“高級ワイン市況”の記事一覧

グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その7

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその7回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2001年からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 100 Index)のチャートとトレンド・チャンネル・ライン。

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年11月からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)のチャート。

高級ボルドーワイン市場は、年が明けて2012年になったとたんに下げ渋り、緩やかながら上昇に転じています。株式市場、ゴールド、原油、オーストラリアドルと同じように上昇しており、ワインもまた米国のFRBによるゼロ金利政策が2014年まで継続されることに影響された様子。

また、上のインデックス・チャートで分かるように、テクニカル面からみれば右肩上がりのレジスタンスラインとサポートラインのチャンネルの中で、下方のサポートラインまでインデックス値が値下がりしたとこも反発となった理由かも知れません。

現在、新聞紙上をにぎわしているギリシャなどの欧州債務危機の行方次第でも、株式やコモディティー市場と同じく大きく動く可能性もあります。中国系による高級ボルドーワインへの投機買いの影響もまだ残っていると想像されるため、高級ボルドーワインが大きく買い上げられることはないかも知れませんが、他の市場の影響で更に安値を更新する可能性は考えられます。

 しかし、最近の先進国全体の低金利政策では、経済成長が減速する中、またまた過剰流動性と呼ばれる資金が動き回る可能性があるのではないでしょうか。大量資金が高利回り、成長性を求めて流れ込み、またどこかの市場がバブルへと向かう可能性があると思うのです。またその逆で、大量資金での空売りにより徹底的に売りたたかれる市場もあるかも知れません。

では、そんな状況になった場合に、高級ワイン市場にとってはどのような影響が考えられるか。最近ではワインファンドへも当然資金の分散が起こると考えられます。そうなれば、ワインファンドは高級ワインの中でも最も流動性のあるボルドーワインを最も購入する事になるのです。

ワインには空売りの方法もないと考えられるため、先進国の低金利政策が続く間は一方的な価格の下げは期待できないようです。しかし、2010年に中国系からの人気により大きく買い上げられたCH・ラフィットロートシルト2008などに関しては、中国系の動向次第では、まだまだ値下がりする可能性もあるのだと思います。

株価やゴールド価格、原油価格が下げ渋っている中、ボルドーワインもまた下げ渋りそうですね。

 

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Ch・ラフィット・ロートシルト2008半値に!

ワイン専門誌デキャンター.comによれば、高級ワイン取引所Liv-exでのボルドーワイン価格が昨年の後半の半年で大きく値を崩しており、その中でもCh・ラフィット・ロートシルト2008の下落幅が大きいとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平均的なボルドーワイン価格の下落幅は22.5%ほどで、リーマンショック以後では最大の下げ幅。特にそれまで大きく買い上げられたトップクラスのボルドーワインとそれらのセカンド・ワインの値下がりが大きい。

最も下げ幅の大きいワインの一つが2010年の末に中国系の需要で大きく買い上げられたCh・ラフィット・ロートシルト2008。2011年1月には平均で1ケース£14,043で取引されていたのが、昨年末には£8,108まで約45%の下げとなった。日本円建てでは対BTポンドでも円高が進行しているため本当に半額になったようだ。

2010年10月にCh・ラフィット・ロートシルト2008のボトルに繁栄をもたらす中国で縁起の良い数字の「八」が刻まれると発表され、一夜にして価格が20%上昇したこととは正反対の展開。

また、トップブランドのワインが高値にあった頃に、出遅れ感から買われ急上昇したトップブランドのセカンドワインの値下がりも激しい。Ch・マルゴー・パピヨン・ルージュ2008もこの半年で約半値となった。

 2010年当時、中国での最高の贈り物とされた2008年ヴィンテージの高級ボルドーワインのバブルは、中国の経済成長が調整期に入り、国内のインフレの鎮静化と共にはじけ去ったのかも知れません。

もともと2008年ヴィンテージは偉大な年というわけではなく、ラフィットがボトルに「八」を刻んだように、中国での贈り物に最高といった理由で値段が高かったわけで、他のワイン愛好家にとっては異様に割高感が高かったわけです。

