酒屋さんのための専門誌「酒販ニュース」さんが創刊50周年の記念特集をだされました。
ウイスキー課税数量50年間の推移
国産ウイスキーの歴史は、そのまま日本の高度成長期の歴史や、サントリーさんの歴史と重なるのです!
昭和30年代から昭和58年までウイスキー市場は急拡大し、高度経済成長と共に30年代の5倍ほどの水準まで拡大したのでした。しかしその後は、バブルの時期に若干上向いたものの、ほぼ一貫して縮小を続け、ここ数年はほとんど昭和30年代と同水準まで縮小しています。
58年のピーク時から比べると数量ベースでは、なんと約8割の減少です!スナックさんなどでウイスキーの独壇場だったボトル・キープは焼酎へと見事に取って代わられてしまいました。現在でも語り継がれている、開高健さんや山口瞳さんが在籍した、有名なサントリー宣伝部の影響力が、昭和58年以降徐々に効果を失って来てしまったのでしょうか?
高度成長期時代には、ウイスキーは憧れでありステータスだったのです。TVのCMには大物スターが続々と登場しました。今でも憶えているのは、ショーン・コネリーさんが登場して「ウイスキー水で割ったらアメリカン!」(意味はいまだによく分からないのですが!)のTVCMです。とっても華やかでカッコ良かった記憶があります。
当時、大学生はサントリー・レッドやホワイトを飲み、社会人になったらサントリー角やオールドなど出世に伴って飲むウイスキーは変化していったのです。ウイスキーには安価なものから高級品まであり、出世に従って豊かさを実感できる仕組みがうまく確立されていたのですね。また、最高級品であったスコッチ・ウイスキーが、海外旅行のお土産として重宝されたのは記憶に新しいですね。
ウイスキーの中で最もステータスのシンボルとなっていたのが、輸入物の有名スコッチ・ウイスキーでした。英国からの外圧が強まり税制が変更され、高嶺の花とされていたスコッチや国産高級ウイスキーの価格は下がりました。しかし、困った事に価格が急激に下がった事によりイメージの低下をもたらしてしまい、結局売れなくなってしまったのです。安くすれば売れる訳ではなかったのです。この法改正はサッチャー英国首相の誤算と、当時評されたのだそうです。
最近ではシングル・モルト・ウイスキーが静かなブームとなったり、業務用市場でハイボールが人気となったりと、長い間減少傾向が続いていたウイスキー需要に回復の兆しが見え始めました。昭和30年代から始まり、非常に高いピラミッド型の需要の激増、激減の後、また新しいウイスキーの流れがガリバーであるサントリーさんを主導に始まったようです。期待しましょう!
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