グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その28

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその28回目。

古ワインOct13

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年10月から2013年10月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して3月15日に安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとなだらかな下げが続き、3月15日の戻り高値から先月の10月末までに約7%の値下がりとなった。そして11月1日にはデイリーベースとしてはやや大きい約0.5%一気に下げた。

弱含みに推移しているボルドーを避け、他の地域のハイエンド・ワインへの移行は続いており、今後もグランヴァン市場インデックスは流通量の大きいボルドーワインの影響を多く受け軟調な推移となりそうだ。

 インターネット上の業者間高級ワイン取引プラットフォームLiv-exの発表によれば、Ch・マルゴー2009が2013年9月の中間値で£6400だったのが10月の中間値で£6013と6%の下落、Ch・イケム2007が£2634から£2480へ5.8%の下落となった。

一方DRCラ・ターシュ2009は£22310から£24400と9.4%の上昇、評価のわりに割安感のあるモンローズ2009が£2080から£2238へと7.6%上昇した。

大手有名ワイン商ではワイン在庫の評価損により2年連続での赤字となる模様、ワイン・ファンドでも評価価格の発表を取りやめるなど高級ワインの取り扱い業者にとっては受難の時期に入っているようだ。

最も大きなファクターは中国での状況。中国でのCh・ラフィットを中心としたハイエンドのボルドーワインやマオタイ酒は、バブルの崩壊、オランダのチューリップと言える状況に遂に陥ってしまった。

 今では中国でCh・ラフィットやマオタイ酒といえば浪費や腐敗政治の象徴と見られるとのことで、中国の指導体制が変ってからは、それ以前とは180度高級酒に対する価値観が変ってしまったようだ。

また政府、企業ともに経費の削減で宴会やギフトも減少しているとのことで、高級食材などの需要も減少しているとのこと。

この中国国内でのCh・ラフィット・バブルの崩壊が、中国国外のワイン市場にも大きな影響を与えている。香港で増殖したイギリス系のワイン業者もこの急激な状況の変化には対応しきれてはいないようだ。

今後、ワイン在庫の評価額の値下がりが影響して、グランヴァン市場での、暗黒の・・・・とか、ブラック・・・・とか、リーマン・・・などと株式市場で呼ばれるようなXデーが訪れる可能性が高まったように感じます。

その時こそ、グランヴァン市場のバリュー投資家は、遂に動き出すタイミングではないかと考えます。

 

 

 

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