“ボルドーワイン市場”に関する記事一覧

グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その25

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその25回目。

古ワインjul13

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年9月から2013年7月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。それ以降、まるで初心者向けのスキーコースの如く、ダラダラとなだらかな下げが続いている。

インデックスベースではダラダラとした下げが続いているが、これはボルドーの重鎮銘柄の評価の高いヴィンテージの割高感が解消されないため。割安感のあるものや希少価値の高い銘柄やヴィンテージには買いが入り堅調に推移している。

ボルドー以外の銘柄のインデックスでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、スーパータスカンと、それぞれ最高値を更新。

ボルドーでも、ペトリウスの最近のヴィンテージで最も低い評価の2002年ヴィンテージが買われ最高値を付けた。また、パーカーポイント100点のChパヴィ2009なども買われ値を上げた。

ボルドーの重鎮銘柄が引っ張るグランヴァン市場の、上値が重く、方向感に乏しい状況で、ボルドー以外の希少価値が高く生産量の少ないワイン、ボルドーでも評価の割に割安な銘柄、生産量の少ないヴィンテージや銘柄が買われている様子。

 関係者曰く「ワイントレーダー達が、この不透明感の強い市場環境のなかで、高額なワインの持ち高を減らし、割安感のあるワインをかわりに持とうとしている」と。

 今の状況を株式市場に例えれば、大型主力株であるボルドーの重鎮銘柄が下落し続ける中、小型品薄株的なワインが買われる状況は、典型的な相場形成の終息に向けての動きに似ているのかも知れません。

日経平均だけでは個別銘柄のことまで分かりませんが、グランヴァン市場ではリスク回避の動きが目立って来ているようです。

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その17

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその17回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2012年7月から11月8日までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移。

“高級ボルドーワイン・インデックス再び下落傾向!”

2011年6月末にピークを付けてた高級ボルドーワイン・インデックスは、2012年7月11日まで約34%の下落。その後は横ばいが続いていたが、ここに来て再び下落基調を強め、昨年にピークを付けて以降の最安値をここ数日間で更新。

 高値から最も値下がり率の大きいのがシャトー・ラフィット・ロートシルト。その中でも最も下落の大きいヴィンテージが2011年に中国系が大きく買い上げた2008年ヴィンテージで、ピーク時の半値以下まで値下がりしている。次が2003年ヴィンテージで約45%の下落、その次が偉大な年と呼ばれる2000年ヴィンテージで約42%の下落。

ラフィットの 2000年~2008年ヴィンテージの平均下落率は約41%。次に平均下落率が大きいのがオーブリオンで約34%。その次がムートン・ロートシルトで約33%。その後にマルゴー、ラトゥールと続く。

 昨年の7月に書いたブログでのエリオット波動理論でのテクニカル分析が、今のところ当たっていると言えるかも知れません。⇒ https://www.stepstep.biz/wine/grandvinesono3

 現在の値動きをエリオット波動理論にあてはめてみると、ピークを付けてから価格が下落している中での値動きの波動は、第一波で大きく値下がり、第二波で横ばいからやや戻り、第三波で第一波の半分ほどの下落、第四波が上の写真にある夏から続いている横ばいからやや戻り、そしてここ数日の間に始まったと推察される下落第五波。

この下落第五波の下落が終了すれば、ひとまず大きな下落は一休み。次の大きな下落トレンドが始まるまで、アップサイドへの戻りを見せるか、横ばいでの動きになるとされている。もし近い将来に高級ボルドーワインを購入したいとお考えの方は、下落第五波の終了レベルが購入のチャンスとなるのかも知れません。

第五波の下落幅の目安は、第三波の下落幅と同程度(第一波の半分程度)とエリオット波動理論では推測され、第一 > 第三 ≒ 第五 の下落パターンとなるようだ。その下値めどは2008年のリーマンショック時に値下がりして付けた安値と同レベルになるとみられる。

 また上昇幅に対するとりあえずの下落幅目標がフィボナッチ数からくる38%、50%、62%とされており、第五波での下落によるリーマンショック時と同レベルは、38%に近い水準となるようだ。

 つまり、エリオット波動理論によれば、ここ数日で始まった第五波での下げが終了すれば、その後はしばらくは高級ボルドー価格の下落は、しばらくお休みの期間となるということでしょうか。

もちろん予測どうりの価格形成になるとは思いませんが、ここで始まった投げ売りと推測される売りが一巡すれば、とりあえず落ち着くということだと思います。

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その9

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその9回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2001年からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 100 Index)のチャートとトレンド・チャンネル・ライン。

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年1月21日からの2012年4月21日までの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)チャート。

年が明けて株式市況、商品市況とほぼ全ての市場で価格は底打ちし上昇に転じました。しかし3月に入ると、今度は一転してほぼ全ての市場が調整ムードとなりました。高級ボルドーワイン市場もまた動きを同じくしており、今年になって上昇した分の範囲内で調整を続けております。

“Sell in May and go away”の相場格言が話題に上っていた2月の終わりに、ほぼ全ての市場で価格が下がり始めたのは、やはり価格上昇に対する市場参加者の、強気になりきれない市場心理を反映したからではないでしょうか。

さて高級ボルドーワイン市場ですが、ワイン専門誌のデキャンター.comによりますと、有名なワイン投資会社を含む50以上のワイン投資会社が運用の失敗により倒産している、もしくは倒産に至る可能性が強いのだそうだ。

