酒類の安売り、販売の規制緩和は社会悪になっていない!(日本では!)

一昨年ほど前の酒のシンポジウムで警察庁と厚生省の方が、国内の問題飲酒が年々改善されていると報告していたのだそうです。

「酒販通信」に掲載されていた酒類の総消費量と、一人あたりの消費量の推移。下が飲酒習慣者の割合。

酒類の消費量はこの10年間で11%減少しました。成人一人あたりの消費量は落ち込みがさらに大きく15%の減少です。この間、酒類の販売規制は緩和されて価格競争が一般化、価格は下がりコカ・コーラよりも安いビール風アルコール飲料も登場。酒売り場も増えて、いつでもどこでも酒類が買えるようになったのです。

この事実は、酒類の販売規制や価格維持が、日本では酒の害の抑制になっていない可能性を示しているのです。

もちろんこの間に経済的な理由や、飲酒運転の罰則強化などもあったのですが、それよりも日本の人々が飲酒をセーブする傾向が強くなってきたのが要因のようです。社会状況の変化が飲酒に向かない方向へ動いているようなのです。10年前には夜の新橋駅付近に行くと必ず酔っ払いが寝転んでいたりしたものですが、今ではまったくそんなことしてる場合ではない状況ですよね。

また、お酒が安くどこでも購入できるようになると、以前ウイスキーが大幅に安くなり輸入量も増えたにもかかわらずウイスキーの人気が消えてしまったように、若い人達にとって酒に対する憧れや魅力が薄れてしまったのかも知れません。またそれが未成年飲酒が大幅に減少した理由の一つのような気もします。

5年前に比べて働き盛りの男性(30代~50代)に飲酒習慣のある人が大きく減少しているのも、今の社会状況が反映されているようです。逆に60代では、酒飲み世代である団塊世代が定年退職の世代でもあり、飲酒習慣は増加しています。リタイヤした後のお酒の飲み方は、その後の短くない人生に大きな意味を持ちます。これは酒屋を営んでいるとよく分かります。健康的に、楽しく、おいしく酒を飲む術の習得が必要なようですね。

とにかく、コカコーラよりも安い酒が何時でもどこでも買えるようになって、なおかつ飲酒にかかわる問題も改善されているのですから、日本の飲酒シーンは世界的に優等生なのです。

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