“2010年5月”の記事一覧

ビール販売50年間の推移

酒屋さんのための専門誌「酒販ニュース」さんが創刊50周年の記念特集をだされました。

ビール課税数量50年間の推移

酒類全体ではピーク時から10%程度の減少ですが、酒類の中で最もボリュームの大きいビール(発泡酒とか第三のビールじゃない税法上のビール)の減少は予想以上です。

ビール消費のピークは平成6年で、酒類全体に占めるビールの割合は7割を超えていました。その平成6年から発泡酒の登場と共にビールの消費はブラック・マンデーなみの暴落、減少となっているんですよ(涙)!ピークからの減少幅は約6割で昭和46年頃と同水準にまでなっちゃってます!!ヒドイ(汗)!

日本のビール50年間の歴史は、日本の大手ビールメーカー4社の歴史です。戦後、現サッポロ・ビールさんと現アサヒ・ビールさんが分割りとなり、そんな中、全国への流通網を持っていた現キリン・ビールさんがグングンとシェアを伸ばしました。そして昭和58年にはシェア63.8%となり、最高シェアを達成したのでした。戦後の生活が豊かになるのに伴い家飲みでの需要増を受けてキリン・ビールはシェアを伸ばして来たのです。

その後はアサヒ・ビールさんが低迷した業績の復活に向けて開発された、昭和62年発売のアサヒ・スーパードライが大大ヒットとなりました。そして平成9年には遂にキリン・ラガーを抜いてナンバーワンのシェアになったんです。アサヒ・ビールさんの活躍は、まだ記憶に新しい出来事ですね。TVのCMに落合信彦さんが出てて、とってもカッコよく見えました!

平成6年にはサントリーさんが初めて「発泡酒を」発売し、その後各社が追随。平成15年にはサッポロさんが麦芽も麦も使わない「第三のビール」と呼ばれるようになる、「発泡酒」よりも更に安い新分野のビール系飲料を発売しました。これらの出来事に経済不況などが加わり、ビールの数量はピークから約6割の減少。酒類に占めるビールの割合も3割~4割にまで減少しまったのです。

50年間のビール業界第一幕は「キリン・ラガーの一人勝ち」。第二幕は「アサヒ・スーパードライの大ヒット」。第三幕は「大ヒットがないまま、各社「第三のビール」でのシングル・ヒットの打ち合い」といったところでしょうか!

ホッピーブームも到来しており、今後のビール・テイスト飲料業界、益々波乱がありそうです。それにしても、ほぼビールの製造販売だけで大手ビールメーカーはここまで大きくなったのですから、スゴイ産業です!

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酒類販売50年間の推移

酒屋さんのための専門誌「酒販ニュース」さんが創刊50周年の記念特集をだされました。

酒類課税数量(全酒類合計)50年間の推移のグラフ表示です。

驚いた事にピークの平成6年~平成13年辺りの水準からまだ10%ぐらいしか減少していません。酒類ごとの推移では昭和30年代のレベルまで落ち込んでいるものもある中、大手ビールメーカーの努力や本格焼酎の人気なのか、はたまた世の中の経済状況が悪化しても、酒類への消費金額が減ってるだけで飲む量は減らないためか、意外に堅調なのです!

このピークから約10%減少のレベルは、日本のバブルのピークである平成2年とほぼ同水準!「世の中景気が悪過ぎ!」とか「若い人が酒を飲まない!」とか言ってるわりに、そんなに飲んでんの!皆さん!?って感じでしょうか(笑)。

大手ビールメーカーの努力は「発泡酒」や「第三のビール」などの販売競争。ビール業界はキリンさんの一人勝ち時代や、アサヒさんのアサヒ・スーパードライの大ヒット時代を経て「第三のビール」のシェア争い時代へ突入しているようです。

もうひとつの頑張っている酒類が「焼酎」。出費を抑えて同じ量の酒を飲もうと思えば選択は「第三のビール」か「焼酎」、もしくは両方です。ほとんどの人にとって、自宅で本物の「ビール」や「ワイン」「日本酒」「ウイスキー」を飲まなくても「第三のビール」と「焼酎」で十分ハッピーなのです!「焼酎」にもいろいろあって、価格も驚くほど高いのは一部だけですからね。

結局、お酒は酔うために飲むのですが、どんな味わいで酔うかってのが重要です。最近の「第三のビール」や「焼酎」は味わいがある程度以上には十分達しているのです。飲みつけちゃえば、それが自分好みの味になっちゃうし、もービール飲む必要もなくなっちゃうんですよね!

