中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから5年以上経過。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?
昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?
高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?
そして、ワイン価格はこの先値上がりするのか?
・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。
【ワイン・インデックス2011年9月から2016年9月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、前月末から1.59%の上昇。
10ヶ月連続での値上がりとなり、年初からは18%値上がりしている。
9月に最も値上がりしたのがグラーヴのスミス・オー・ラフィット2009(WA100)、14.3%の値上がりで1ケース(12本×750ml)が£1,879で最高値を更新した。次がオー・バイイ2009(WA100)で13.2%上昇の1ケースは£1,692。
お得感あるパーカースコア100点の最高評価ワインが買われた。また高額なペトリウス2010も6.6%上昇し1ケース£26,000となった。
一方、もっとも値下がりしたのはペトリウス2009、3.3%値下がりして1ケースは£25,700。
中国産の高級ワインが初めてliv-exで取引されたことが話題となった。LVMHグループのアオ・ユン2013(ボルドータイプの赤)で1ケース(6本入り)が£1,410~£1,600で取引された。
また、オーパス・ワン2013が1ケース(12入り)£2,200でリリースされた。2013年ヴィンテージはカリフォルニアワインにとって37年ぶりの当たり年とされているようで、引き合いは強い様子。
スーパータスカンのマセット2013、チリのアルマヴィーヴァ2014などもリリースされ注目を集めた。
ボルドーの主要銘柄を筆頭に、ほぼ全てのLiv-exワイン銘柄が上昇トレンドにある。この最も大きな要因は、Liv-exが英ポンド建ての取引であり、その英ポンドが下落していることにある。
英ポンドは6月下旬の国民投票後につけた安値を対ドルで下回り、1985年以来31年ぶりの安値を更新した。今後、市場はさらなる値下がりを予想している様子。
「英ポンドへの売り圧力=英ポンド建てワインへの買い圧力」となる。
海外での売り上げが大きい英国株と同じく、英ポンド安がさらに進めば、英ポンド建てワインもまた、さらに値上がりすることになるとみられる。
※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります
カテゴリー:高級ワイン市況