“高級ワイン市況”の記事一覧

「ボルドー2013」閑古鳥が・・・・・・って状況か!?

ボルドーでは出来の良いヴィンテージのワインを「偉大なヴィンテージ」と呼び、その逆は「可愛いヴィンテージ」と呼ぶのだそうだが、2013年ヴィンテージに関しては「非常に可愛い」との意見が多いようだ。

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ボルドー2013年ヴィンテージのアン・プリムール・キャンペーン・ウイークの後、2013年ヴィンテージのリリース価格を各シャトー一斉に発表した。

市場の予想としては2012年ヴィンテージのリリース価格から30%ほど安くなるだろうとされていた。しかし発表された価格は、その市場予想を裏切る価格水準。2012年と変わらずから15%安のレンジで、ほとんどは10%以下での安い水準。

あるマスター・オブ・ワインの評論家は「まったく現実的ではない!」「これではもうアン・プリムールで購入することに対して、何のインセンティヴも市場は感じないだろう!」と。

それでもラフィットなどはここ10年の中で最も安いリリース価格となる。

また、「シャトーはブランドを守ろうとしているようだが、誰も買わなければブランドの価値もないだろう!」「誰が買うの?中国?ロシア?ブラジル?インド?・・・・・自分の割り当てが減るからと恐れるようなことはもうない!」「このリリース価格はブランドを守ると言うよりも、ボルドーワインとしてのプライドが許さなかったということだろう!」と手厳しい。

ボルドーワイン市場が軟調に推移するなかで、売る側と、買う側の意思のギャップは大きく、ボルドー2013年ヴィンテージのアン・プリムールは、さしずめ「閑古鳥がないてるよ!」みたいな状況となるようです。

買う側としては、高値づかみしたくないですからね。

個人的には、「非常に懐具合が良いボルドーのシャトーは、今後の「偉大なヴィンテージ」を期待して、たとえ2013年ヴィンテージは見捨てることになったとしても、できるだけ高値のワイン価格を維持して行きたい。」と考えたのかも知れないなあとも思います。

「高くて可愛い!」みたいなイメージを持たれてしまったヴィンテージのワインって、どうなるんでしょうかね?

 

 

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その33

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」、もしそうなら「今後そのバブルは崩壊するのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその33回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年4月から2014年3月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとしたなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の3月末までの値下がり率は約13%、前月末からは約1%低い水準。2011年6月のピークからは約36%安い水準。

2013年の戻り高値からインデックスは12カ月連続での値下がり。歴史的にも前例のない値下がりが続いている。

先日アン・プリムールのキャンペーンを前に、2013年ヴィンテージの価格を2012年ヴィンテージの価格と同じに据え置くと発表したシャトー・ポンテ・カネの2009年、2010年ヴィンテージが発表以後激しく売れられいるようだ。

おそらくこれが強気のポンテ・カネの2013年ヴィンテージ価格に対する市場からの返答ではないかとみられている。

現在ボルドーではアン・プリムール期間中だが、2013年ヴィンテージに対する評価はあまり良いとは言えないようだ。特にここ数年はアン・プリムールでの先物買いが高値づかみになっており、全く積極的に購入する気にはなれない雰囲気のようだ。

香港からのバイヤーは2012年ヴィンテージの価格から30%ぐらい下げれば少しは買ってもよいが、そうでなければまったく購入しないとのこと。2013年ヴィンテージを高値で仕入れるよりも、その分バックヴィンテージの仕入れに向けた方が得策というわけだ。

 ちょっと前まではボルドーワインのメインプレイヤーであった中国の状況も一気に暗転。ワインだけの現象ではなく、ゴールドでさえニューヨークなどよりも上海では安値で取引されていると今朝の新聞で伝えていた。

”バブルは必ずはじける”などと言われておりますが、ボルドーワインがメインのワイン・インデックス相場も、中国経済も、「オランダのチュウリップの状況の繰り返し」ということなのかも知れません。

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”タフ”ヴィンテージのボルドー2013の”タフ”ウイーク前夜

いよいよ今年もボルドー2013年ヴィンテージのアン・プリムールのシーズンが始まります。

蔵元以外には誰も試飲していないトップ・エンドのボルドー2013年ヴィンテージが試飲され評価を受け、またアン・プリムール取引でのリリース価格が発表されたりします。

非常にタフな生育環境であった2013年ヴィンテージに対する市場のコンセンサスとしては、2012年ヴィンテージに比べて30%ほど安い水準のリリース価格になるのではないかとのこと。

トップ・エンドのボルドーワイン市場は値下がり傾向にあり、輸出も減少傾向あること。2013年ヴィンテージのクオリティーは一般的には厳しい状況なこと。また厳しい状況だったことによる大幅な減産などと、あまり楽観的にはなれない状況で、どの程度までリリース価格が下がるのかが注目されているようだ。

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 そんな重いムードの2013年ヴィンテージ・ボルドーワイン市場に”ガツン!”と先制攻撃で気合を入れたのがシャトー・ポンテ・カネ。

