“グランヴァン”に関する記事一覧

グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その15

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその15回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2012年4月から9月14日までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移。

高級ボルドーワイン・インデックスは2011年6月末にピークを付けてから2012年7月11日まで約34%の下落。その後は、夏休みムードが継続しているのか、横ばいからやや戻り気味の展開。

 ボルドーワイン・インデックス価格に大きな影響力を持つラフィット・ロートシルト。そのラフィット・ロートシルトの価格に影響を与えるとされる中国の株価も、政府が発表した景気テコ入れ策を好感して今月の中旬にかけて上昇したが、その後に中国の景気減速を警戒したとみられる売りが広がり、今週に入って約3年8ヵ月ぶりの安値を付けた。

「中国経済の下振れリスクを考慮すれば、当局がそろそろ動きだす!」との見方もあるようだが、日中関係の緊張もあり積極的な買いは入りにくい状況なのだそうだ。

短期的には、なんとも上値の重たい展開が中国の株価にも、グランバン市場にも予想されます。

先日、日経新聞に興味深い記事が掲載されておりました。景気に敏感といわれる銅価格の1900年からの変動は現在、資源価格の上昇基調が続く「スーパーサイクル」に入っているのだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

米国内の銅価格1900年~2012年

2000年以前の価格の上昇局面は過去100年で3回。最初は1900~20年ころで、欧州に代わる新興国の米国がけん引。次は1950~80年ころ、日本や西ドイツなどの戦後復興が主導。そして今回の主役は中国で、いずれも新しい経済大国が誕生する過程で資源価格の長期的な上昇が起きた。

高度の経済成長では様々な商品への資金流入が起こるため、けん引国の影響はグランヴァン価格も資源価格と同じように影響を受けると考えられます。また、2000年以降の銅価格の値動きはグランヴァンのそれと良く似ております。

「いつまで今回の中国がけん引するスーパーサイクルは続くのか?」に専門家の方々は、「2020年まで今回の中国が主導するスーパーサイクルが続く。」が最長で、「昨年4~6月で当面のピークを越えている」が最短の意見だったようだ。

個々の商品にはそれぞれのファンダメンタルズがあり、水準を切り上げている商品もあるのだと思いますが、グランバン市場に関してはけん引役の中国景気の改善、それもビリオネラーの数がまた大きく増加に転じるような改善とならない限り、グランヴァン価格のスーパーサイクルは昨年の6月にピークを付けたとみるべきではないでしょうか。

世界的な低金利政策での過剰流動性相場の発生で、一時的にグランヴァン価格も上昇する場面があるのかも知れませんが、昨年の勢いある中国の買いほどの猛烈な買いが入るとは考えにくく、更には売りたい人と、買いたい人のバランスが片寄った上値の重さもあり、そうこうしているうちに安値を探る展開となりそうです。

 

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その14

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその14回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年3月から8月21日までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移。

高級ボルドーワイン・インデックスは2011年6月末にピークを付けてから2012年8月11日まで約34%の下落。その後は、ワイン市場もまた夏休みモードに入ったのか、横ばいからやや戻り気味の展開。

中国とラフィット・ロートシルトとの関係が反映されていると推測される、中国の株価とボルドーワイン・インデックス価格の相関関係。また、何故かボルドーワイン・インデックス価格の推移と似ているユーロ/円の値動き。これら中国株、ユーロ/円もまた横ばいからやや戻り気味の展開。

中国では景気の減速懸念から、政府が追加の金融緩和などによる景気の下支え方針や、証券当局による株価下支え策を相次ぎ打ち出されたことで、中国株の上値追いには慎重なムードも根強い中、当面は戻りを試す場面が予想されているとのこと。

