“グランヴァン市場”に関する記事一覧

グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その40

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けた。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月をピークに崩壊したようです。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその40回目。

古ワイン

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年10月から2014年10月末までの推移】

10月末のインデックス価格は9月末と同じ水準で変わらず。

それでも市場のセンチメントは大きく好転しているようです。

高級ワインの業者間取引サイト Liv-exのレポートによれば、10月の高級ワインの取引件数は過去最高に達したとのこと。世界各国の440の業者メンバーのうちの150の業者が毎週取引を行っている状況なのだそうだ。

特に今までの市場の値下がりをけん引してきたボルドーワインの取引が活発になって来た。またボルドーの一級各付けのワインの取引も増加しており、ワインのバリューを意識した割安感のあるオフ・ヴィンテージのワインが買われたようだ。

一級各付けのボルドーワインでは中国で人気のある2008年ヴィンテージが活発に取引された。

また、フランスワイン以外のサシカイヤ・ブランドやグランジ、ヴェガ・シシリア、スクリーミング・イーグルなどの取引も活発だったとのこと。

先日シカゴで開催されたオークションでも右岸ボルドーの代表銘柄であるシャトー・ペトリウス1982が、ケース単位としては最高値で取引された。

 

Liv-exのレポートによれば、非常に重要な指標が好転したとのことで、合計のビッドの金額を合計のオファーの金額で割った、ビッド:オファー・レシオが0.5あたりで推移しているのだとか。

このレシオの0.5は歴史的に価格動向のターニングポイントを示す傾向があり、0.5を下回ってくれば下落基調へ、0.5を上回ってくれば上昇基調へと転換する傾向があるとのこと。

ビット:オファー・レシオの0.5の水準はさらに好転が予想され、現在の市場のセンチメントの好転を考慮すれば、今後は上値を試すような展開と予想するのが妥当でしょう。

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その36

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時には、シャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けている。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月のピークで終止符が打たれました。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその36回目。

古ワインJun14

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年6月から2014年6月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとしたなだらかな下げが止まらない。3月15日の戻り高値から先月の6月末までの値下がり率は約19%、前月末からは約 3%低い水準。2011年6月のピークからは約40%安い水準。

高級ワインの業者間取引サイト「Liv-ex」の発表によれば、6月の中旬までに前月対比でもっとも値下がりしたワインはDRCラ・ターシュ2009 。一カ月の間に約18%値下がりした。1ケースで約5000ポンド(約90万円)の価値を失ったことになる。しかし、ブルゴーニュ・ワインのインデックスは若干の値上がりだった。

同じ時期にイギリスや香港で資金を集めたワイン投資ファンドの清算が決まった。今回のDRCブランドが大きく値下がりしたことと、ワインファンドの清算には関連性があるように思います。

ワイン投資ファンドの清算にともなう資産売却では、「とりあえず利益の出ているワインから現金化しましょ!」みたいな展開はよくあるパターンではないでしょうか。

また、堅調に推移していたスーパータスカンの代表銘柄であるサッシカイヤの2006ヴィンテージも約9%の下落となった。

先月に引き続きボルドーのバックヴィンテージや割安感のあるものには買いが入り、インデックスの四分の一程度のワインが横ばいから値上がりした。しかし、バックヴィンテージの流通量は限られていて取引量も少ないためワイン・インデックスへの影響は限定的だったようだ。

更なるワイン投資ファンドの清算を見越してか、利益の出ている銘柄への売り圧力が出てきた印象です。苦境に立たされているファンドの投資ポートフォリオの中で、割合が大きいと推測されるワインに関して、今後更なる売り圧力が強くなる可能性があるようです。

一般的に「大きな投げ売りが出て、その下げ相場は終わる」みたいに言われますが、そんな状況が訪れるのはまだ先の事の様です。

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その33

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」、もしそうなら「今後そのバブルは崩壊するのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその33回目。

古ワインapr14

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年4月から2014年3月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとしたなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の3月末までの値下がり率は約13%、前月末からは約1%低い水準。2011年6月のピークからは約36%安い水準。

2013年の戻り高値からインデックスは12カ月連続での値下がり。歴史的にも前例のない値下がりが続いている。

先日アン・プリムールのキャンペーンを前に、2013年ヴィンテージの価格を2012年ヴィンテージの価格と同じに据え置くと発表したシャトー・ポンテ・カネの2009年、2010年ヴィンテージが発表以後激しく売れられいるようだ。

おそらくこれが強気のポンテ・カネの2013年ヴィンテージ価格に対する市場からの返答ではないかとみられている。

現在ボルドーではアン・プリムール期間中だが、2013年ヴィンテージに対する評価はあまり良いとは言えないようだ。特にここ数年はアン・プリムールでの先物買いが高値づかみになっており、全く積極的に購入する気にはなれない雰囲気のようだ。