その失敗により、この4年間でワイン投資家は約132億円(£1億)を失ってしまったとのこと。

金融の典型的な詐欺なのですが、ワイン投資会社の中には投資家から資金を集め、その後投資も返還も行われていなかったり、高級ボルドーワインの先渡し取引であるアン・プリムール販売で購入資金だけを受け取っただけの会社もあったのだそうだ。

ワイン投資を取り巻く環境は、初めて厳しくなってきたようです。

また、先日のブログでも書いたのですが、中国では高過ぎる高級ボルドーワインから、割安感のあるワインへ人気が移っているとのことで、2008年のCh・ラフィットを買い上げたようなボルドーバブルは今後しばらく期待できないようです。

南ヨーロッパでの金融危機の影響もあり、ひょっとしたら資金繰りに困った高級ボルドーワイン保有者が売り急ぐ場面も出てくるのかも知れません。

問題はそうなったときに誰が買うの?ってことでしょうか。

傷ついたワイン投資会社のパフォーマンスと信用、中国での高級ボルドーワイン・バブルの崩壊、供給量があるわりにまだまだ割高感のある高級ボルドーワイン価格・・・・・・・・・・・・となかなか強気になれないグランヴァン市場です。

 

 

 

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その8

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその8回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年12月からの2012年2月末までの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)チャート。

ゴールド、原油、株式とほとんど全ての市場が、2012年になると同時に底打ちし上昇に転じました。グランヴァン市場もまた上昇に転じています。世界的な低金利政策による金融相場は、ワイン市場もまた押し上げていると言えるのではないでしょうか。

最近のワイン・オークションでは、一時引っ込んでいたアジアからの買いが戻ってきたようです。中でも、いわゆる小型品薄株的な高級ワインが値を飛ばしています。特にドメーヌ・ロマネコンティのブランドを中心としたブルゴーニュワインが人気で、2月のオークションでは最高値を記録した銘柄もありました。

ボルドーワインでも、より希少価値の高いポムロール地区のペトリウスやル・パンが人気となり値を飛ばしました。またスーパートスカーナのレアワインもアジアからの買いで大きく値を飛ばしたとのこと。

基本的に経済が不安定な状況下での過剰流動性による資金の流れは、ワインも含めた実物資産に流れる傾向にあるようです。特にゴールドなどの実物資産を好む傾向にある中国系にとっては、供給量の限られた美術品やアイコン・ワインもまた、実物資産の投資対象として好まれるようです。

 しかし、現在ゴールドや原油価格を押し上げている、メインの買い手とされているのは投資ファンドです。その買い越し残は相当の高水準に達しているとのことで、投資ファンドの動向次第で一気に急落した場面もありました。金融相場の環境下では、今後も大量の投機ポジションの動向による乱高下は起こるのではないでしょうか。そして、その動向は高級ワイン市場にも波及すると考えられます。

いわゆる小型品薄株的なワインは、今後も最高値を記録するほどに値を飛ばすと予想されます。しかしボルドーワイン・インデックスのレベルでは、堅調に推移する中で他の市場の不安定な市場動向の影響を受ける可能性はあります。

また中国系からの人気がボルドー一辺倒から、より希少性の高いワインへ移行したことにより、ボルドーワイン・インデックスとしての最高値の更新とまでは難しいと考えます。

ワインに投資したい人にとっては、「ボルドーは値段が高過ぎるし、買ってもその後大きく値上がりするとは考えにくい。だったら、より希少性の高いワインの方が魅力的!」ってとこでしょうか。

 

 

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その7

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその7回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2001年からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 100 Index)のチャートとトレンド・チャンネル・ライン。

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年11月からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)のチャート。

高級ボルドーワイン市場は、年が明けて2012年になったとたんに下げ渋り、緩やかながら上昇に転じています。株式市場、ゴールド、原油、オーストラリアドルと同じように上昇しており、ワインもまた米国のFRBによるゼロ金利政策が2014年まで継続されることに影響された様子。

また、上のインデックス・チャートで分かるように、テクニカル面からみれば右肩上がりのレジスタンスラインとサポートラインのチャンネルの中で、下方のサポートラインまでインデックス値が値下がりしたとこも反発となった理由かも知れません。

現在、新聞紙上をにぎわしているギリシャなどの欧州債務危機の行方次第でも、株式やコモディティー市場と同じく大きく動く可能性もあります。中国系による高級ボルドーワインへの投機買いの影響もまだ残っていると想像されるため、高級ボルドーワインが大きく買い上げられることはないかも知れませんが、他の市場の影響で更に安値を更新する可能性は考えられます。

 しかし、最近の先進国全体の低金利政策では、経済成長が減速する中、またまた過剰流動性と呼ばれる資金が動き回る可能性があるのではないでしょうか。大量資金が高利回り、成長性を求めて流れ込み、またどこかの市場がバブルへと向かう可能性があると思うのです。またその逆で、大量資金での空売りにより徹底的に売りたたかれる市場もあるかも知れません。

では、そんな状況になった場合に、高級ワイン市場にとってはどのような影響が考えられるか。最近ではワインファンドへも当然資金の分散が起こると考えられます。そうなれば、ワインファンドは高級ワインの中でも最も流動性のあるボルドーワインを最も購入する事になるのです。

ワインには空売りの方法もないと考えられるため、先進国の低金利政策が続く間は一方的な価格の下げは期待できないようです。しかし、2010年に中国系からの人気により大きく買い上げられたCH・ラフィットロートシルト2008などに関しては、中国系の動向次第では、まだまだ値下がりする可能性もあるのだと思います。

株価やゴールド価格、原油価格が下げ渋っている中、ボルドーワインもまた下げ渋りそうですね。

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

ページ
トップ