またユーロ圏の債務危機問題にも安心感が出てきた様子。米国の株式市場に対しても個人投資家の市場心理が強気に変化したのだそうだ。

ほぼ全ての市場で戻りを試す場面へと環境は変化したようです。

しかし、ボルドーワイン・インデックスに関しては、昨年シャトー・ラフィット・ロートシルトの2008年ヴィンテージを中国系が大きく買い上げたような状況からは大きく変化しており、ここからまた大きく価格が上昇するとは全く想像しにくい環境ではないでしょうか。

やっぱりワインは嗜好品です。株式や不動産の価値の上昇、そしてそのことにより可処分所得がドーンと増えるような環境が、ワイン相場の上昇には不可欠ではないかと思うのです。

 

 

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その13

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその13回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

年初から2012年7月6日までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移。

 高級ボルドーワイン・インデックスは引き続き一方的な右肩下がり。2011年6月末のピークからの下げ幅は33%に達している。

ブルーンバーグの記事によれば、2012年1月~6月の世界五大オークション・ハウスのワイン売上高は、前年同期比で25%の減少だったとのこと。香港での売上が世界最大なのは変化がなく、全売上の47%が香港から。次がニューヨーク、シカゴ、カリフォルニアからなるアメリカで35%、そしてヨーロッパが18%だった。

世界5大オークション・ハウス合計でのこの期間のワイン売上高は1億6千万ドル(約128億円)。関係者はボルドーワインの値下がりが影響しているとしている。ボルドーワインは流通量が多い分、経済情勢に影響されやすいことも手が出しにくい一因とのこと。

 2011年にラフィットをメインとするボルドーワインを、大きく積極的に買い上げた中国のワイン投資家たちは、流通量が多く経済情勢に影響されるボルドーワインよりも、流通量が極端に少ないブルゴーニュやカリフォルニアに注目しているのだそうだ。

 南ヨーロッパでの欧州債務危機はひとまず落ち着きを見せたものの、今後の債務危機は行きつくところまで行くのではないかとの予想も多い。もしそうなった場合、世界中にその影響は波及するわけで、当然ワイン市場にも影響が及ぶことになるわけです。

 今の高級ワイン市場の状況を株式市場に例えれば、大型主力株であるボルドーが下落し続ける中、小型品薄株であるブルゴーニュや他のカルトワインに資金が流れる状況は、正にひと相場の秋を迎えているとみることができるのかも知れません。

 半世紀ほど前の日本の伝説的相場師は「桐一葉落ちて天下の秋を知る」と、その時の相場状況を例えたのだそうですが、現在の高級ワイン市場は「天下の秋で、桐一葉落ちるを知る」といった状況でしょうか。

中国やロシアなどの新興国で、またビリオネラーが増加に向かうような状況になるまでは、グランヴァン市場の本格的な回復はなさそうです。

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その12

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその12回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年の年末から2012年6月15日までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移。

グランヴァン市場は一方的な右肩下がりが継続中で、昨年のピークからの29%の値下がり幅。株やユーロ、ゴールドの横ばいからリバウンド的な動きをよそにグランヴァン市場のみ下落トレンドの中にあります。

 しかし、最近のユーロ地域の混乱を受け、金融やワイン市場に詳しい専門家の中には、「ユーロ地域の崩壊は新たなワインバブルへの引き金となるかもしれない!」との考えを持つ方もおられるのだそうです。

経済学には「グレシャムの法則」と呼ばれる法則があり、「バッド・マネーが投資家にグッド・マネーを求めさせる」のだとか。言い換えれば、「バッド・マネーが通貨のユーロで、グッド・マネーがワインのような資産」となるらしい。

投資対象となるワインはゴールドのような実物資産であって、株や債券などとは直接的な価格の相関関係はない。しかも消費されるため年々同じヴィンテージのワインは減少して行くとのこと。

また、ユーロ地域の状況がワイン価格に及ぼす影響については、既に大量のワインを所有する、主にアジアのワイン投資家が神経質になっているようだ。

大手ワイン投資ファンドのファンド・マネージャーは、このところ増えた主にアジアのワイン投資家からの質問に、「ワイン市場はこの先10年ぐらいの底値にある。我々のような長期投資家にとってユーロ地域の状況がワイン価格に影響を及ぼすとは思えない。」

