中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークからほぼ5年経過。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?
昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?
高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?
・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。
【ワイン・インデックス2011年3月から2016年3月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、3月末の時点で250.25と2月末と比べて2.69%の値上がり。ここ3年では最大の値上がりとなった。
この一カ月で最も値上がりしたのがDRCラ・ターシュ2009、13.9%上昇の1ケース£21,966。次がCh・ラフィット・ロートシルト1996で、10%上昇の1ケース£7,700.
また最も値下がりしたのはCh・ムートン・ロートシルト2000で、-4.5%の1ケース£12,750。
Brexit と呼ばれる英国のEU離脱への懸念による英ポンド下落傾向にワイン市場は下支えされて来たが、3月の外国為替市場は比較的落ち着いた動きとなった。
しかし、昨年末から続く対ユーロでの英ポンド下落幅は20%を超えているため、英ポンド建てでのワイン価格上昇が追い付いていない印象だ。
英国外からのバリューを意識した買いで、Liv-ex市場でさらなる値上がりが見込めるということだろう。
高級ワイン市場で最も流通が多いボルドーワイン市況のセンチメントは、好転しつつあるようだ。
ボルドー2015年ヴィンテージのアン・プリムールが始まる。2015の評価はかなり高いようだ。シャトーの出値にもよるが、価格によってはかなりの人気となる可能性もある。
それでも、2012年ヴィンテージを筆頭に流通業者のボルドーワイン在庫は高水準のままであるため、Brexitによる外国為替市場の影響を抜きにしたワインの需給バランスのみを考えれば、インデックスベースでの上値は軽くはないとみられる。
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カテゴリー:高級ワイン市況