“2011年1月”の記事一覧

酒類の安売り、販売の規制緩和は社会悪になっていない!(日本では!)

一昨年ほど前の酒のシンポジウムで警察庁と厚生省の方が、国内の問題飲酒が年々改善されていると報告していたのだそうです。

「酒販通信」に掲載されていた酒類の総消費量と、一人あたりの消費量の推移。下が飲酒習慣者の割合。

酒類の消費量はこの10年間で11%減少しました。成人一人あたりの消費量は落ち込みがさらに大きく15%の減少です。この間、酒類の販売規制は緩和されて価格競争が一般化、価格は下がりコカ・コーラよりも安いビール風アルコール飲料も登場。酒売り場も増えて、いつでもどこでも酒類が買えるようになったのです。

この事実は、酒類の販売規制や価格維持が、日本では酒の害の抑制になっていない可能性を示しているのです。

もちろんこの間に経済的な理由や、飲酒運転の罰則強化などもあったのですが、それよりも日本の人々が飲酒をセーブする傾向が強くなってきたのが要因のようです。社会状況の変化が飲酒に向かない方向へ動いているようなのです。10年前には夜の新橋駅付近に行くと必ず酔っ払いが寝転んでいたりしたものですが、今ではまったくそんなことしてる場合ではない状況ですよね。

また、お酒が安くどこでも購入できるようになると、以前ウイスキーが大幅に安くなり輸入量も増えたにもかかわらずウイスキーの人気が消えてしまったように、若い人達にとって酒に対する憧れや魅力が薄れてしまったのかも知れません。またそれが未成年飲酒が大幅に減少した理由の一つのような気もします。

5年前に比べて働き盛りの男性(30代~50代)に飲酒習慣のある人が大きく減少しているのも、今の社会状況が反映されているようです。逆に60代では、酒飲み世代である団塊世代が定年退職の世代でもあり、飲酒習慣は増加しています。リタイヤした後のお酒の飲み方は、その後の短くない人生に大きな意味を持ちます。これは酒屋を営んでいるとよく分かります。健康的に、楽しく、おいしく酒を飲む術の習得が必要なようですね。

とにかく、コカコーラよりも安い酒が何時でもどこでも買えるようになって、なおかつ飲酒にかかわる問題も改善されているのですから、日本の飲酒シーンは世界的に優等生なのです。

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ハイボールにまつわるエトセトラ。

ウイスキーをソーダで割るだけのシンプルなカクテルのヒットは、ウイスキーの消費を四半世紀ぶりに回復させました。

ウイスキーメーカーはそれぞれおいしいハイボールのつくり方を提案しています。

提案するレシピは細かいところで違いますが、基本は「しっかりと冷やす」と「炭酸ガスを逃がさない」の2点。グラスとソーダとウイスキーの3つをよく冷やして使うとか、グラスに氷を入れてウイスキーを注いだらマドラーで10回以上かき回し、最後にソーダを静かに注いでグラスを満たし、マドラーで軽く一度だけ上下させるというような提案。

酒文化研究所さんがHPなどで美味しいハイボールのつくり方を解説すると「解説のとうりつくってみたら激ウマでした!」みたいなお便りがたくさん寄せられたのだそうです。

ハイボールのつくり方に関してはホッピーなどと同じく「氷あり派」と「氷なし派」に意見が分かれるようです。

飲んでいるうちに氷が溶けて、ウイスキーとソーダのバランスが崩れるから、氷無しがよいというのが氷なし派の主張。一方の氷あり派は、最後まで冷たく飲めてよいと主張します。

もちろん飲む人の好みなのですが、氷を入れる場合はたっぷりと入れた方が美味しくできるようです。ハイボールの温度が0℃に近ければ氷は溶けだしません。氷がたくさんあって温度が低い状態が続けば薄まりにくくなりますね。

どのお酒もオンザロックで飲む場合、もともとのアルコール度数が2~3割り下がります。室温の酒が氷で氷温に下がるまで氷が溶けていくからです。だいたい最初の酒の1.5倍の量になったところで温度が十分に下がった状態になります。

