買ってもその後大きく値上がりするとは考えにくい。だったら、より希少性の高いワインの方が魅力的!」ってとこでしょうか。

 

 

 

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「グランヴァン市場」10月は一方的な下げ!

10月の高級ボルドーワイン・インデックスは、一方的な右肩下がりの展開。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボルドーワイン・インデックスは7月の初旬にピークを付けて以来一方的に下げ続けております。インデックス・ベースでピークから約15%の下落。10月の中旬には横ばいで推移する場面もありましたが、その後また下落傾向に戻りさらに値を下げております。

 ワインのオークションでもボルドーワインに対しては競り落とされないケースも出ており、メインの買い手である中国系からのボルドーワインに対しての積極的な買いは引き続き引っ込んだまま。替わって中国系はDRCをメインとしたブルゴーニュ・ワインを追いかけているのだとか。

まだまだ彼らにとって、割安感ある水準までボルドーワインは下がってないと見ているのか、市場が反転して上昇傾向が表れないと買う気になれないのか、ボルドーワインに対しては慎重になっているようです。

香港が世界のワイン消費の中心地になったのは間違いないようで、香港のワイン輸入は過去最高を更新しているのだとか。ワイン業者もそんなに広くない香港に何千とあり、香港で輸入されたワインのほとんどは中国のメインランドへ出荷されていて、うまくやれば非常に儲かる商売となっている様子。

 規模は全然違うかも知れませんが、日本のバブルの時代に不動産屋さんが急増したことが思い出されます。あれから20年、日本の不動産市況はご存じのとうり。状況はまったく同じではないかも知れませんが、日本人としてはやや危険な香りを感じてしまいます。

あのときだって「日本の土地の供給は限られてるから絶対に値下がりしない!!」ってことだったんですけどね~!!(汗)

 あ~こわいこわい!!

 

 

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