“ワイン市場”に関する記事一覧

ワイン輸入業は戦国時代に突入したのか?

ワインの輸入業者が集まっての総合ワイン試飲会が開催されました。

減少するビールの販売とは対照的に、売り上げを伸ばしているワイン。

しかし、昔と違って今の成熟した消費社会ではワイン業者さん達にとって、大手ビールメーカーさんのように、何万人という従業員さんに日本の平均所得の倍以上の賃金を支払うような大規模の、いわゆる一流企業への道は厳しいかも知れません。(もちろん酒屋にはもっと無理なのですが。汗)

ワインの売り上げの伸び以上に、ワインを輸入販売する業者さんの数の増加が目立つのです。

毎年開催される総合ワイン試飲会では、毎回その出展業者の数が膨らんでいる印象。それも大資本をバックにした業者さんから、ほとんど個人輸入の業者さんまでいろいろ。

その拡大するワイン市場でのポジションの奪い合いは、ひょっとしたらワイン輸入業界の戦国時代といえるかも知れません。

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成熟した消費社会では嗜好が多様化しているためか、宣伝広告などに影響されてみんなで同じものを消費するようなことにはなりにくいようです。ワインに関しても一つのアイテムだけが大ヒット商品になるようなことは難しいと思います。

どこの業界も同じなのですが、これだけワインの輸入業者が増えた混戦状態で、「みんなで仲良く平等に商売をやって行きましょ!」みたなことには絶対にならないんですね。

必ず力のある者が、力のないものを取り込んで、勢力を拡大して行くわけです。

それでもワインの商売の難しいところは、実際にワインを販売しようとする立場の小売りなり飲食なりが、自ら販売するワインの品揃えを、自らの能力で差別化しようとすることでしょうか。(もちろん資本関係でもあれば別ですが)

だから、世の中でよく見かけるワインほど、極端に言えばコモディティ化してしまいます。自らの販売するワインを差別化したい小売りや飲食にとっては魅力に欠けてしまうわけです。

強固なブランドとして確立してしまえば、ランボルギーニさんのように供給を調節してブランドイメージをコントロールすることもできるのかも知れません。しかし、嗜好が多様化しているためか、商品が多すぎるためか、ごくごく一部の高級ワインを除いてはこちらも難しいでしょう。

なかなか大変な業界になりつつある印象です。

少なくとも「・・・・・・・うちの社長の趣味で、新たにワインの輸入販売の部門を会社に・・・・・・・(汗)!」みたいな状況ではなくなってきているのかも知れませんね。

しかし、消費者にとっては選択肢が広がり、また価格にも競争がより強く反映されるため、ワインファンにとっては好都合な状況になってきていると言えるのかも知れません。

 

 

 

 

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その38

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けている。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月がピークとなりました。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその38回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年8月から2014年8月末までの推移】

2014年8月のインデックスは前月比約1%の上昇!

2013年3月より16ヵ月間続いた値下がり傾向が遂に一区切り。夏休みで取引が閑散となる8月に、わずかではありますが値上がりしたのです。

高級ワイン業者間取引サイト Liv-ex のブログによれば、8月の上昇をリードしたのがラフィット、モンローズ、レオヴィル・ラス・カス。前月の7月に大きく下げたラフィットとレオヴィル・ラス・カスは良いヴィンテージに買いが入ったようだ。

最も値上がりしたのがラフィット2009で9.9%の値上がり。次がラフィット2005で8.1%の値上がり。レオヴィル・ラス・カス1996が7.6%の値上がりとなった。

モンローズは2003が7.4%の値上がり、2010年が6.5%値上がりした。先日、モンローズ2010のパーカー・ポイントが99点から100点満点に昇格したことが好感されたとのこと。

8月に値下がりしたのは、ボルドー以外の堅調な値動きをしていた銘柄。保有銘柄の入れ替えが市場に入った印象だ。

一方的に長く続いた下げ相場の後だけに、インデックスでの値上がりが1%ぐらいでは小さすぎる印象はあります。しかし夏場の取引が薄い時期の出来事であり、また若いヴィンテージのボルドーワインにはまだ割高感があるため、積極的にボルドーワインが買われる状況ではないようです。

それほど楽観的になれる状況ではないということでしょうか。

そんな、下げ相場が終わったとは判断しにくい状況ですが、値下がりした偉大なヴィンテージのワインには買いが入る状況に変わっては来たようです。

 

 

 

 

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その32

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」、もしそうなら「今後そのバブルは崩壊するのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその32回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年2月から2014年2月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとしたなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の2月末までの値下がり率は約12%、前月末からは約1%低い水準。2011年6月のピークからは約36%安い水準。

ここ10年ほど年初には必ず上昇していたワイン・インデックスだが、今年に関しては今のところ一貫した値下がり傾向が続いている。堅調な推移を続けてきた右岸ボルドーワインも遂にピークアウトしたとのみかたもあり、ピークを付けた昨年の8月以降は約4%安い水準で高値の更新がないままの推移となっている。

業者間の高級ワイン取引サイトである Liv-ex では、2月にオーブリオン2005が2006年以降の最安値で取引された。ボルドーワイン市場に対するセンチメントは以前にもまして弱気に傾いているようだ。

その一方で、2月には中華系の正月である春節ならではの引き合いも見られた。今年が午年(Year of the horse)であることから白馬の意味のシュバル・ブランの取引が膨らみ、 Liv-ex の2月のボルドーワイン取引の11%を占めたのだそうだ。これは通常の4倍のレベルで過去最高の取引量となったようだ。