毎日一本の缶ビールを飲む習慣があったら、それが第三のビールに替わる事はあっても、2日に一本にはならないんですよね~!そんでもって景気が良くなっても、もうビールには戻りそうもありませんが(涙)!

酒類業界の50年間を読んで分かった事は、誰も将来の酒類業界を正しく予想して行動出来なかった事!!現在、日本の酒類業界の将来を予想してもらうと8割以上の方々が超悲観論者となるでしょう!日本の酒類業界、特に酒屋さんがこの先に「人の行く裏に道あり花の山」となりますかどうか(汗)!?

各酒類ごとの50年間の推移も、このブログで次回よりご紹介して行きたいと思います。

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オーストラリアワインに変化!大量生産からブランド力強化へ!!

オーストラリアワイン産業が重大な岐路に立っている!

 

今、オーストラリアのワイン業界に大きな変化が起きようとしています。ちょっと前まで、ブドウ栽培やワイン生産はオーストラリア人にとってあこがれの仕事のだったのですが、今では相当厳しい構造改革に迫られているようです。

1980年代から1990年代はオーストラリアワイン産業にとって長く安定した時代でした。その後1990年代末から2004年にかけて栽培面積は急拡大し、ワイン生産量は飛躍的な成長となりました。しかし一転、度重なる干ばつや景気後退によるぶどう価格の下落により、今までの拡大路線からの方向転換が必要となっているのです。

オーストラリアでのブドウ栽培には多くの場所で水の確保が必要で、灌漑(かんがい)用水を利用する畑が多いんです。最近の干ばつは水に問題を持つオーストラリアの川の水量や貯水量の減少をさらに悪化させており、政府は水の産業別割り当ての管理を今まで以上に厳しくしています。それにより灌漑用水のコストは高騰しいるのだそうです。

もう一つの悲劇は、ぶどうの生産コストが上昇しているにもかかわらず、2008年からの世界景気の後退でブドウ価格が下落していること。これが過剰生産、過剰在庫に拍車をかけているのだとか。多くのブドウ栽培農家は採算が取れなくなっており、ブドウが収穫される事なく放置されている畑も多いらしいのです。

そこで、ワイン生産者やブドウ栽培者の団体は昨年末に会合を開き、オーストラリアワイン産業再構築のための達成課題を作成したのです。それは今後数年の内にブドウ栽培面積の20%を削減することと、成長性のない地域でブドウを栽培しないことです。これにより、過剰なワイン在庫から解放されるのですが、同時にオーストラリアワイン産業が20年かけて築いてきた、果実味が豊かで安いワインを大量に供給するという、今までの商売方法が難しくなってしまったのです。

大手オーストラリアワイン生産者は、ワインの大幅な売り上げの減少と生産構造の変化を受け、不振ブランドの廃止やブドウ畑の売却などの合理化を進めているようです。その他、ワイナリー同士の合弁なども進み、安定した利益を確保するため新たな戦略を描き動き始めています。

今後のオーストラリアワイン産業界の注目される新しい流れは、地域性などの特徴をより協調して行くこと。中でもタスマニアなどの冷涼地域でのワイン生産が注目されているらしいのです。冷涼地域のワインは、エレガントで低いアルコール度数が特徴。日本市場で受けが良い味わい。もうひとつの注目点は、世界的な流れであるバイオダイナミック農法や自然酵母による発酵などの自然派ワインへの造りの変化。

今後、オーストラリアワインは、より日本人好みになって行きそうです。オーストラリアワイン業界は生産の拡大から安定期に入り、ワインの質が今まで以上に問われる時代に入りました。今までの「価格は安くても果実味のしっかりとしたワイン!」というだけではなく、それを兼ね備えながら、バラエティー豊かで上質なワインが生産されそうです。今後のオーストラリアワインに期待しましょう!

