“高級ワイン市況”の記事一覧

グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その31

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」、もしそうなら「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその31回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年12月から2014年1月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の1月末までの値下がり率は約11%、前月末からは約1%低い水準。2011年6月のピークからは約35%安い水準。

 2014年に入っても、左岸ボルドーの最高各付けのワインが売られ、他のハイエンドのワインが買われるこれまでの傾向は継続している。

伝えられている出来事としては、インターネット上の高級ワイン業者間取引プラットフォームLiv-Ex で、先月の始めに3ケースのラフィット2009がケースあたり£6,600で取引され、それまでの安値を更新。その後に買いが入りやや値を戻した。

一方、今後ますます市場への供給量が細ると予想されるブルゴーニュワインでは、特に偉大なヴィンテージとされる1999、2002、2005、2009、2010を購入する動きが目立ったようだ。市場には「この先、これらのヴィンテージを今の価格で購入することが不可能になるのでは!?」との先行きに対する懸念が広がっているとのこと。

 中国や香港での最大のワイン需要期である春節の影響はまったくなかったようだ。逆に中国の景気指標であるPMIが悪い方に傾いており、さらにはシャドーバンキングの規模が膨れ上がっており、いつそのバブルが崩壊してもおかしくないとの予想が出ている。

また、「倹約令」が引き続き高額品消費を抑制しており、今後しばらくは中国がワイン市場に対しての強い影響力を持つとは考えにくい。

 インデックスベースではブルゴーニュワインの好調さもあってか下げ幅が小さくなってきておりますが、ワイン市場の大型株ともいえる最高各付けの左岸ボルドーワインの不調が、引き続きインデックスを頭の重い市場環境にするようです。

 

 

 

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豪州ワイン大企業の株価急落!

豪州の有名ワイナリー「ペンフォールド」を保有する、ワイン企業大手のトレジャー・ワイン・エステーツの株価が一日で約20%下落。上場以来の最安値に近づいている。

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【YAHOO!7 FINANCEさんのトレジャー・ワイン・エステーツ株価チャート】

昨年には北米での売り上げ低迷により、過剰なワイン在庫を廃棄処分して特別損失を計上したトレジャリー・ワインさんだが、さらに豪州国内市場や中国市場でも販売量が予想を超えて減少しているとのこと。

期待されていた中国でも倹約令により特に高級ワインに影響が出ており、豪州国内市場でもクリスマスシーズンでの商品値上げで競争力に欠ける展開となった。また北米市場でも苦戦が続いているとのこと。

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一年ほど前にはトレジャリー・ワインさんが中国企業に買収される可能性があるとの憶測が、その筋のアナリスト達から語られておりましたが、今やその当時から比べると大幅に割安な水準。

先日、サントリーさんがジン・ビームさんを大金で買収して話題になりました。もしあの豪州一の高級ワインとも言えるグランジを生産するペンフォールドさんまで所有するトレジャリー・ワインさんを買収するような企業があれば、その会社は一気にワイン業界のトップに上り詰めることになるわけですね。

これではどうしても低金利を利用して大型買収を仕掛けている日本企業の、特に酒類関係の企業の動向が世界的に注目されることになるのかも知れませんね。

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その30

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその30回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年12月から2013年12月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の12月末までの値下がり率は約10%、前月末からは約1%低い水準。今年3月から続いているなだらかな下落傾向の継続は、年末12月31日のインデックス価格を2013年の最安値で終了させた。

また、昨年末の安値は、当面の安値目標とも考えられた2012年11月の安値を下回り、2010年2月以来の安値となった。 それでも、オルタナティブ投資の対象としてはGOLDよりも下げ幅が小さかったようだ。

左岸の最高級ボルドーを避け、他の地域のハイエンド・ワインへ移行する動きも続いており、右岸ボルドー、ブルゴーニュ、スーパータスカン、シャンパーニュなどは、メージャー左岸ボルドーワインが軟調に推移しているにもかかわらず値を上げている。

しかし、流通量の大きい左岸ボルドーワインが軟調の影響は大きく、インデックスでは左岸ボルドーの影響を大きく受けるため、軟調な推移が今後も継続しそうだ。

 最大のワイン需要期であるクリスマスでの盛り上がりはなく、中国や香港での春節でもすでに業者は十分な在庫を保有しているとみられる。また、ボルドーのアン・プリムールのキャンペーンでも2010年ヴィンテージを最後に高値が付くような環境ではない。

評価の割に割安感のあるワインやヴィンテージ、また供給量の限定されたワインに買いが入っているが市場全体を持ち上げるにはパワー不足。

GOLD市場では中国やインドがさらなる下げでの買い場を探っているとのことだが、グランヴァン市場においては多くのワイン業者の期待とは裏腹に下値の目処が立ちにくい状況のようです。

