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グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その36

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時には、シャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われグランヴァン市場の価格を一気に押し上げた。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにグランヴァン市場は値を下げ続けている。

グランヴァン市場のバブルは2011年6月のピークで終止符が打たれました。今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思います。今回はその36回目。

古ワインJun14

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2009年6月から2014年6月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後反発して2013年3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

それ以降はダラダラとしたなだらかな下げが止まらない。3月15日の戻り高値から先月の6月末までの値下がり率は約19%、前月末からは約 3%低い水準。2011年6月のピークからは約40%安い水準。

高級ワインの業者間取引サイト「Liv-ex」の発表によれば、6月の中旬までに前月対比でもっとも値下がりしたワインはDRCラ・ターシュ2009 。一カ月の間に約18%値下がりした。1ケースで約5000ポンド(約90万円)の価値を失ったことになる。しかし、ブルゴーニュ・ワインのインデックスは若干の値上がりだった。

同じ時期にイギリスや香港で資金を集めたワイン投資ファンドの清算が決まった。今回のDRCブランドが大きく値下がりしたことと、ワインファンドの清算には関連性があるように思います。

ワイン投資ファンドの清算にともなう資産売却では、「とりあえず利益の出ているワインから現金化しましょ!」みたいな展開はよくあるパターンではないでしょうか。

また、堅調に推移していたスーパータスカンの代表銘柄であるサッシカイヤの2006ヴィンテージも約9%の下落となった。

先月に引き続きボルドーのバックヴィンテージや割安感のあるものには買いが入り、インデックスの四分の一程度のワインが横ばいから値上がりした。しかし、バックヴィンテージの流通量は限られていて取引量も少ないためワイン・インデックスへの影響は限定的だったようだ。

更なるワイン投資ファンドの清算を見越してか、利益の出ている銘柄への売り圧力が出てきた印象です。苦境に立たされているファンドの投資ポートフォリオの中で、割合が大きいと推測されるワインに関して、今後更なる売り圧力が強くなる可能性があるようです。

一般的に「大きな投げ売りが出て、その下げ相場は終わる」みたいに言われますが、そんな状況が訪れるのはまだ先の事の様です。

 

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