“ワイン投資”に関する記事一覧

グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その41

 

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けた。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月をピークに崩壊したようです。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその41回目。

古酒nov11

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)・インデックスの2009年11月から2014年11月末までの推移】

11月末のインデックス価格は10月末と同じ水準で変わらず。

11月の高級ワインの業者間取引サイト Liv-ex では、シャトー・ムートン・ロートシルトのオフ・ヴィンテージが活発に取引された。2015年が「ひつじ年」なため、主にアジアからの買いが入ったと推測される。「ムートンならヴィンテージは気にしない、ムートンをできるだけ安く買いたい。」みたいな買いが活発だったようだ。

また、クリスマスが近づいていることからポート・ワインも買われた。

大きく値を上げたのは、パーカースコアが100点となったペサック・レオニャンのシャトー・オー・バイイ2009で、1ケース£1,125と約45%の上昇となった。

早々と市場で話題になっているのが、来年の春に行われる2014年ヴィンテージのアン・プリムール(ボルドーワインの先物契約)。

価格は下げ止まったが、この先のボルドーワインは、来年の2014年ヴィンテージのアン・プリムール次第との見方が、市場のコンセンサスとなっている様子。

シャトー側が大きくアン・プリムール価格を下げない場合には、さらなるボルドーワインの市況の悪化も予想されるのだとか。

もともとアン・プリムールの機能とは、シャトー側がビンに詰める前のワインを先物契約で販売して、早い段階で資金の回収を可能にする取引。対して購入する側は、リスクを取ってビン詰めする前に購入契約をするため、安く購入できるという双方にとってメリットのあるシステムだった。

それが、中国のワイン・バブルに翻弄され、また2009年、2010年ヴィンテージが当たり年となったことにより、シャトー側が大幅にアン・プリムールの価格を値上げ。その後の市場価格の値下がりに対応しなかったため、それまでの機能が働かなくなってしまったのでした。

中国のワイン・バブルは弾け去りました。そして、レッド・オブセッションのシーズン2は、ワインではなくサンゴ。中国での高級ワイン・バブルは我々の生きている間には、もう起こりそうもありません。

その結果、中国で最も人気の高かったシャトー・ラフィット・ロートシルトの2010年ヴィンテージなどは、アン・プリムールの価格をピークに、今では半値以下まで値下がり。

ボルドーのシャトーだけが大儲けして、ボルドーワインのネゴシアン(ボルドーワインの仲買)や、ワイン投資家には大損が発生したのでした。その後、高すぎるアン・プリムールに興味を示す人は少なく、実質、アン・プリムールは機能不全に陥ってしまったです。

少なくともボルドーのネゴシアンにとって、「この価格水準なら大損するようなことはないだろう!」と感じる水準まで、アン・プリムール価格の水準を下げる必要があると市場は感じているのです。

しかし、困ったことに2014年ヴィンテージは明らかに品質が良い。最近のヴィンテージでは、少なくとも2007、2008、2011、2012、2013よりも品質が明らかに良いのです。

シャトーの中には、「品質が良いにもかかわらず、アンプリムール価格を大きく下げるのはおかしい」と考えるところもあるでしょう。それに、他の高級ワインであるオーパスワンやロマネ・コンティに比べて、ボルドーワインは決して値段が高くないとも言えるわけです。

レッド・オブセッション(中国のバブル)がサンゴに移った今、2014年ヴィンテージのアン・プリムールでのシャトーの方針がはっきりとするまでは、高級ボルドーワインが大きく買い上げられるような状況ではないようです。

 

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その40

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けた。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月をピークに崩壊したようです。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその40回目。

古ワイン

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年10月から2014年10月末までの推移】

10月末のインデックス価格は9月末と同じ水準で変わらず。

それでも市場のセンチメントは大きく好転しているようです。

高級ワインの業者間取引サイト Liv-exのレポートによれば、10月の高級ワインの取引件数は過去最高に達したとのこと。世界各国の440の業者メンバーのうちの150の業者が毎週取引を行っている状況なのだそうだ。

特に今までの市場の値下がりをけん引してきたボルドーワインの取引が活発になって来た。またボルドーの一級各付けのワインの取引も増加しており、ワインのバリューを意識した割安感のあるオフ・ヴィンテージのワインが買われたようだ。

一級各付けのボルドーワインでは中国で人気のある2008年ヴィンテージが活発に取引された。

また、フランスワイン以外のサシカイヤ・ブランドやグランジ、ヴェガ・シシリア、スクリーミング・イーグルなどの取引も活発だったとのこと。

先日シカゴで開催されたオークションでも右岸ボルドーの代表銘柄であるシャトー・ペトリウス1982が、ケース単位としては最高値で取引された。

 

Liv-exのレポートによれば、非常に重要な指標が好転したとのことで、合計のビッドの金額を合計のオファーの金額で割った、ビッド:オファー・レシオが0.5あたりで推移しているのだとか。

このレシオの0.5は歴史的に価格動向のターニングポイントを示す傾向があり、0.5を下回ってくれば下落基調へ、0.5を上回ってくれば上昇基調へと転換する傾向があるとのこと。

ビット:オファー・レシオの0.5の水準はさらに好転が予想され、現在の市場のセンチメントの好転を考慮すれば、今後は上値を試すような展開と予想するのが妥当でしょう。

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その39

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けている。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月をピークに崩壊したようです。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその39回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年9月から2014年9月末までの推移】

