グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その30

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその30回目。

Dec13

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年12月から2013年12月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとなだらかな下げが続いている。3月15日の戻り高値から先月の12月末までの値下がり率は約10%、前月末からは約1%低い水準。今年3月から続いているなだらかな下落傾向の継続は、年末12月31日のインデックス価格を2013年の最安値で終了させた。

また、昨年末の安値は、当面の安値目標とも考えられた2012年11月の安値を下回り、2010年2月以来の安値となった。 それでも、オルタナティブ投資の対象としてはGOLDよりも下げ幅が小さかったようだ。

左岸の最高級ボルドーを避け、他の地域のハイエンド・ワインへ移行する動きも続いており、右岸ボルドー、ブルゴーニュ、スーパータスカン、シャンパーニュなどは、メージャー左岸ボルドーワインが軟調に推移しているにもかかわらず値を上げている。

しかし、流通量の大きい左岸ボルドーワインが軟調の影響は大きく、インデックスでは左岸ボルドーの影響を大きく受けるため、軟調な推移が今後も継続しそうだ。

 最大のワイン需要期であるクリスマスでの盛り上がりはなく、中国や香港での春節でもすでに業者は十分な在庫を保有しているとみられる。また、ボルドーのアン・プリムールのキャンペーンでも2010年ヴィンテージを最後に高値が付くような環境ではない。

評価の割に割安感のあるワインやヴィンテージ、また供給量の限定されたワインに買いが入っているが市場全体を持ち上げるにはパワー不足。

GOLD市場では中国やインドがさらなる下げでの買い場を探っているとのことだが、グランヴァン市場においては多くのワイン業者の期待とは裏腹に下値の目処が立ちにくい状況のようです。

インデックスの安値更新で値ごろ買いが入り、ワイン市場のなだらかな下落傾向に一時的な歯止めがかかる可能性はありますが、頭の重い市場環境に変化はなさそうです。

 

※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります

ページ
トップ