「酒屋の株話」弱気の先取りと英投票

 

 

ドル/円相場は一気に105円を割り込み103円台を付けた。日銀の追加緩和がないことで、薄商いの為替市場で円買いが仕掛けられ、一気に105円を突破したようだ。

為替市場の投機筋は明らかに主要通貨に対して円買い傾向にあるとみられる。

そして、いよいよ来週の23日はイギリスの国民投票。かなりのインパクトを持つイベントだ。

EU離脱のリスクを嫌ってか、ポンド安傾向は円に対してここ1年ほど続いている。

一方、日経平均のオプション市場では、株価が下落しているにも関わらず、7月物のコールオプションが積み上がっている。残留となった場合の株高に備えているようだ。

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<写真は日本経済新聞>

東証の空売り比率は高水準にある。日本株市場の市場心理は弱気に傾いているようだ。

また、世界の機関投資家の平均現金比率の水準も高まっている。

為替市場、株式市場、金市場、国債市場と、イギリスのEU離脱のリスクを先取りして反応している印象だ。

この弱気に支配された、売り込まれた市場のコンディションでイギリスが残留となれば、当然その反応は小さくないと予想される。

また、たとえ離脱となっても、その反応はもうすでに市場に織り込まれた可能性もある。

著名投資家の多くは、この国民投票の結果を残留と予想しているようだ。民意が経済を優先させるとすれば当然だと思う。

先述の日経平均コールオプションの買いとは、もし自身が投機家の立場なら、この状況下で損失限定の急騰に賭けるという、なかなか素晴らしいアイデアではないかと思う。

ただし、複雑なポジションのヘッジ目的ではなく、純粋な投機のコールオプション買いならばだが。

投機筋の買戻しが週末に向けて入って来たようだ。また、コールオプションの売り手からのデルタ買いが入るとすれば大きなインパクトとなる。

来週は弱気に先取りされているあらゆる市場が大暴れしそうな気がする。

 

 

 

 

 

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