ソーダの違いでも味わいに違いが出てきます。ソーダの味を決めるのは、大ざっぱに言えば炭酸ガスのガス圧とミネラル分の含有量です。ペリエのような天然のガス入りミネラルウォーターはミネラル分を多く含む硬水ですがガス圧は高くありません。そのためハイボールにすると刺激の少ない水割りに近い感じになります。

ウイスキーメーカー各社は、ハイボールにレモンを加えることも提案していますね。果汁の味を強めにしたければ果汁を絞り入れ、香りを加えたいならスライスしたレモンを絞らずにハイボールに落とします。香りだけをフワッと漂わせたければ、グラスの上から皮を絞って香り付けします。

その他、おろし生姜の搾り汁を加えたり、ミントの葉を手のひらでパンと軽く叩いてグラスに落としたり、リンゴのスライスを落としてもハイボールをより一層楽しめるようです。

ウイスキー以外でも本格焼酎やワイン、日本酒など気軽にソーダで割って楽しめます。たとえばワインをサイダーで割れば甘口スパークリング風に早変わり。日本酒は特に無濾過の生原酒がソーダとの相性が良いようです。

価格の高い高級酒をソーダで割るのはどうかと思いますが、そうでなければ気軽にソーダで割って楽しんでみて下さいね。でも、これってビール系の市場を荒らすことになるのかな!?(汗)

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「手取川 あらばしり吟醸生酒」”はんなり”とした味わい!

圧力をかけずにフリーランで流れ出た吟醸酒の生酒です!

「手取川 あらばしり吟醸生酒」 一升 3,150円   720ml 1,575円

「あらばしり」とは醪(もろみ)を槽(ふね・搾り機のこと)に積み重ねて清酒を搾る作業においてプレスする前に自らの重さによって流れ出る最上の生酒を意味します。

45%まで高度精米した兵庫産の山田錦を原料にして醸した、しぼりたての大吟醸酒を一切の熱処理を行なわない本生での限定販売。

新鮮にしてフルーティーな味わいの吟醸の生酒です。辛口の指標である日本酒度は+6~+7と大辛口の水準なのですが、スッキリとした感じはあっても、まったく辛さは感じません。

むしろ吟醸酒や生酒独特の良さが出た、桃やメロンのような柔らかくて、はんなりとした優しくてふくよかな甘味があります。それでいてリンゴのようなシャープな爽やかさも感じ、飲み飽きしない味わいなのです。

蔵元の吉田酒造店さんでは、この”はんなり”とした味わいのお酒は特に女性におススメなのだそうです。また、低温状態で良い管理のもと貯蔵熟成を行なえば、さらに滑らかな味わいとなります。

寒い日が続きますが、そんな日こそあっつ熱の鍋を囲み、ハフハフと鍋を突っつきながら、よ~く冷やした「手取川 あらばしり吟醸生酒」を口の中を冷やすかのようにコピリンコとやるには絶好のタイミングなのでありますよ!

限定品、今だけの楽しみ方です。是非、是非、女子会で楽しんでみて下さいね!!




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世界最古のワイナリー遺跡アルメニアで発見!

世界最古のワイナリー遺跡がアルメニアで発見されました。

 

アルメニアのイェゲグナゾル地区山中の洞窟内で約6100年前のものとみられる世界最古のワイナリー遺跡が発見された。遺跡にはブドウの種やブドウを搾った跡、干乾びたブドウの樹の枝、原始的な圧縮機、発酵のための粘土質の桶、ワインがしみ込んだテラコッタ製陶器、ワインを飲むためのカップや小鉢などが見つかった。

この発見はオンラインの「ザ・ジャーナル・オブ・アケオロジカル・サイエンス」より発表されました。

専門家によると今回のように沢山の器具が発見されたことは、現地のブドウを使って商用としてワインが生産されていたことを示唆しているのだそうです。

また、今回の発見は初期のワイン造りを知るのに大変に重要なのだとか。その当時、ワインが社会にとっていかに重要な存在だったかを示しており、彼らは年に一回ブドウの収穫時だけに使うために、大変な時間を費やしてこの設備を作りだしたのだそうだ。

