「酒屋の株話」新年の場味

 

 

鍛えられた人間の感覚が精密機械に勝るのは周知のとおり。また、オーリングテストあたりでは、無意識にではあるが人間の優れた感覚を知ることができる。

その昔、今のように情報が多くない時代、相場師と呼ばれた人たちは、ひたすら市場の場味を感じ取って相場を張った。

その代表的な相場師が、かのジェシー・リバモアだろう。電信テープで送られてくる価格情報だけを、ひたすら読み込み場味をみて相場を張った。

つまりは、その電信テープの伝える価格の変動から、市場心理を読み取り「恐れ」や「欲」を感じ取ったのだろう。かのウォーレン・バフェットも、ミスター・マーケットという表現で同じようなことを言っている。

もっと平たく言えば、鉄火場での「まがりやにむかえ」ということなかも知れないが。

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日本株市場の場味をみる。

2017年は年初から堅調な動き。

しかし「トランプ相場はそろそろ終わりだ」みたいな意見が新聞などでは見うけられる。また下げに備えてのプット・オプションの購入も増えているとのこと。

個別の成長株に注目すれば、なぜか売り圧力が強い印象。また将来の期待を十分にはおり込んでいるとは思えない。

もし、ジェシー・リバモア風に場味をみれば、堅調な値動きの市場からはまだ「欲」が感じられないのだ。

投機的な為替の変動や、目先のイベントでの株価の調整はあるのかも知れない。「それでも、このブルトレンドの終わりではない」ということではないか。

年初の日本株市場の場味は、”星二つ半”といったところか。

 

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