中国では物価上昇が鈍化し豚肉価格もニンニク価格も一時の高値から急落。ユーロ圏での金融不安はグローバル経済に不安を広げ、世界の株式市場の価値は減少傾向。
高級ボルドーワイン価格も7月の初旬の高値から一方的下落傾向。ダイヤモンドなどの宝飾品価格も下げに転じているのだとか。
これでは、高級ワイン市場はさぞひどい状況かと思いきや、そうでもないようなのです!
ロイター通信によりますと、高額ワイン・オークション各社の2011年の売上は好調で、好調だった2010年を越えているほどなのだそうです。昨年まで中国系に熱狂的な人気のあったシャトー・ラフィット・ロートシルトを中心にしたボルドーワインは値を崩しており、金融市場の不安定な状況も続いているのだが、オークションハウスにとっては予想外に良い年となっているのだそうだ。
中国、香港からの人気は、より希少性の高いロマネ・コンティを筆頭としたブルゴーニュ・ワインに向かっていて、中国の今年のブルゴーニュワイン輸入金額は昨年の2倍になる見通し。その他、日本からの輸入金額も震災から劇的に回復しており前年対比で15%増加しているとのことで、日本は引き続き米国、英国に続く世界第3位のブルゴーニュ・ワイン輸入国。
その他、アジア諸国でのブルゴーニュ・ワイン人気は高まっており台湾、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナムなどからの引き合いもあるようだ。
最も輸入金額の高い米国の輸入金額も4割近く増加している。またカナダからの輸入も伸びており、北米市場、アジア市場は金融不安定をよそに絶好調。しかし、ヨーロッパで輸入金額の大きい英国やベルギーでは減少しているとのこと。
輸入が増加している国で共通していることは、輸入量の増加よりも輸入金額の増加分の方が大きいということ。高額ブルゴーニュ・ワインの値上がりの影響もあるのだと思いますが、おそらくロマネ・コンティに代表される有名ブランドものが好まれいるためと想像されます。
今年7月までのブルゴーニュワインの輸出量は0.4%の増加、金額では17.8%の増加。
中国ではちょっと前まで物価の上昇が激しく、現金を持っていてもしょうがないので、地方から現金をリックサックに入れて金を買いに都心に出てくる人もいると聞いたことがあります。ひょっとしたら同じような傾向が続いていて、富裕層にとってお金の持って行き場が少なくなっているのかも知れません。
ブルゴーニュワインは今でも堅実に値上がりしていて、かつ希少性の高い数少ない魅力ある金融商品の一つと言えなくもないのです。しかし希少性が高いがゆえに市場への供給量も限られているわけで、ワインの所有者が変わるたびに価格は上昇することになります。
「ラフィットからバトンを受け取ったロマネ・コンティの運命やいかに?」ってとこでしょうかね!(笑)
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