グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その37

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けている。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月がピークとなりました。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその37回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年7月から2014年7月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとしたなだらかな下げが止まらない、一方的な右肩下がりが続いている。7月末の水準は前月末から約 1%低い水準。2011年6月のピークからは約41%安い水準。

高級ワイン業者間取引サイト Liv-ex のブログによれば、7月はシャトー・ラフィット・ロートシルトのあらゆるヴィンテージの値下がりが目立ったとのこと。2009年ヴィンテージでは、1ケース£5,600の最安値を付けた。ピーク時には1ケース£14,000であったことから60%値下がりしたことになる。

また、ピーク時には95%の取引シェアのあったボルドーワインが80%を割り込んできたのだそうだ。かわりにシャアを最も伸ばしたのがブルゴーニュワインで、特にドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィス2001の取引が活発だった。

継続的な値下がりが止まらないグランヴァン市場だが、あのロバート・パーカーさんに「疑いの余地なく最も偉大なボルドーワインのヴィンテージだ!」と言わしめた2009年ヴィンテージの、パーカーポイント100点ワイン(第一級クラスのワイン以外)と、パーカーズ・マジカル20と呼ばれるワインは、堅調に推移しているのだそうだ。

値動きはそれほど大きくないが、市場全体の価格下落にもかかわらず高値圏を維持している。なかには魅力的な価格のものもあり、例えばシャトー・レオヴィル・ポワフェレ2009はパーカーポイント100点でありマジカル20でもあるが1ケースで£1,440ほど。それでもピークからは20%ほど低い水準なのだそうで、なおかつ100点の中では最安値のワインとこのとだ。

印象としてはグランヴァン市場では銘柄やヴィンテージ間での幅の広い裁定取引が入っており、割高感のある銘柄、ヴィンテージが売られ、割安感や希少価値の高い銘柄やヴィンテージが買われている感じでしょうか。

インデックス価格に影響力のある、アン・ピリムールが不振に終わったボルドー・ビッグ・ネームの近年のヴィンテージの重圧を乗り越えるにはまだまだ時間が必要なようです。

 

 

 

 

 

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