大好きなワイン生産者さんのセミナーに参加させていただきました。
チリの北部、首都サンチアゴから550kmの奥地、標高350m~2070mの山間部でイタリア人が造る、いわゆるニューワールド・スタイルのワインではない、クラシック・スタイルの非常に評価は高いがリーズナブルなワインを生産する「ヴィーニャ・ファレルニア」さんが来日されました。
【ヴィーニャ・ファレルニアのジョルジオ・フレッサティさん】
ともするとチリ産のいわゆるニュー・ワールド・スタイルの赤ワインは、樽が強くそして濃く効いていることから ”樽スープ” などと揶揄されたりもします。特にカベルネ・ソーヴィニョンやカルメネール、シラーなどのフルボディ系の赤ワインでは、樽が効きすぎていて、どれも同じような味わいの印象だったりもするわけです。
それがこのファレルニアのワインは、まさにクラシックなイタリアワインのように、ほど良い樽加減。果実味がいきいきと感じられ、ストラクチャーがしっかりとしているのに、軽やかで柔らかいエレガントさを感じるのです。
非常に乾燥していて、非常に日照がよく、非常に空気の澄んだ場所で、イタリアでのワイン造りの経験を活かして、他のチリワインとはまた違うスタイルのワインを造り出している生産者なのです。
ヴィーニャ・ファレルニアで最も売れるワインがカルメネール・レゼルバで、なんとチリの気候をいかしてアマローネ・スタイル(干しブドウにする)で造られたワイン。しかも価格は千円ちょっとだから素晴らしい。樽の使い方も熟知しており、フランス産のアメリカンオークでバランス良く仕上げられている。
この価格でこのワインとは、ちょっと他には見当たらないコスパかも知れません。
また、シラーやピノ・ノワールも、いわゆるニュー・ワールドらしくない。ストラクチャーはしっかりとしているのだが、やわらかくエレガントで軽やか。シラーは2005年に2002年ヴィンテージがチリのベストワインに選ばれたのだそうだ。
またピノ・ノワールはイギリスのデカンターで2013年に£15以下でのベストピノ・ノワールに選ばれたのだとか。
白ワインのヴィオニエとリースリングも試飲させて頂いた。ミネラル分がしっかりとしたフレッシュなタイプ。2012年と2013年ヴィンテージのためか、やや若い感じがあり、もったいない感じが正直しました。
しかし、酸がしっかりとしているため長熟するとのことで、特にリースリングにはポテンシャルの高さ、とコストパフォーマンスの高さを感じた次第です。
ちなみに、上の写真で山の上の方が白っぽくなっているのは雪ではなくミネラル分。乾燥しているためほとんど草もなく生えているのはサボテンぐらいらしい。
こんな場所で造られたワインが日本で千円ちょっとで飲めるのですから、ありがたいことだと思います。
チリ産のクラシック・イタリアン・スタイルの非常にリーズナブルと言えるワインを試してみては如何でしょうか?
※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります
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