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500円ワインの新顔

好評の500円ワインコーナーに新商品が入荷しました!

キュヴェ・ラ・ヴィリエル の 赤と白です。

フランス ロワールのネゴシアン「マルセル・ヴィリエール」が手掛ける テーブルワイン。

赤は カリニャン、サンソー、グルナッシュ、シラーのブレンド。

フルーティさの中にスパイシーな風味もするので、普段の家庭料理やトマト風味のパスタなどにも相性よし。

白は テレ・グリ、ユニ・ブラン、グルナッシュ・ブラン、マカベオ、ピクプールなどのブレンド。

フルーティな辛口ですが、膨らみもあるので ちょっとした肉料理でも合いますよ。

これからの季節にはもってこい!

テーブルワインと言っても

上代1155円もする ハイクォリティーのテーブルワインなのです。

ですので 今回在庫無くなり次第 500円コーナーでの販売は無理かな。

まあ 一度 お試しくださいね。

キュヴェ・ラ・ヴィリエル ルージュ

キュヴェ・ラ・ヴィリエル ブラン 

各 750ml   500円(税込)

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フランス政府とワインとインターネット

ワインはフランスの文化であり、大きな産業だとフランス政府以外の人は理解しているのですが・・・・・!?

ワイン・ブランドのトップに君臨するロマネ・コンティーの畑。

フランス以外の国では「適量のワインは健康に良い!」が定説になっていますが、本場のフランスでは政府が「ワインは健康に悪く、社会的な損失を増大させる。」として禁酒を推進しているんですって!?

日本の街場の酒屋としては「だって、ワインってフランスの文化そのものだし、フランスにとっては大きな産業でしょー!?」って考えてしまいます。いくらフランス人がエキセントリックで極端な考え方するからって、自国の伝統ある大きな産業を潰すような活動をするなんて、あまりと言えばあんまり!酷すぎ!

最近では、インターネットにワインを載せることさえも禁止になりかけたのだとか!実際に大手の会社では、フランス向けのアルコール広告を廃止したらしい。ポルノ写真じゃないんだから!?って思いますよねー!

サルジコ大統領自身もアルコールを一切飲まず、水とオレンジジュースばっかりらしい。フランスの役人が酒を飲まないなんて!?って、そっちの方が驚きかもしれませんが!(笑)

もし、これが日本で、日本政府が国民に向かって「日本酒や焼酎は体に悪いですから、飲むのを止めましょう!」などと言ったらどうなるのでしょう?フランスの場合この比ではないのです。産業としても遥かに大きいし、歴史も古いのです。

ここ十年の間に、フランスでの一人当たりのワイン消費量は半分にまで減少したのだそうです。フランス政府にとっては喜ばしいことなのかも知れませんが、むしろこの事の方が問題なのではないかと思ってしまいます。

英語で飲んべーさんの事をWINOと言いますが、スペルからしてワインばかり飲んでる飲んべーさんから来た単語なのだと思います。ひょっとすると、フランスの多くの人にとって、ワインは悪いイメージがあるのかも知れません。酒屋のおやじのお祖父さんも、叔父さんも飲んべーでした。叔母さんは今でも日本酒に対して良いイメージを持っていません。いつも毒でも見る様な目つきで日本酒を見るのです。それと同じようなイメージをワインに対して持っているフランス人も多いのかも知れませんね。

それにしてもフランス政府の自国ワイン産業に対する配慮のなさには驚きます。今ではフランス人も含め多くの人がインターネットでワインの情報を得ます。これで、インターネットへの掲載まで禁止されたら、益々ワイン消費は減少して、良いワインはみんな外国へ輸出されちゃいそうですね!それは日本人にとって良い事なのか、悪い事なのか???・・・とにかく大変です。(汗)

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