特にシュバル・ブラン2009年と2010年の、当たり年ヴィンテージに買いが集中した。もし、ここで伝説のシュバル・ブラン1947(パーカーポイント100点)でオリジナル木箱入り12本セットが出てくることになれば£100,000ぐらいの値は付いただろうとみられている。

しかし、そんな状況も春節の時期だけの現象であり、インデックスを上昇させるほどの影響力はなかった。また、ボルドー2013年ヴィンテージに関しても、そのクオリティーレベルによりリリース価格を30%下げるとみられている。

 ブルゴーニュワインやイタリアワインなどの堅調な価格推移があったとしても、ボルドーワインの大きな重力に対抗できるほどのパワーではなく、インデックス・ベースでは、やはり引き続き頭の重い展開が続きそうです。

同じオルタナティブ投資対象のゴールドは年初に値上がりが見られました。しかしそれでも、まだなお調整の局面を脱するまでには至っていないようです。またボルドーワインに対して強い影響力を持っていた中国でも、今後さらなる大きな調整局面が予想されております。

こんな状況では2011年6月に付けたインデックスのピークを越えて上昇する時が来るとしても、今とはまた違う状況の時代になってからのようです。

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その31

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」、もしそうなら「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその31回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年12月から2014年1月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の1月末までの値下がり率は約11%、前月末からは約1%低い水準。2011年6月のピークからは約35%安い水準。

 2014年に入っても、左岸ボルドーの最高各付けのワインが売られ、他のハイエンドのワインが買われるこれまでの傾向は継続している。

伝えられている出来事としては、インターネット上の高級ワイン業者間取引プラットフォームLiv-Ex で、先月の始めに3ケースのラフィット2009がケースあたり£6,600で取引され、それまでの安値を更新。その後に買いが入りやや値を戻した。

一方、今後ますます市場への供給量が細ると予想されるブルゴーニュワインでは、特に偉大なヴィンテージとされる1999、2002、2005、2009、2010を購入する動きが目立ったようだ。市場には「この先、これらのヴィンテージを今の価格で購入することが不可能になるのでは!?」との先行きに対する懸念が広がっているとのこと。

 中国や香港での最大のワイン需要期である春節の影響はまったくなかったようだ。逆に中国の景気指標であるPMIが悪い方に傾いており、さらにはシャドーバンキングの規模が膨れ上がっており、いつそのバブルが崩壊してもおかしくないとの予想が出ている。

また、「倹約令」が引き続き高額品消費を抑制しており、今後しばらくは中国がワイン市場に対しての強い影響力を持つとは考えにくい。

 インデックスベースではブルゴーニュワインの好調さもあってか下げ幅が小さくなってきておりますが、ワイン市場の大型株ともいえる最高各付けの左岸ボルドーワインの不調が、引き続きインデックスを頭の重い市場環境にするようです。

 

 

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その22

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその22回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年5月から2013年3月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーモードに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。その後は、その戻りの高値より1%ほど安いレベルで横ばい。価格変化に乏しい模様眺めの状況が1ヶ月ほど続いている。

 ”ゴールド暴落!!”

「ゴールドと同じようにワインは現物資産でありインフレ懸念が価格を押し上げる!」などと言われ、ワイン市場とも値動きが似ているとされていたゴールドが暴落した。また、そのゴール暴落の影響を受けたのか、他のメタルや原油も値下がりしている。

ゴールド暴落により投資家がリスク回避傾向を強めているとのことで、昨年の11月から始まったワイン市場のリカバリーで流入したとされる、資産ポートフォリオの一部の資金もまた、高級ワインに対してのリスク回避傾向を強める可能性があるわけです。

 また、中国の経済成長率が予想外に減速しているとの状況も、高級ワインに対する中国の影響力の弱まりを連想させます。

”ボルドー2012年ヴィンテージのアン・プリムールはワイン・インデックス価格にアンダー・プレッシャー!!”

歴史的な厳しい天候となった2012年ヴィンテージのアン・プリムール取引(先物取引)が始まったようだ。いわゆる大物ワインの中ではムートンが先頭を切ってリリース価格を出した。価格は1本£240で、2011年ヴィンテージよりも33%低い水準で、2010年ヴィンテージよりも60%低い水準。

2012年ヴィンテージは、ここ10年間のヴィンテージの中では最も安い水準となり、2012年ヴィンテージがワイン・インデックスに加われば、インデックス価格を押し下げることになるようだ。

そんなことで、 ワイン・インデックスで見る、ゴールドと同じ実物資産としてのワイン市場は、なんとも頭重い展開が予想されます。しかし、ワイン市場全体へのアンダープレッシャーは、個別のワインで見ればワイン・コレクターにとっての好条件となるのかも知れません。

2012年のメルロー種の出来は良かった様子(もちろん造り手の努力の結果)。ロバート・パーカーさんによる、ポムロールの2012年ヴィンテージ・ワインへの評価は高いとのことで、「そのクオリティーは偉大な年と呼ばれる2009年や2010年に近い!」とのこと。

2012年の厳しい気象条件は、各ワインごとのクオリティーの格差を大きく広げる結果となったようです。

グランヴァン市場の予想としては、「横ばい」~「もう一段安」あたりでしょうか。しかし、まだまだ「オランダのチューリップ」のような状況ではないようです。

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