「高級ワイン市況」トップブランドが買われる

 

 

中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから5年以上経過。

2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?

昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?

高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?

そして、ワイン価格はこの先値上がりするのか?

・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。

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【ワイン・インデックス2011年12月から2016年12月末までの推移】

高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、前月末から0.4%の小幅な上昇。

13ヶ月連続での値上がりとなり、前年同月比では24.8%の上昇となる。

11月から12月にかけて最も値上がりしたのはブルゴーニュのトップブランド「DRC ターシュ2012(WA97)」、9.5%上昇して1ケースは£22,184。次が9.3%上昇したボルドーのポムロール「ヴュー・シャトー・セルタン2009(WA99)」で1ケースは£2,241。

引き続き英ポンド安による割安感からブルゴーニュ、ボルドーのトップ・ブランドが買われる傾向にあるようだ。

2016年を通じて最も金額ベースで取引されたのは、やはりボルドーのトップブランドである「ラフィット・ロートシルト2010(WA98)」で2016年最初の取引から19.6%値上がりして1ケースは£6,040。

それでもアン・プリムールのリリース価格である£12,000の半額に近い水準。英ポンドも安い水準にあり、まだまだ割安といえるのかも知れない。

2016年は英ポンド安もあり、特にボルドーワインの引き合いが強かったようだ。それも2000年よりも前の当たり年のヴィンテージである1982、1986、1989、1990、1996などを香港や米国が購入した。

また2015年ヴィンテージのアン・プリムールが順調だったこともあり、ワイン取引はここ数年で最も盛り上がったようだ。

2017年も英ポンドの安値推移は続くと予想されている。また2015年ヴィンテージの出来の良いボルドー人気や、供給量は少ないが品質は良いとされているブルゴーニュの2015年ヴィンテージのアン・プリムールも控えていることから、しばらくは堅調な推移が予想されている。

一方、日本国内のワイン市場においては上値の重さがあるようだ。

国内のワイン市場は流動性に欠ける。在庫しているワインが古くなり価値が高くなったとしても、流動性の罠が待ち構えているのだ。

レストラン、ホテルなどの経営体制が変わり、経営の効率化を目指せば、回転効率の悪いワイン在庫はまるで不良在庫。そのためか、高級ワインに関しては古いヴィンテージにお得感が出て来る環境にあるようだ。

どこの在庫なのかにもよるが、古いヴィンテージの高級ワインの売りものがあれば、日本国内こそ魅力的な高級ワイン市場なのかも知れない。

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