“高級ワイン市況”の記事一覧

「ボルドー2015」特別感ある偉大なヴィンテージ

 

 

天候に恵まれたボルドーワイン2015は偉大なヴィンテージのひとつとなるようだ。

著名ワイン評論家ジェームス・サックリング氏のブログによれば、2015年ヴィンテージは本当に素晴らしく、華麗な色合いに熟していて、リッチ、ヴェルヴェットのようなタンニンを持ち、たくさんの驚きを感じる味わいとのこと。

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2015年ヴィンテージは偉大なヴィンテージの中でも、パワフルな2009年や2010年のようなタイプではなく、2000年や2005年のようなパワフルさと繊細さをあわせ持つタイプのようだ。

特にメルローを主体とした右岸ボルドーの出来が素晴らしく、ポムロール、サンテ・ミリオン、リュサック・サンテミリオン、ラランド・ポムロールなどが際立っているとのこと。

五大シャトーの中では、「Ch・マルゴー」がなんと言っても素晴らしく、ワインレースのポールポジションとも呼べるような出来。

ジェームス・サックリング氏が今回2015年ヴィンテージのボルドーワインのテイスティングで最高スコアである100点を付けたのは8銘柄。

「カノン」「ラフルール」「ラ・ミッション・オーブリオン」「マルゴー」「ペトリウス」「トロタノワ」「パヴィー」「「オーゾンヌ」

2015年ヴィンテージとは、1980年代の偉大なヴィンテージを思い起こさせるネオクラシックなスタイルとのことで、濃縮感のある味わいと言うよりも、バランスの良い伸びやかな味わいとのこと。

偉大なヴィンテージの中でもカリスマ性のある特別感あるヴィンンテージのようだ。

 

 

 

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「高級ワイン市況」Brexitと2015ボルドー

 

 

中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークからほぼ5年経過。

2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?

昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?

高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?

・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。

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【ワイン・インデックス2011年3月から2016年3月末までの推移】

高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、3月末の時点で250.25と2月末と比べて2.69%の値上がり。ここ3年では最大の値上がりとなった。

この一カ月で最も値上がりしたのがDRCラ・ターシュ2009、13.9%上昇の1ケース£21,966。次がCh・ラフィット・ロートシルト1996で、10%上昇の1ケース£7,700.

また最も値下がりしたのはCh・ムートン・ロートシルト2000で、-4.5%の1ケース£12,750。

Brexit と呼ばれる英国のEU離脱への懸念による英ポンド下落傾向にワイン市場は下支えされて来たが、3月の外国為替市場は比較的落ち着いた動きとなった。

しかし、昨年末から続く対ユーロでの英ポンド下落幅は20%を超えているため、英ポンド建てでのワイン価格上昇が追い付いていない印象だ。

英国外からのバリューを意識した買いで、Liv-ex市場でさらなる値上がりが見込めるということだろう。

 

高級ワイン市場で最も流通が多いボルドーワイン市況のセンチメントは、好転しつつあるようだ。

ボルドー2015年ヴィンテージのアン・プリムールが始まる。2015の評価はかなり高いようだ。シャトーの出値にもよるが、価格によってはかなりの人気となる可能性もある。

それでも、2012年ヴィンテージを筆頭に流通業者のボルドーワイン在庫は高水準のままであるため、Brexitによる外国為替市場の影響を抜きにしたワインの需給バランスのみを考えれば、インデックスベースでの上値は軽くはないとみられる。

 

 

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日本唯一のワイン投資ファンド破綻

 

 

昨日の日本経済新聞に「ワイン投資ファンド破綻」の記事を見つけた。

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<日本経済新聞>

HPによれば、このファンドは日本で唯一のワイン投資ファンドとのこと。

約520人が出資した約36億円が未償還になっているとのことで、償還を受けられない可能性がある。また、その他の債務も含め、負債総額は40億円を超える見通し。

ボルドーワインのバブル崩壊以降、ワイン投資ファンドの破綻はここ数年世界的に起きている。日本のワインファンドも例外ではなかったようだ。

監視が全く機能していなかったのは問題だ。

約2千人から計77億4千万円を集めたとのことだが、投資対象のワイン在庫は書類上よりも大幅に少ない、約1億円分しかないという。

また、HPによれば偽造した運用実績から、成功報酬の10%を社会貢献活動に寄付していたようだ。

平成バブルに繋がった「日本の土地神話」は間違った認識だったが、「ワイン神話」も間違っていた。

ワインの世界でもボルドーワインバブルが崩壊する以前は、ワインは値下がりすることはないという「ワイン神話」があったと聞いた。

それゆえ、ボルドーネゴシアンもワイン投資家も、先物取引で毎年リスクを考えずワインを買い付けていたのだと思う。その結果が、世界中のワインファンドの破綻と、ネゴシアンの大幅な損失の計上だ。

ワインの投資を考えるなら、いわゆる「バリュー投資の罠」の他に、「流動性の罠」も存在する。もちろん値下がりのリスクもある。

商売でないなら、かなりの余裕をを持って、「売れなければ自分で飲む」ぐらいの気持ちが必要だと思う。

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「高級ワイン市況」英ポンド下落が下支え

 

 

中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから4年以上経過。

2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?

昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?

高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?

・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。

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【高級ワイン・インデックスの2011年2月から2016年2月末までの推移】

高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、2月末の時点で243.7と1月末と比べて1.2%の値上がり。ここ一年では最大の値上がりとなった。

2014年7月のボトムからは4.1%高い水準にある。

外国為替市場で英ポンドが大幅に下落していることで、Liv-exで取引されているワイン価格が割安となり、アメリカ、ドイツ、香港などから買いが入ったことが主なワイン・インデックスの上昇要因とみられる。

ビッドの金額がオファーを超えるような、今までにない強気の状況もLiv-exでは見られたようだ。

そんな2月に、最も注目されたのがシャンパーニュ市場。

非常に強い引き合いがあるとされる「クリュッグ2002」がリリースされた。リリース価格は6本で£950だったが、その後3割以上も値上がりしたとこが、他のシャンパーニュ・ブランドにも波及したようだ。

ドンペリニョン2002が8.1%、テタンジェ2004が7.9%、ドンペリニョン2004が6.2%上昇した。これらは1月に値下がりしたことによる反動の値上がりもある。

逆に大幅に値上がりしていたオーゾンヌ2000は11.5%値を下げた。

英ポンド建てでのワインインデックスは値上がりしているが、昨年末から続くユーロに対しての英ポンドの値下がり幅の割に、ワインインデックスの上昇幅は大きくない。

ワイン価格は、英ポンド建てで値上がりしているが、ユーロ建てでは値下がりしているのか。それとも、英ポンド建てでのワイン価格の上昇が為替市場に追いついていないのか。

もし後者なら、さらなるLiv-ex市場での値上がりが見込めることになる。

今後しばらくは、英国のEU離脱への懸念による外国為替市場の動きに、ワイン市場が影響される展開が予想される。

それでも、ワイン価格の本格的な上昇に繋がるとは考えにくい。

 

 

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「高級ワイン市況」年初から五大シャトー買われる

 

 

中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから4年以上経過。

2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?

昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?

高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?

・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。

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【高級ワイン・インデックスの2011年1月から2016年1月末までの推移】

高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、1月末の時点で241と12月末と比べて3ポイント(約1%)値上がりした。

株式、人民元、原油、銅などが、年初から急落を続け、まさに暗黒の1月といえるような景況感であったにもかかわらず、高級ワインのトップブランドは初っ端から値上がりした。

五大シャトーと呼ばれる最高各付けのボルドーワインや、トップブランドのブルゴーニュワインが値上がりしたのだ。

それも、Liv-exのビッド/オファー・レシオが100%を超えるような積極的な買いが入った。

50%以上で強気市場とされる水準を大幅に上回ったのだ。ビッドがオファーを上回るのは、中国のボルドーワイン・バブルに沸いた2010年7月以来はじめてのこと。

こんなマクロ経済が混乱した状況下で、いったい誰が買ったのか?

こんな混乱した状況だからこそ、中華系を買いに走らせたようだ。

ヨーロッパのワイン業界が年末年始の休暇から戻りきっていないまだ閑散とした市場で 、人民元の急落による人民元建てでのワイン価格急騰に焦った中華系から、2月の春節のための高級ワインの買い付けが一気に入ったと推測される。

中国で最も人気のあるワインブランドであるシャトー・ラフィット・ロートシルトの、最も価格の安い2012年ヴィンテージが積極的に買われていたようだ。

ではこの先、年初から堅調にスタートした高級ワイン市場は、このまま右肩上がりで推移するのか?

アン・プリムールが閑散に終わり、その後値下がり傾向にあるボルドー2013ヴィンテージのリリースが始まった。また、春節のための中国からの買いは終了している。

この先も上値は重いと推測されるボルドー2013年ヴィンテージが加わり、なおかつ春節などの特別な需要もなくなったのだ。インデックス・ベースでは上値の重い展開になるとみるべきでしょう。

 

ちなみに、2013年ヴィンテージのような、偉大なヴィンテージではないヴィンテージとは、いい方から順に「かわいい」「楽しい」「骸骨のよう」「軋んでいる(ギシギシと)」と業界の方々は表現されるのだそうだ。

だから、もし専門家の方から「このワインは”かわいい”タイプの味わいでして・・・・・」みたいな説明があったとしたら、ひょっとしたら”そういうこ”となのかも・・・・・・(汗)。

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