清酒販売50年間の推移

酒屋さんのための専門誌「酒販ニュース」さんが創刊50周年の記念特集をだされました。

清酒の課税数量50年間の推移

大変に困った事に、清酒出荷量の低迷が止まりません。

ピークの昭和48年には176万6310KLあった清酒課税数量ですが、平成21年には63万3903KLまで減少してしまいました。36年間の間に6割強減少したことになります。酒類全体に占めるシェアもピーク時には30%ほどあったのですが、これも7%まで減少してしまいました。

平成21年度の清酒の課税数量水準は、なんと50年前の昭和35年と同水準。大変に凄まじい清酒離れが起こっている事が分かります。

この主な原因は嗜好品である清酒市場で、大手清酒メーカーが競って「安かろう、悪かろう」のパック酒の販売競争を繰り広げたためとの意見もあります。しかし、清酒がまだこの課税数量の水準にあるのはパック酒が貢献しているから、とも言えなくもありません。大手メーカーのパック酒の構成比は上昇傾向にあります。

清酒の課税数量が特に大きく減少し始めたのは、大手清酒メーカーが集中している地域で起きた平成7年の「阪神淡路大震災」の年から。震災により更なる借入などが発生し、より売上を求めてパック酒の販売合戦が激化したとも推測できます。

清酒市場にはもう一つの流れがありました。「地酒市場」です。地酒専門の問屋が誕生し、地方の地酒に特化した酒屋である「地酒屋」を組織しました。また、「越乃寒梅」や「久保田」などを筆頭に、酒の小売店と直接取引を行い差別化する蔵も出て来たのです。

「おまえんとこの隣のお店には絶対に卸さないでやるから、おまえんとこの店じゃ、沢山売ってくんなダメだからね!!」みたいな感じでしょうか(笑)!売れ続ければ良かったんですけどね~!(汗)コミットメントがね~!キツイんですよね~!!(涙)

その後、いわゆる幻の銘柄が登場しては消えて行ったのだそうです。今でも幻の有名銘柄は幾つかありますが、有名料亭さんに扱ってもらい、人気雑誌の「ダンチュウ」などで記事にしてもらう等の、いわゆる地酒グループさんの差別化販売戦略も段々と影響力は低下して来ていると聞いています。

今年のGW時には、昨年のGW時に比べ、酒屋の店頭で清酒を買い求める方が増えた感じがします。ひょっとしたら、これが底打ちの「コツン!」って音なのかも知れません。少数とはいえファンは必ず存在するのです。今後は清酒もどちらかと言えばマニアの酒として、いかにファンを増やすかが重要なようです。それと、何と言っても清酒には海外に強烈にデッカイ市場が存在する事を、意識しないといけないのかもしれませんね!

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