香港で急増している、中国でのワイン需要の増加を当て込んだワイン取引業者にとっては、日本の不動産バブル崩壊ほどではないにしても在庫が大きければ大変です。

「八」の字が刻まれたCh・ラフィット・ロートシルト2008は、今後中国でのバブルの象徴となるかも知れませんね。ある意味、価値のある記念ワインかも知れません。

 

 

 

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グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その6

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその6回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2001年からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 100 Index)のチャート。

金融業界のようにワイン業界にもテクニカル・アナリストがおられるのかどうかは分かりませんが、テクニカル的に分析すると上のチャートのように右肩上がりのレジスタンスラインとサポートラインによるチャンネルが描けます。

これをテクニカル面から客観的にみた場合、インデックス価格は長期的な上昇トレンドの中で、下方ラインであるサポートラインに近づいており「高級ボルドーワインは今が買いだ!」ってなことになるわけですね。

しかし、金融小説的に書けば、買い本尊である中国の経済成長の鈍化で今までのように資金を回せなくなる可能性もあります。そうなれば、今年の7月初旬に付けた高値を抜いて値上がりするのは難しいことになります。高級ワイン市場へ流れ込む資金の循環物色で買われる場面もあると思われますが、酒屋のオヤジ的にはこのシリーズ「その3」で書いたトップフォーメーションの形成が予想としては有力ではないかと想像するのです。

 「その3」→ https://www.stepstep.biz/wine/grandvinesono3

 もちろん酒屋のオヤジは金融の専門家ではありません。しかし、ヒジョーに中途半端ではありますが、そっち系のマニアかも知れません。その中途半端マニアには、このグランヴァン市場が昔の「岩戸景気相場」みたいな、典型的な株式相場の形成に似ているような気がしてしょうがないのです。

「大型株(ボルドー)が人気となり、それがピークアウトすれば出遅れた割り安銘柄(ボルドーのセカンドワイン)などに循環買いが入る。その後は小型品薄株(ブルゴーニュ)などが投機的に買われ急騰。」そんな循環買いが繰り返されながら市場全体が調整されて行く感じでしょうか。

 しかし、ワイン市場は金融市場と違い、ある程度は供給側のコントロールが効くと考えられます。どんな商品の流通業者でもその商品の価格が下がるよりも上がる方が良いわけです。過去最高に業績の良い供給側は、価格を崩してまで積極的に販売してくるとは考えにですね。それでも市場を支配しようとして成功した人はいません。

もちろん長期的に考えれば新興国の今後の経済成長は続くと考えられているため、それらの国々での高級ワイン需要は増えるわけです。もし大きく値下がりした場合には「絶好の買い場」がおとずれることになるわけです。

その時、酒倶楽部ステップにお金が沢山あれば、もしかしたらワイン商としてデビューってことに・・・・・・・・・・!?(汗)って言うか、それは無理過ぎか!(涙)

 

 

 

 

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「グランヴァン市場」11月はボルドー↓ブルゴーニュ↑!!

中国やインドの経済成長の減速、ヨーロッパでの債務危機などの影響を受けてか、シャトーラフィットロートシルトが主導する高級ボルドーワイン価格の、ほぼ一方的な下げは11月に入っても止まりません。5ヶ月連続の一方的な下げ相場。しかし11月に入ってからは下げのペースは遅くなっており、そろそろ下げ止まりなのでは!との意見も出ているようです。

7月の初旬のピークから20%以上の下げ幅。しかし大きな上昇相場の流れが崩れるほどの下げではなく、まだ急激な価格上昇に対する調整と業界関係者は強気を維持している様子。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11月のグランヴァン市場で最も注目される出来事が、ロマネ・コンティが主導する高級ブルゴーニュワイン価格の急上昇。今や高級ワインの最大消費地である香港での人気がボルドーからブルゴーニュへと移行しているようだ。これは香港、中国、他のアジアだけでなくアメリカでも同じ傾向なのだそうだ。

