グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その5

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその5回目。

ボルドーワインインデックスは7月の初旬にピークを付け、その後一方的にダラダラと下げ続けてピークから約15%の下落。大ざっぱに見れば価格の動きが似ているゴールドもこの間に一気に20%の下落となった。新興国投資家にとっては同じインフレヘッジ目的で購入していた商品の価値が15%~20%下がってしまったことになります。

先日行なわれたサザビーズさんの香港ワインオークションでも 2009に参入して以来初めて売れ残りがでたのだとか。売れ残ったのはボルドーのグランヴィンテージ1961、1995、2000、2005を含むシャトーラフィットロートシルトやラトゥール、ムートンロートシルト、マルゴーなど。

一方、ブルゴーニュのロマネコンティーは引き続き人気で、価格はまだ上昇傾向にあるようだ。グランヴァン市場の中ではボルドーワインの流通量が圧倒的に多いことが理由なのか、より希少性の高いワインに人気が集まっているようです。

 また、中国系の投資への傾向である「価格が上がっているからこそ買うんだ!」という考え方にも影響されている気がします。価格が下がっているものには手を出さないのです。もし、価格が下がっているものに手を出して、更に下がるようなことになれば中国人の大事にするメンツにかかわることなのでしょう。

 新興国の経済成長の鈍化、先進国経済の下ぶれ懸念、世界の株や商品などの値下がり傾向と、グランヴァン市場にとっても今後しばらくは、値上がりを目的に安心して買える環境にはなさそうです。

もちろん非常に希少価値のあるワインに関しては今後の更なる価格上昇はあると思われます。しかし、グランヴァンの中で流通量の多いボルドーワインに関しては、割安感から買われる時も出てくると思われますが、2011年7月の初旬に付けたボルドーワイン・インデックスの高値を大きく抜けて上昇することは想像しにくくなったようです。

それでも、今後ボルドーインデックスの計算に、価格の高い2009年、2010年ヴィンテージが加われば、インデックスとしてある程度の高値での推移となるのではないでしょうか。今後の価格推移のイメージとしては高値圏でのレンジで上がったり下がったりってとこでしょうかね。

このシリーズ「その3」でご紹介したエリオット波動分析でのトップフォーメーション形成となるのではないかと予想します。

 エリオット波動理論によるボルドーワインインデックス分析⇒ https://www.stepstep.biz/wine/grandvinesono3

 

 

 

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