“アン・プリムール”に関する記事一覧

最近では最悪のボルドー2011アン・プリムール

ワイン商曰く「最近の記憶の中で最悪の状況だ!」。ボルドーワイン2011年ヴィンテージのアン・プリムール(先渡し取引)の感想なのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイン専門誌「ザ・ドリンク・ビジネス」によれば、ボルドーワイン2011のアン・プリムールでは、あまりにも多くのワイン価格が高過ぎることに対してワイン商達が不満を持っているとのこと。その結果、市場はしらけムードとなっている。

ベテランのワイン商は「私達の19年の歴史の中で最もひどいアン・プリムールだ!」「価格と価値の感覚の欠如がアン・プリムール市場を支配している!」「この高過ぎるプライシングは、バイヤーにとって購入につながるインセンティヴがまったくない!」と語っているのだそうだ。

また、プライベート・セールス業務の話として、高過ぎる価格に玄人の顧客は今までのヴィンテージを振り返り、品質の競合できるヴィンテージで2011年ヴィンテージよりも安い価格があれば、代わりにそちらを買う動きに出ているとのこと。

 タイミングも取引が少ない理由なのだそうだ。沢山のワイン価格が一度にリリースされたため、購入のための作業が出来ないらしい。なんでも1日に2500通のメールが送られて来たのだとか。

2011年ヴィンテージの品質には全く問題はないのだが、パーカーズ・スコアーでも特に注目に値することはなかった様子。

偉大な年2009年ヴィンテージの後に、これまた良い年で価格が高かった2010年ヴィンテージが続き、その後の2011年ヴィンテージ。「お腹がいっぱいの上に、わざわざ値下がりする可能性のあるような価格で買いたくない!」ってとこでしょうか。

 長く続いたボルドーワイン価格の上昇が本格的な調整期に入り、「上値の重さ」「需給バランスの不健全さ」が感じられるボルドーワイン2011ヴィンテージのアン・プリムール市場と言えるようです。

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン市場6月は割安感ある銘柄に買い。2010年初オファー高い!!

非常に高額なワインの価格は横ばい。割安感あるワインが6月後半に買われました。

6月の後半に最も注目されたイベントが、2009年に続いて偉大な年となった2010年ヴィンテージの、ボルドーワインの「アン・プリムール」と呼ばれる先物取引でのシャトーからの初オファー。2009年ヴィンテージでも初値が高くて驚かれましたが、2010年 ヴィンテージは更に高い初オファーとなりました。

2009年ヴィンテージの初値よりも10%~20%高く、販売量も極少量。セカンド・ブランドではさらに値上げ率は高く40%~倍。生産者の出し値は非常に強気なのです!ちなみにボルドーの代表銘柄であるシャトー・ラフィットロートシルト2010の初オファーは1本600 ユーロ。

 最近のボルドーワインの偉大な年は多く、2000年、2005年、2009年で、そこに2010年が加わります。市場では6月の後半に2010年ものの初値があまりにも強気のため、それ以前のヴィンテージに割安感が出て買いが入った様子。

ちなみに偉大な年のボルドーワインとは、主にワイン業界のグルともいえる米国人のロバート・パーカーさんが「この年は偉大だ!」と判断したワイン。最近では英国人のジャンシス・ロビンソンさんもそんな感じかも知れません。

このボルドー独特のワイン先物取引「アン・プリムール」は、ボルドーの生産者ばかりにメリットのある取引との批判もでております。最近では4回偉大なヴィンテージが生まれていて、どの年も素晴らしいのに価格は新しいヴィンテージの方が、初値はより高い方向へ生産者が一方的に上げているわけです。高い初値のオファーで販売量は少ない。証券業界ではマーケット・マニュピレーションになってしまいそうな取引なのです。

「殿さまが”殿さま商売”やって何が悪い!」みたいな印象なのです。しかも、本当にグランヴァンと呼べるようなワインが少数で少量なら話は分かるのですが、ボルドーにはいわゆる高級ワインが多過ぎるような気もします。

ここだけは世間で騒がれているヨーロッパの信用不安も無関係。ワインを消費する愛好家を無視して、ワイン生産者、ワイン投資家、ワイン投機家、のためのグランヴァン市場になってしまったのかも知れません。

味わいが良いと判断できる人は沢山おれれるのだと思いますが、その味わいに対してどんな価格が妥当なのかを説得力を持って説明できる人はいそうにありません。これには、その商品のブランド力や、投資に向かう可能性のある世の中の余剰資金が大きく関わっているからです。

賢明なワイン愛好家は他の地のワインに楽しみを見出すのが良さそうですね。

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

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