特に中国では富裕層がより希少価値の高い、よりラグジュワリーな商品を求める傾向にあり、ワインもその中の一つなのだとか。

もう一つ注目される出来事としては、スイートワインの王様であるシャトー・イケムの人気が盛り上がっていること。相場もボルドーワインの軟調をよそに堅調な動きをしている。

高額ワインのオークションは引き続き絶好調で、11月の初旬に米国のワイン商が開催した香港でのワイン・オークションは今年一番の大商いとなったのだそうだ。人気の中心はもちろんブルゴーニュ・ワイン。ロット単位で最も高値を付けたのは、ブルゴーニュのワイン造りの神様アンリ・ジャイエのヴォーヌ・ロマネ クロ・パラントー1990年12本で$93,846(約735万円)。一本あたりで最も高額だったのがやっぱりブルゴーニュのドメーヌ・ルーミエ・ミュージニー1978年6本で$59,436(約470万円)だった。

 実際にはこれらの落札価格にバイヤーズプレミアムと呼ばれる手数料等が2割ほど加算されるため、購入価格は20%高い価格となります。

 「株は楽観論で育つ!」などと言われますが「高級ワインは新興国と共に育つ!」といった状況でしょうか!

 

 

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ブルゴーニュ・ワインはバブルへ!?

中国では物価上昇が鈍化し豚肉価格もニンニク価格も一時の高値から急落。ユーロ圏での金融不安はグローバル経済に不安を広げ、世界の株式市場の価値は減少傾向。

高級ボルドーワイン価格も7月の初旬の高値から一方的下落傾向。ダイヤモンドなどの宝飾品価格も下げに転じているのだとか。

これでは、高級ワイン市場はさぞひどい状況かと思いきや、そうでもないようなのです!

 

 

 

 

 

 

 

ロイター通信によりますと、高額ワイン・オークション各社の2011年の売上は好調で、好調だった2010年を越えているほどなのだそうです。昨年まで中国系に熱狂的な人気のあったシャトー・ラフィット・ロートシルトを中心にしたボルドーワインは値を崩しており、金融市場の不安定な状況も続いているのだが、オークションハウスにとっては予想外に良い年となっているのだそうだ。

中国、香港からの人気は、より希少性の高いロマネ・コンティを筆頭としたブルゴーニュ・ワインに向かっていて、中国の今年のブルゴーニュワイン輸入金額は昨年の2倍になる見通し。その他、日本からの輸入金額も震災から劇的に回復しており前年対比で15%増加しているとのことで、日本は引き続き米国、英国に続く世界第3位のブルゴーニュ・ワイン輸入国。

その他、アジア諸国でのブルゴーニュ・ワイン人気は高まっており台湾、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナムなどからの引き合いもあるようだ。

最も輸入金額の高い米国の輸入金額も4割近く増加している。またカナダからの輸入も伸びており、北米市場、アジア市場は金融不安定をよそに絶好調。しかし、ヨーロッパで輸入金額の大きい英国やベルギーでは減少しているとのこと。

輸入が増加している国で共通していることは、輸入量の増加よりも輸入金額の増加分の方が大きいということ。高額ブルゴーニュ・ワインの値上がりの影響もあるのだと思いますが、おそらくロマネ・コンティに代表される有名ブランドものが好まれいるためと想像されます。

今年7月までのブルゴーニュワインの輸出量は0.4%の増加、金額では17.8%の増加。

中国ではちょっと前まで物価の上昇が激しく、現金を持っていてもしょうがないので、地方から現金をリックサックに入れて金を買いに都心に出てくる人もいると聞いたことがあります。ひょっとしたら同じような傾向が続いていて、富裕層にとってお金の持って行き場が少なくなっているのかも知れません。

ブルゴーニュワインは今でも堅実に値上がりしていて、かつ希少性の高い数少ない魅力ある金融商品の一つと言えなくもないのです。しかし希少性が高いがゆえに市場への供給量も限られているわけで、ワインの所有者が変わるたびに価格は上昇することになります。

「ラフィットからバトンを受け取ったロマネ・コンティの運命やいかに?」ってとこでしょうかね!(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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