グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その43

 

 

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われ、グランヴァン市場の価格を一気に押し上げて相場のピークを形成。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにボルドーワインは値を下げ続けた。

中国が主導したボルドーワイン・バブルは2011年6月をピークに崩壊した。

今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその43回目。

ワインJan15

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)・インデックスの2010年1月から2015年1月末までの推移】

年が変わり2015年に入ると市場のセンチメントは一変。市場は堅調に推移している。1月末にはインデックスベースで昨年末から約1.7%の上昇となった。

2月19日から始まる中国の春節、ユーロに対しての米ドル高、香港ドル高、スイスフランの大幅高、Ch・ムートンロートシルト2005のパーカースコアが96から99+と格上げされる、などの状況が市場に反映したとみられる。

また、高級ワインの業者間取引サイト Liv-ex でのビッド/オファー・レシオ(オファーに対するビッドの比率)も0.5を上回った。この傾向は通常、市場が強気に変わったことを示すインディケーターとなる。

2005ヴィンテージのボルドーワインは、このところパーカースコアなどが上方に見直される傾向がある。ユーロ安も手伝い、2005ヴィンテージの割安感と、そのクオリティの高さが見直されて買われているようだ。

高級ワインの取引では、ボリューム、バリューともに、そのほとんどをボルドーワインが占める。ワイン市場における主力株であり、ボルドーワイン市場の回復は、高級ワイン市場全体のセンチメントを変えることになる。

liv-ex によれば、1月に最も値上がりしたのがシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン2005で、約20%の上昇。

また、中国の春節を前に、アジアの高級ワイン取引の中心地である、香港で開催されたワインオークションは大盛況だった。

干支であるひつじラベルのトップブランドであるシャトー・ムートン・ロートシルトの蔵出しコレクションや、DRC、アンリ・ジャイエなどの特別なコレクションがアジアや米国のバイヤーにより落札されたとのことだ。

そして、市場のセンチメントをポジティブにしているのが、富裕層のクラシックなタイプのコレクターの買いが戻りつつあること。

中国のワインバブルで高級ワインが大きく買い上げられていた時には売り手となったが、価格が下げ止まり、買い手として戻って来ているようだ。

この手のタイプのコレクターにとってワイン集めは趣味の一つなのだが、価格が上がった時にのみ投資となり売却して利益を出す。値上がりしなければコレクションとして楽しんだり、味わったりする趣味となる。

中国のワインバブルが弾け去ったのは、もう十分価格に織り込まれたとのコンセンサスだ。2014ヴィンテージのアン・プリムールに対しても楽観的な見方が広がっているようで、割安感のあるワインには買いが入りやすい環境が続くとみらる。

 

 

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