“2010年ヴィンテージ”に関する記事一覧

グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その21

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその21回目。

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【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年4月から2013年2月末までの推移】

2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的な上昇に転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。

2010年ヴィンテージのパーカーポイントが発表され、10のワインがパーフェクトである100点を付けた。その中で割安感のあるワインに買いが入ったことと、値上がりを見込んだ売りをひかえる動きがインデックスをさらに上昇させたようだ。

また、先進国での最近の株高でビリオネラーが増加したこともワイン価格を押し上げる動きにつながったようだ。世界のビリオネラーの数とワイン価格とは連動性があるとされている。

上値を追う株価が急に下げに変るとは考えにくいため、ワイン市場は今後も強含みの展開が予想される。

しかし、2010年のヴィンテージが素晴らしいことは、全ての人が知っていることであり、ハイスコアーの2010年ヴィンテージワインはもう既に十分高い価格にあるため、ここからさらに2010年ヴィンテージが買い進まれるとは考えにくいようだ。

市場ではアンダーバリューと見られるヴィンテージが注目され買われているとのこと。

1978年以降ロバート・パーカーさんが100点を付けたのは61回しかなく、その中の19回が2009年ヴィンテージで、10回が2010年ヴィンテージ、ほとんどがボルドーワイン。これに続く2011年、2012年ヴィンテージでの同じような高評価は見込めないようだ。

業界関係者によれば、2010年ヴィンテージの高評価は既に価格に織り込み済み。今回の価格のリカバリーは株式や不動産、現金などの資産ポートフォリオの一部として高級ワインに資金が入っているためとしている。

オフ・ヴィンテージがオン・ヴィンテージに対して割安感があり、なおかつ主要国の株価が堅調なうちは、ワイン価格を均したワイン・インデックスも堅調に推移するとみるべきでしょう。しかし、オン・ヴィンテージが積極的にさらに買い上げられるまでには至らない様子。

 

 

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「グランヴァン市場」7月は価格、商高ともにセットバック!

7月のボルドー・インデックスは一方的な右肩下がりの価格形成となった。また商いのボリュームも減少した。

先月に注目された2010年ヴィンテージのアン・プリムールと呼ばれる先物での高値での売り出しの後、人気が付いて行かず2010年ヴィンテージはズルズルと値を下げました。2009年ヴィンテージに続いて2010年ヴィンテージが偉大な年となったため、既に2009年ヴィンテージを大量に保有しているコレクターが多く、同じように2010年ヴィンテージを購入しようとは思わないようです。

シャトーやネゴシアンは、通常よりも市場への放出量を抑え、在庫として通常よりも多く保有しているのだそうです。そのため販売量の減少の割りに、価格はそれほど下がってはいないとのこと。このあたりがボルドーワイン・インデックスにも影響している様子。

もう一つ、価格が調整する理由になったとみられる出来事がありました。

中国ワイン小売販売の大手、オージィーノ・セラーズがボルドーのメドック地方の高級ワインのプロモートをストップすると発表したのでした。理由は、それらの価格が高過ぎて危険過ぎると判断したため。それと、中国でのボルドー人気が落ち着いてきたことも理由の一つとのこと。オージーノ・セラーズは中国国内の100の都市に200店の店舗を運営する大手。

 シャトー、ネゴシアント、ワイン商は値段を崩してまで販売しようとはしないわけで、まだまだグランヴァン市場の高値水準での推移は続くと予想されます。しかし、今回のグランヴァン上昇相場の中心であった中国系からの買いが引っ込んだ事が鮮明になれば、グランヴァン価格は大きな調整を余儀なくされるかも知れませんね。

その時に「発酵させたブドウの搾り汁」は、「オランダのチューリップ球根」と同じような被害を人々に与えなければ良いのですがね~!

ま、あまり日本人は関係なさそうですが!!

 

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グランヴァン市場6月は割安感ある銘柄に買い。2010年初オファー高い!!

非常に高額なワインの価格は横ばい。割安感あるワインが6月後半に買われました。

6月の後半に最も注目されたイベントが、2009年に続いて偉大な年となった2010年ヴィンテージの、ボルドーワインの「アン・プリムール」と呼ばれる先物取引でのシャトーからの初オファー。2009年ヴィンテージでも初値が高くて驚かれましたが、2010年 ヴィンテージは更に高い初オファーとなりました。

2009年ヴィンテージの初値よりも10%~20%高く、販売量も極少量。セカンド・ブランドではさらに値上げ率は高く40%~倍。生産者の出し値は非常に強気なのです!ちなみにボルドーの代表銘柄であるシャトー・ラフィットロートシルト2010の初オファーは1本600 ユーロ。

 最近のボルドーワインの偉大な年は多く、2000年、2005年、2009年で、そこに2010年が加わります。市場では6月の後半に2010年ものの初値があまりにも強気のため、それ以前のヴィンテージに割安感が出て買いが入った様子。

ちなみに偉大な年のボルドーワインとは、主にワイン業界のグルともいえる米国人のロバート・パーカーさんが「この年は偉大だ!」と判断したワイン。最近では英国人のジャンシス・ロビンソンさんもそんな感じかも知れません。

このボルドー独特のワイン先物取引「アン・プリムール」は、ボルドーの生産者ばかりにメリットのある取引との批判もでております。最近では4回偉大なヴィンテージが生まれていて、どの年も素晴らしいのに価格は新しいヴィンテージの方が、初値はより高い方向へ生産者が一方的に上げているわけです。高い初値のオファーで販売量は少ない。証券業界ではマーケット・マニュピレーションになってしまいそうな取引なのです。

「殿さまが”殿さま商売”やって何が悪い!」みたいな印象なのです。しかも、本当にグランヴァンと呼べるようなワインが少数で少量なら話は分かるのですが、ボルドーにはいわゆる高級ワインが多過ぎるような気もします。

ここだけは世間で騒がれているヨーロッパの信用不安も無関係。ワインを消費する愛好家を無視して、ワイン生産者、ワイン投資家、ワイン投機家、のためのグランヴァン市場になってしまったのかも知れません。

味わいが良いと判断できる人は沢山おれれるのだと思いますが、その味わいに対してどんな価格が妥当なのかを説得力を持って説明できる人はいそうにありません。これには、その商品のブランド力や、投資に向かう可能性のある世の中の余剰資金が大きく関わっているからです。

賢明なワイン愛好家は他の地のワインに楽しみを見出すのが良さそうですね。

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