なんでもワインはその当時のステータスの高い人達の儀式に使われたとのことで、死の痛みや苦しみをなだめたり、埋葬される体に散布したりしたのだそうで、近くで埋葬用の穴も見つかっているのだとか。

ワインが昔は修道院で造られていたのは、その昔に儀式に用いられていた流れがあるのかも知れませんね。いずれにしてもワインは昔から大変に貴重な飲みものだったようです。

ここで造られたワインは、もちろん完全に酸化防腐剤なしで自然栽培のブドウを使い、そのブドウの皮に棲む天然酵母で発酵した、ピュアリー・ナチュラル・ワイン。酒屋としては、当時のワインが美味しいとか美味しくないとかでなく一度飲んで味わってみて、自分の中で他のワインの味わいを感じる時の判断基準にしてみたいものです。もちろん無理ですが!

たぶん酸化防止剤である亜硫酸塩(ワインの醸造過程でも自然に発生する成分)のありがたみを実感できるかも知れませんね!(笑)

ちなみに今回発見されたアルメニアの世界最古のワイナリー遺跡から4キロほど離れた場所に、ミラノで活躍されているファッションデザイナーのゾーリック・ガリビアンさんの所有するワイナリーがあり、そこで最古のワイナリー発見にあやかり「6000」と名付けられたワインをリリースするらしい!もちろん6000年前のワインではないのですが!(笑)

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酒類消費量21年4月~22年3月!

国税庁が発表した平成21年度(21年4月~22年3月)の国内酒類消費数量は前年比0.2%増!!

「酒販ニュース」に掲載された国税庁発表の酒類消費数量。

首都圏を中心に酒類の消費が伸びました。最も伸び率が高かったのは鳥取県の6.2%でしたが、構成比の高い首都圏での増加が影響したようです。

全国的に増加が目立ったのは果実酒とウイスキー。お手頃価格のワインの全国的な定着とウイスキーハイボール人気が牽引したようです。しかし酒屋の店頭から想像するに果実酒の消費数量は増加しましたが金額ベースでは厳しい状況が想像できます。それだけ安くて美味しいワインが増加したということなのだとも思います。

他では甲類焼酎が0.9%の増加。芋焼酎などの乙類焼酎は3%の減少となりました。興味深いのは甲類焼酎の市場と言われている北日本で甲類焼酎の消費が減少し、乙類市場と言われる西日本で増加。その反対に乙類焼酎は北日本で増加し西日本で減少していること。

北日本では健康的なイメージが優先され甲類⇒乙類に、西日本では価格的な面が優先され乙類⇒甲類への流れがあったのでしょうか。もちろん全体量ではまだまだ北日本は甲類市場で、西日本は乙類市場なのですが。

酒類の中で最大規模のビールは前年対比4.8%の減少。リキュールやスピリッツが大幅に増加していることから、更に第三のビールと呼ばれる新ビール系ジャンルに消費が移行したと推測出来ます。

酒倶楽部ステップのある埼玉県では全国でも珍しく清酒の消費が0.4%増加しています。その代わり合成清酒の消費は37.7%の減少と全国一の衰退。一気に合成清酒⇒清酒への移行があったようなのですが、埼玉県の日本酒市場に何が起こっているのか現地に居ても全く分かりません!

ひとつ言えるとすれば主要消費地の一つである埼玉県の日本酒ファンが量から質重視へと移っている点でしょうか。埼玉県の日本酒市場は、より日本酒業界が望む質重視の方向へ向かっているのかも知れません。これは酒屋にとっても嬉しい事です。

金額ベースではどうなっているのか分かりませんが、お酒を飲む人が少なくなったと言われる中、消費量の増加は嬉しいことです。景気回復のサインか!?(強望)

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