「我々は偉大なヴィンテージである2005年ヴィンテージと2009年ヴィンテージのワインで大量のポジションを持つが、今の市場に放出して溢れさせるのは何の意味もないことだ。」とのアドバイスをされているとのこと。

2005年、2009年、2010年と偉大なヴィンテージが続き、ワイン投資ファンドは大量の偉大ヴィンテージ・ポジションを保有中。中国を中心としたアジアからの需要がグランヴァン価格を急上昇させた後での需要の激減。

たとえ今後ユーロ地域の状況次第でワインを資産として持つ投資家が増えたとしても、そこでうまく売り抜けようとする動きも増えると想像できるわけです。

ちなみに日本のグランヴァン市場では、基準となる価格から約2割ぐらいのディスカウントで都内のワインショップや酒屋、インターネットショップで値付けされている様子。昨今の急激なグランヴァン価格の上昇と、厳しい日本経済を反映して需要が引っ込んでしまった印象です。

リクイディティに優れているとはいえないグランヴァン市場が、はたして安全な資産運用の場となるのか?また、グランヴァン市場は、単に値上がりと転売だけを目的とした人達の買いが支えていて、この先「劇場のシンドローム」的状況に陥ってしまうようなことになるのか?が市場を読むポイントなのだと思われます。

誰もが感じているのは、グランヴァン価格がまだまだ高過ぎるということでしょうか。

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その8

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその8回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年12月からの2012年2月末までの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)チャート。

ゴールド、原油、株式とほとんど全ての市場が、2012年になると同時に底打ちし上昇に転じました。グランヴァン市場もまた上昇に転じています。世界的な低金利政策による金融相場は、ワイン市場もまた押し上げていると言えるのではないでしょうか。

最近のワイン・オークションでは、一時引っ込んでいたアジアからの買いが戻ってきたようです。中でも、いわゆる小型品薄株的な高級ワインが値を飛ばしています。特にドメーヌ・ロマネコンティのブランドを中心としたブルゴーニュワインが人気で、2月のオークションでは最高値を記録した銘柄もありました。

ボルドーワインでも、より希少価値の高いポムロール地区のペトリウスやル・パンが人気となり値を飛ばしました。またスーパートスカーナのレアワインもアジアからの買いで大きく値を飛ばしたとのこと。

基本的に経済が不安定な状況下での過剰流動性による資金の流れは、ワインも含めた実物資産に流れる傾向にあるようです。特にゴールドなどの実物資産を好む傾向にある中国系にとっては、供給量の限られた美術品やアイコン・ワインもまた、実物資産の投資対象として好まれるようです。

 しかし、現在ゴールドや原油価格を押し上げている、メインの買い手とされているのは投資ファンドです。その買い越し残は相当の高水準に達しているとのことで、投資ファンドの動向次第で一気に急落した場面もありました。金融相場の環境下では、今後も大量の投機ポジションの動向による乱高下は起こるのではないでしょうか。そして、その動向は高級ワイン市場にも波及すると考えられます。

いわゆる小型品薄株的なワインは、今後も最高値を記録するほどに値を飛ばすと予想されます。しかしボルドーワイン・インデックスのレベルでは、堅調に推移する中で他の市場の不安定な市場動向の影響を受ける可能性はあります。

また中国系からの人気がボルドー一辺倒から、より希少性の高いワインへ移行したことにより、ボルドーワイン・インデックスとしての最高値の更新とまでは難しいと考えます。

ワインに投資したい人にとっては、「ボルドーは値段が高過ぎるし、買ってもその後大きく値上がりするとは考えにくい。だったら、より希少性の高いワインの方が魅力的!」ってとこでしょうか。

 

 

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

ページ
トップ