香港からのバイヤーは2012年ヴィンテージの価格から30%ぐらい下げれば少しは買ってもよいが、そうでなければまったく購入しないとのこと。2013年ヴィンテージを高値で仕入れるよりも、その分バックヴィンテージの仕入れに向けた方が得策というわけだ。

 ちょっと前まではボルドーワインのメインプレイヤーであった中国の状況も一気に暗転。ワインだけの現象ではなく、ゴールドでさえニューヨークなどよりも上海では安値で取引されていると今朝の新聞で伝えていた。

”バブルは必ずはじける”などと言われておりますが、ボルドーワインがメインのワイン・インデックス相場も、中国経済も、「オランダのチュウリップの状況の繰り返し」ということなのかも知れません。

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その30

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその30回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年12月から2013年12月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の12月末までの値下がり率は約10%、前月末からは約1%低い水準。今年3月から続いているなだらかな下落傾向の継続は、年末12月31日のインデックス価格を2013年の最安値で終了させた。

また、昨年末の安値は、当面の安値目標とも考えられた2012年11月の安値を下回り、2010年2月以来の安値となった。 それでも、オルタナティブ投資の対象としてはGOLDよりも下げ幅が小さかったようだ。

左岸の最高級ボルドーを避け、他の地域のハイエンド・ワインへ移行する動きも続いており、右岸ボルドー、ブルゴーニュ、スーパータスカン、シャンパーニュなどは、メージャー左岸ボルドーワインが軟調に推移しているにもかかわらず値を上げている。

しかし、流通量の大きい左岸ボルドーワインが軟調の影響は大きく、インデックスでは左岸ボルドーの影響を大きく受けるため、軟調な推移が今後も継続しそうだ。

 最大のワイン需要期であるクリスマスでの盛り上がりはなく、中国や香港での春節でもすでに業者は十分な在庫を保有しているとみられる。また、ボルドーのアン・プリムールのキャンペーンでも2010年ヴィンテージを最後に高値が付くような環境ではない。

評価の割に割安感のあるワインやヴィンテージ、また供給量の限定されたワインに買いが入っているが市場全体を持ち上げるにはパワー不足。

GOLD市場では中国やインドがさらなる下げでの買い場を探っているとのことだが、グランヴァン市場においては多くのワイン業者の期待とは裏腹に下値の目処が立ちにくい状況のようです。

インデックスの安値更新で値ごろ買いが入り、ワイン市場のなだらかな下落傾向に一時的な歯止めがかかる可能性はありますが、頭の重い市場環境に変化はなさそうです。

 

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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その29

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその29回目。

古ワインnov13

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年12月から2013年11月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して3月15日に安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとなだらかな下げが続き、3月15日の戻り高値から先月の11月末までに約9%の値下がり。10月末からは約2%低い水準。今年3月から続いているなだらかな下落傾向は継続している。

ボルドーを避け、他の地域のハイエンド・ワインへ移行する動きも続いている。流通量の大きいボルドーワインが軟調な影響を受けインデックス・ベースでの軟調な推移も継続しそうだ。

 業者間での高級ワイン取引サイト「Liv-ex」のレポートによれば、11月はボルドーのいわゆる当たり年の値下がりが大きく、その一方、シャンパーニュやブルゴーニュが買われた。

クリュッグ1996が10月の平均値£2,440(ケース)⇒11月平均値£2,625と7.6%の上昇。アルマン・ルソー・シャンベルタン・GC・クロ・ド・ベース2009が£8,862⇒£9,494と7.1%の上昇。

一方、ミッション・オー・ブリオン2009は£4,817⇒£4,234と12.1%の下落、ラトール2005が£7,050⇒£6,573と6.8%の下落となった。

また、先月行われた香港でのワイン・オークションではロマネ・コンティー1978が、世界最高値の1ケース$474,000で落札されたのだそうだ。(オークションの場合にはこの価格にバイアーズプレミアムと呼ばれる手数料が2割ほど加算される)

 中国系の富裕ワイン愛好家はボルドー以外の、より希少価値の高いワインを求める傾向にあるのかも知れません。

しかし、中国では習近平国家主席による「倹約令」の影響でラフィットと同じく高額の酒として人気のあった白酒の需要が急減しているとのことで、販売会社の赤字が急拡大しているとのこと。

ほとんど中国国内だけで流通する白酒は、完全にバブルが崩壊し、オランダのチューリップとなってしまったようです。

また、ロンドンのワイン投資会社の閉鎖もあり、グランヴァン市場全体のセンチメントは引き続きベアームード。

香港でのワイン・オークションの成功、米国や日本での株式市場の活況で、ワイン市場のなだらかな下落傾向に一時的な歯止めがかかる可能性はありますが、頭の重い市場環境に変化はなさそうです。

オランダのチューリップでも本当に希少価値の高いものは高値水準を維持したようです。しかしそうでないチューリップの球根は、本来の球根としての価値、もしくはそれ以下の水準に値を戻したと聞きます。

 「グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?」はこれからが本番なのかも知れません。

 

 

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