9月末のインデックス価格は8月末からほとんど変わらず。

それでも長く続いたダウントレンドの後の、遂に訪れた価格の上昇に、市場参加者の多くは先行きに対する自信を取り戻しているようだ。

高級ワインの業者間取引サイト Liv-exのレポートによれば、その証拠に9月のLiv-exでの合計ビットの額が20%増加しているとのこと。

米ドル高の影響もあり英ポンド建ての建値に割安感が出たことも手伝った。またこの先ワインのオークション・シーズンに入ることや、クリスマス・シーズンなどの高級ワインの需要期が数か月後に迫っていることも下値を支えたようだ。

最も上昇幅の大きかった銘柄はモンローズ2010でパーカー・ポイントが99ポイントから100ポイントに格上げされたことを好感されて買われている。それでも同じ100ポイント評価のモンローズ2009に比べると大きく割安とのことだ。

ロンドンの有力ワイン・トレーディング会社であるボルドー・インデックスのトレーダーは、特に米国とアジアからの強い引き合いにより、投資用のボルドーワイン(注1)の販売が大きく増加しているとのこと。

ポジション・トークも入っているのかも知れないが、「この先5年間で今は間違いなくボルドーワインを買う最高のタイミングだ!」と、強気のコメントをされている。

(*注1:投資用ボルドーワイン=売買されても所有者が変わるだけ。ワインは指定の倉庫で木箱に入れられ1mmも動かされることはない。また投資家は実際に購入したワインを見ることもない。)

更なる米ドル高の可能性、オークション・シーズン突入、クリスマス・シーズンに向けての業者の在庫積み増し、米国やアジアからの引き合いの増加と、長く続いた下げ相場がひと段落した後は上値を試す展開となるようです。

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その38

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けている。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月がピークとなりました。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその38回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年8月から2014年8月末までの推移】

2014年8月のインデックスは前月比約1%の上昇!

2013年3月より16ヵ月間続いた値下がり傾向が遂に一区切り。夏休みで取引が閑散となる8月に、わずかではありますが値上がりしたのです。

高級ワイン業者間取引サイト Liv-ex のブログによれば、8月の上昇をリードしたのがラフィット、モンローズ、レオヴィル・ラス・カス。前月の7月に大きく下げたラフィットとレオヴィル・ラス・カスは良いヴィンテージに買いが入ったようだ。

最も値上がりしたのがラフィット2009で9.9%の値上がり。次がラフィット2005で8.1%の値上がり。レオヴィル・ラス・カス1996が7.6%の値上がりとなった。

モンローズは2003が7.4%の値上がり、2010年が6.5%値上がりした。先日、モンローズ2010のパーカー・ポイントが99点から100点満点に昇格したことが好感されたとのこと。

8月に値下がりしたのは、ボルドー以外の堅調な値動きをしていた銘柄。保有銘柄の入れ替えが市場に入った印象だ。

一方的に長く続いた下げ相場の後だけに、インデックスでの値上がりが1%ぐらいでは小さすぎる印象はあります。しかし夏場の取引が薄い時期の出来事であり、また若いヴィンテージのボルドーワインにはまだ割高感があるため、積極的にボルドーワインが買われる状況ではないようです。

それほど楽観的になれる状況ではないということでしょうか。

そんな、下げ相場が終わったとは判断しにくい状況ですが、値下がりした偉大なヴィンテージのワインには買いが入る状況に変わっては来たようです。

 

 

 

 

 

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「ラフィット/ムートン・レシオ」中国株との相関性

高級ワインの業者間取引サイト Lie-vx によればシャトー・ラフィット・ロートシルト2000がピーク時から55%安い1ケース£9,985で取引されたとのことだ。2009年に一時的に£10,000を割り込んだことがあるが、それ以降では初めての£10,000割れとなる。

一方、シャトー・ムートン・ロートシルト2000は引き続き£10,000を超える価格で取引されており、これでラフィットとムートンの価格は逆転した。

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ラフィットがここまで値下がりした理由はもちろん中国からの需要の減少。

ちなみに評価はムートン2000が96+、ラフィットが98+でラフィットの方が上。ある意味割安感が出てきたのかも知れません。

プラチナ/金レシオが米株価と相関関係があると言われますが、ラフィットと中国株価にも相関関係があると言われます。もっと言えばラフィット/ムートン・レシオ(倍率)に中国株との相関関係があるように感じます。

2005年ごろまでは同じような価格だったラフィットとムートン。中国の富裕層にとってラフィットがアルティメイト・ギフトとなったことから、ラフィットだけが2011年のピークまでに約8倍に価格が上昇したのでした。

それが今月、ピーク時の半値以下の水準となり、同じように高級ワインではあるがやや評価の低いムートンの価格を下回ったのです。

そんな状況がラフィットの取引を活発にしているようだ。

さて、中国株は足元で上昇に転じている様子。ラフィットの取引は活発でムートンより安い。

果たして、中国でのアルティメイト・ギフトであるラフィットが中国株と同様に価格上昇に転じるのか?

たぶん若いヴィンテージはまだ難しいかも知れません。でも若くないヴィンテージに関してはそろそろかも知れませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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