インデックスの安値更新で値ごろ買いが入り、ワイン市場のなだらかな下落傾向に一時的な歯止めがかかる可能性はありますが、頭の重い市場環境に変化はなさそうです。

 

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「オーパス・ワン」ラ・プラース・ドゥ・ボルドーの利用法

酒類専門の情報サイト「ザ・デキャンター.com」に、伝統的な高級ボルドーワインの流通方法である、ボルドーのネゴシアンによる「ラ・プラース・ドゥ・ボルドー(La place de Bordeaux)」を通じながら、独自の販売スタイルで成功しているカリフォルニアの高級プレミアム・ワイン「オーパス・ワン」の話が掲載されておりました。

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【オーパス・ワン】

フランスのバロン・フィリップ・ドゥ・ロスチャイルドと、アメリカのロバート・モンダヴィのジョイント・ベンチャーであるオーパス・ワンがラ・プラース・ドゥ・ボルドーを通じた販売を行うようになったのは2004年。

ロバート・モンダヴィのオーパス・ワン保有株がブランドの保有団体に売却され、CEOとしてデービッド・ピアーソンさんが就任したの年と重なります。

2004年以前には各主要な市場に独占的にオーパス・ワンを扱う輸入業者があり、約16%が輸出向けだった。それが今では52%まで輸出向けが増えいるのだそうだ。

ラ・プラース・ドゥ・ボルドー経由にしてからは世界市場へのアクセスが迅速になり、そしてオーパス・ワンのブランドはさらにファンを増やしたのだそうだ。

しかし、オーパス・ワンのラ・プラースの利用法は、その他のほとんどのボルドーワインとはちょっと違っていたのです。

オーパス・ワンが選んだ販売方法はアン・プリムールのびん詰め前の先物契約や、トランシェと呼ばれる小出しではなく、毎年決まった日にすべてをラ・プラースに持ち込む方法。

収穫から3年後の9月最初の月曜日、午前8時にラ・プラース・ドゥ・ボルドーの22のネゴシアンに運びこまれ、そこから販売が始まることになる。

伝統的流通システムを利用することにより世界から注目される利点も得られ、また需要の強い地域に供給量を多くするようなコントロールが自社によってできる。

従来通りのラ・プラース・ドゥ・ボルドーの流通方法では、需要の強弱により価格が大きく変動しすぎるリスクがあった。

ボルドー以外の高級ワインはオーパス・ワンの流通方法に追随するとみられ、サシカイヤやマッセート、ボーカステルがラ・プラース・ドゥ・ボルドーの流通に入ってきているようだ。

ラ・プラース・ドゥ・ボルドーの利用についてピアーソンさんは「ラ・プラースはブランド力を築くためのシステムではない。すでにブランド力のあるワインでなければならない。」と。

22のボルドーのネゴシアンの伝統ある流通の仕組み「ラ・プラース・ドゥ・ボルドー」。従来通りの仕組みを利用している左岸の高級ボルドーワインにとっては低迷の原因とも言えますが、アプローチの仕方次第では、オーパス・ワンのようなすでに知名度の高い高級ワインにとってベストな流通方法になるようです。

 

 

 

 

 

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「オーパス・ワン2010」過去最高の評価

パーカーポイントで過去最高評価となる96点をマークした2010年ヴィンテージの「オーパス・ワン」。

ご存じのようにシャートー・ムートン・ロスチャイルドとロバート・モンダヴィの2大大物ワインブランドのジョイントベンチャー・ワインです。

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【オーパス・ワン 2010】

2010年ヴィンテージは、結果として過去最高評価となるワインとなりましたが、極めて困難な年であったことが長く記憶刻まれる年でした。

季節外れの低温、タイミングの悪い雨、そして驚くほどの晴天で暑い日々。極端な気候の変化は、まるで気まぐれな大自然に挑む闘いのようだったのだそうです。

それでも8月末と9月の予想以上の気温の上昇により、葉は必要な糖を生成し、果実はすばらしい風味やアロマを得ることができました。

その後の収穫も的確なタイミングの判断がなされ、2010年ヴィンテージの成功へと導かれたのでした。

 新鮮なブラックベリー、バラの花びら、チョコレート、エスプレッソを思わせるアロマに、深みのある果実と土系のニュアンスが引き立ちます。そして、まろやかでベルベットのようなタンニンは、かすかなミネラル感とともに、シルキーなテクスチャーのなかに包み込まれるよう。

濃色な果実の風味は、すばらしく融合された酸によって高められ、酸とタンニンのバランスの良さは、このオーパス・ワン2010の長い熟成のポテンシャルを感じさせます。

 

特別な日の一本、特別な人への一本には最適なワインではないでしょうか。

 

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