グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その22

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその22回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年5月から2013年3月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーモードに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。その後は、その戻りの高値より1%ほど安いレベルで横ばい。価格変化に乏しい模様眺めの状況が1ヶ月ほど続いている。

 ”ゴールド暴落!!”

「ゴールドと同じようにワインは現物資産でありインフレ懸念が価格を押し上げる!」などと言われ、ワイン市場とも値動きが似ているとされていたゴールドが暴落した。また、そのゴール暴落の影響を受けたのか、他のメタルや原油も値下がりしている。

ゴールド暴落により投資家がリスク回避傾向を強めているとのことで、昨年の11月から始まったワイン市場のリカバリーで流入したとされる、資産ポートフォリオの一部の資金もまた、高級ワインに対してのリスク回避傾向を強める可能性があるわけです。

 また、中国の経済成長率が予想外に減速しているとの状況も、高級ワインに対する中国の影響力の弱まりを連想させます。

”ボルドー2012年ヴィンテージのアン・プリムールはワイン・インデックス価格にアンダー・プレッシャー!!”

歴史的な厳しい天候となった2012年ヴィンテージのアン・プリムール取引(先物取引)が始まったようだ。いわゆる大物ワインの中ではムートンが先頭を切ってリリース価格を出した。価格は1本£240で、2011年ヴィンテージよりも33%低い水準で、2010年ヴィンテージよりも60%低い水準。

2012年ヴィンテージは、ここ10年間のヴィンテージの中では最も安い水準となり、2012年ヴィンテージがワイン・インデックスに加われば、インデックス価格を押し下げることになるようだ。

そんなことで、 ワイン・インデックスで見る、ゴールドと同じ実物資産としてのワイン市場は、なんとも頭重い展開が予想されます。しかし、ワイン市場全体へのアンダープレッシャーは、個別のワインで見ればワイン・コレクターにとっての好条件となるのかも知れません。

2012年のメルロー種の出来は良かった様子(もちろん造り手の努力の結果)。ロバート・パーカーさんによる、ポムロールの2012年ヴィンテージ・ワインへの評価は高いとのことで、「そのクオリティーは偉大な年と呼ばれる2009年や2010年に近い!」とのこと。

2012年の厳しい気象条件は、各ワインごとのクオリティーの格差を大きく広げる結果となったようです。

グランヴァン市場の予想としては、「横ばい」~「もう一段安」あたりでしょうか。しかし、まだまだ「オランダのチューリップ」のような状況ではないようです。

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