異例に早い段階で2013年ヴィンテージのネゴシアン出しのリリース価格を2012年ヴィンテージと同じ1本60ユーロに据え置いた。まさに、それまで弱気だった市場ムードに一発ガツンと先制パンチをくらわしたのです。

「え~30%値下げじゃないの~!(汗)」

「それに・・・まだだれも味見してないじゃん・・・・!(汗)」

って言ったかどうか分かりませんが、そんな騒ぎになってるようです。

 ポンテ・カネとしては2013年のクオリティは悪くないし、供給量が例年の半分ほどにもかかわらず、香港やアメリカなどからの引き合いは強いとしているようだ。

 つまり、同じボルドー・ワイン・ブランドの中でも、ポンテ・カネはその空気を読む必要のないほどのブランド力ということなのか。それともアン・プリムールの傾向には従わない意思表示なのか。

シャトー・ポンテ・カネ2013年ヴィンテージのクオリティが来週は特に注目されるようです。

 

 

 

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逆風続くボルドーワイン

ワイン専門の情報サイト「ワインサーチャー」でボルドーワインの2013年売上高減少を伝えておりました。

 2013年ボルドーワインの販売量は0.3%増加の742百万ボトル、金額ベースでは1.4%減少の42.4億ユーロだったとのことだ。

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売上高減少の 一番の要因はやはり中国での売上の減少。中国への販売量は16%の減少、金額ベースでは18%の減少となった。

今では中国本土と香港を合わせたボルドーワインの売り上げは、量、金額ともに4分の1を占めるほどで、それらの地域での売上高減少の影響は大きい。

また、フランス国内での売り上げも減少。ヨーロッパの地域ではボリュームは5%増したが、金額では5%減少。

昨年の2013年には、それまで続いていたボルドーワインの過剰在庫が解消。供給は不足気味へと転じた。またそんな状況に追い打ちをかけるように2013年の収穫量も大きく減少した。

在庫も含めた需給バランスは今までの供給過多を抜け出したようだ。ボルドーのバルクワイン価格は25%ほど高いレベルまで上昇している。

 

つまり、引き続き厳しい状況が予想される中国の高額品市場に影響され、高額のボルドーワイン価格は軟調な展開。バルクで取引されるようなボルドーワインに関しては堅調な価格の推移が予想されるということでしょうか。

特に高額のボルドーワインに関しては、これといって値上がりする理由が見当たらないのが気になるところです。ロシアの株式や通貨の値下がり、銅などの天然資源の値下がりと、高級ボルドーワインを取り巻く環境は厳しさが増すのかも知れません。

 

 

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その32

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」、もしそうなら「今後そのバブルは崩壊するのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその32回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年2月から2014年2月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとしたなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の2月末までの値下がり率は約12%、前月末からは約1%低い水準。2011年6月のピークからは約36%安い水準。

ここ10年ほど年初には必ず上昇していたワイン・インデックスだが、今年に関しては今のところ一貫した値下がり傾向が続いている。堅調な推移を続けてきた右岸ボルドーワインも遂にピークアウトしたとのみかたもあり、ピークを付けた昨年の8月以降は約4%安い水準で高値の更新がないままの推移となっている。

業者間の高級ワイン取引サイトである Liv-ex では、2月にオーブリオン2005が2006年以降の最安値で取引された。ボルドーワイン市場に対するセンチメントは以前にもまして弱気に傾いているようだ。

その一方で、2月には中華系の正月である春節ならではの引き合いも見られた。今年が午年(Year of the horse)であることから白馬の意味のシュバル・ブランの取引が膨らみ、 Liv-ex の2月のボルドーワイン取引の11%を占めたのだそうだ。これは通常の4倍のレベルで過去最高の取引量となったようだ。

特にシュバル・ブラン2009年と2010年の、当たり年ヴィンテージに買いが集中した。もし、ここで伝説のシュバル・ブラン1947(パーカーポイント100点)でオリジナル木箱入り12本セットが出てくることになれば£100,000ぐらいの値は付いただろうとみられている。

しかし、そんな状況も春節の時期だけの現象であり、インデックスを上昇させるほどの影響力はなかった。また、ボルドー2013年ヴィンテージに関しても、そのクオリティーレベルによりリリース価格を30%下げるとみられている。

 ブルゴーニュワインやイタリアワインなどの堅調な価格推移があったとしても、ボルドーワインの大きな重力に対抗できるほどのパワーではなく、インデックス・ベースでは、やはり引き続き頭の重い展開が続きそうです。

同じオルタナティブ投資対象のゴールドは年初に値上がりが見られました。しかしそれでも、まだなお調整の局面を脱するまでには至っていないようです。またボルドーワインに対して強い影響力を持っていた中国でも、今後さらなる大きな調整局面が予想されております。

こんな状況では2011年6月に付けたインデックスのピークを越えて上昇する時が来るとしても、今とはまた違う状況の時代になってからのようです。

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