グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その8

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその8回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年12月からの2012年2月末までの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)チャート。

ゴールド、原油、株式とほとんど全ての市場が、2012年になると同時に底打ちし上昇に転じました。グランヴァン市場もまた上昇に転じています。世界的な低金利政策による金融相場は、ワイン市場もまた押し上げていると言えるのではないでしょうか。

最近のワイン・オークションでは、一時引っ込んでいたアジアからの買いが戻ってきたようです。中でも、いわゆる小型品薄株的な高級ワインが値を飛ばしています。特にドメーヌ・ロマネコンティのブランドを中心としたブルゴーニュワインが人気で、2月のオークションでは最高値を記録した銘柄もありました。

ボルドーワインでも、より希少価値の高いポムロール地区のペトリウスやル・パンが人気となり値を飛ばしました。またスーパートスカーナのレアワインもアジアからの買いで大きく値を飛ばしたとのこと。

基本的に経済が不安定な状況下での過剰流動性による資金の流れは、ワインも含めた実物資産に流れる傾向にあるようです。特にゴールドなどの実物資産を好む傾向にある中国系にとっては、供給量の限られた美術品やアイコン・ワインもまた、実物資産の投資対象として好まれるようです。

 しかし、現在ゴールドや原油価格を押し上げている、メインの買い手とされているのは投資ファンドです。その買い越し残は相当の高水準に達しているとのことで、投資ファンドの動向次第で一気に急落した場面もありました。金融相場の環境下では、今後も大量の投機ポジションの動向による乱高下は起こるのではないでしょうか。そして、その動向は高級ワイン市場にも波及すると考えられます。

いわゆる小型品薄株的なワインは、今後も最高値を記録するほどに値を飛ばすと予想されます。しかしボルドーワイン・インデックスのレベルでは、堅調に推移する中で他の市場の不安定な市場動向の影響を受ける可能性はあります。

また中国系からの人気がボルドー一辺倒から、より希少性の高いワインへ移行したことにより、ボルドーワイン・インデックスとしての最高値の更新とまでは難しいと考えます。

ワインに投資したい人にとっては、「ボルドーは値段が高過ぎるし、買ってもその後大きく値上がりするとは考えにくい。だったら、より希少性の高いワインの方が魅力的!」ってとこでしょうか。

 

 

 

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