“ワイン価格”に関する記事一覧

Liv-ex Fine Wine(高級ワインの業者間取引サイト)急騰前夜

 

 

高級ワインの業者間取引サイトLiv-exの指数は、英ポンドベースで計算される。

英ポンドは、英国がEU離脱を決めたことにより、一夜にして各主要通貨に対して約10%下落した。

英国にとってワインは輸入品であるため、英ポンドベースでのワイン価格は一夜にして約10%上昇したことになる。

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【ワイン・インデックス デイリーでの推移】

この英ポンド下落がLiv-exの価格に反映されるのは、今週の月曜日からとみられる。

ボルドー2015ヴィンテージのアン・プリムール価格もまた、英ポンドでの取引価格は一夜にして約10%上昇したことになる。

 

英国はワインの世界有数の大消費地であり輸入国でもあるため、ワイン業界にとってこEU離脱の影響は少なくない。

他方、英国が高級ワイン取引の中心地であることに変わりはなく、今週予想されるワイン価格の上昇幅によっては、米国や香港からの活発な買いも想像される。

 

そして日本人にとっては、ほとんど最高のお得感を持って高級ワインが買える状況かも知れない。

世紀のヴィンテージとされる「Ch・マルゴー2015」のアン・プリムール価格は、2014年ヴィンテージに対してユーロ建てで60%高い水準、ポンド建てで83.6%高い水準。

それでも、同じ最高評価の2009、2010ヴィンテージと比べるとポンド建てで約20%安い水準。

昨年の6月から日本円は対ユーロで約20%、対ポンドで約30%上昇した。そしてこの傾向はまだ続くと予想されている。

 

もし最高評価の「Ch・マルゴー」に興味があるのなら、ボルドーネゴシアンを通じて、このアン・プリムールで先物買いするのも一つの良いアイデアだと思う。

 

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アベノミクスはワイン価格をどこまで押し上げるのか!?

昨年の11月以降、円安が止まりません!

昨年の円の高値からは各主要通貨に対して20~30%の下落。海外から入って来る輸入品は全て20~30%円建てで値上がりしたことになります。

アベニミクスでの物価上昇率2%のインフレ目標を、輸入品物価は既に2%を大きく超えて上昇しているわけです。

 

 

 

 

 

ユーロ/円の昨年からの値動き。

昨年までの円高が進行している時には「こんなに円高が進んでるのに、なんで輸入洋酒の値段は円高を反映して同じように下がらないの?」と聞かれました。価格による販売競争が激化しているのであれば、そのいわゆる円高還元セールは現実となるのですが、特に洋酒の場合にはビールや焼酎の様には売れないため、自分達の利益を削ってまでの値下げはなかったようです。

しかし今回は真反対の円安の進行。今までの経験からすれば、「苦渋の選択で値上げせざるをえません!(汗)」ってなことにすぐになるわけですね。実際に高級ブランド大手のLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは非常に好業績にもかかわらず、あっさり値上げを発表。2月15日から日本で販売する商品の価格を引き上げるのだとか。

 その後、しばらくして再度円高となっても、消費者のほとんどは円安で値上げされたことを忘れちゃって何も言わないし、企業側もそのことに触れないんですよね(汗)!

 酒屋の立場としては、今のところ輸入業者さんなどからの、輸入洋酒やワインなどの見積もり価格の目立った値上げは見受けられませんが、今後の値上がり幅が気になります。輸入業者さんだって「うっとこは為替ヘッジしてまっさかい、まったく値上げしまへんで~!」ってなことはまずないわけで、30%からの円安分を吸収できないんですよね。

例えば現在、普通のドンペリを1本13,000円で販売しているとして、円安分の30%を考慮すれば次の仕入れでは16,900円で販売することになるわけです。当然、現在の売れ筋の千円以下の旨安ワインも、その多くは千円の壁を越えてしまうことになります。

経済の理想であるゆるやかな物価の上昇とは、ゆるやかな円安の進行も必要条件ではないかと思うのですが、何とかなんないんでしょうかね~!?

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世界的なワイン生産量の減少、低在庫水準でワイン価格は上昇へ!

ワイン専門誌「デキャンター.com」によれば、今年の世界的なワイン用ブドウの低収穫量を受け、ワインの生産量はここ37年の間では最低の水準となるのだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ザ・インターナショナル・オーガニゼーション・オブ・ヴァイン&ワイン(OIV)によれば2012年のワイン生産量は248.2億リットルで、2011年の264.2億リットルから減少する見通し。不足分をワインの本数にすれば13億本になるのだそうだ。

 これは1975年以来の低い生産水準で、南半球、北半球ともにブドウの低収穫量が原因。特にフランスやイタリア、アルゼンチンなどのメジャーなワイン産地の減産が影響した。

 「現在はワイン供給のために在庫分を出している状況」「特にバルク売りのワインが不足している。そのため仲買業者はメジャーではない国々のバルクワインに移っている。」とOIVの代表者。

 ワイン価格も上昇に転じている。スペインではバルクワイン価格が大幅に値上がり。カスティリャ-ラ・マンチャではバルクの白ワイン1リットルで0.48ユーロと2011年の0.28ユーロから上昇。

 イタリアでは1リットル当たりのピノ・グリージョ2012ヴィンテージが1.30~1・45で、先月の1.20~1.30ユーロから上昇。ニュージーランドでもバルクワインの価格上昇が著しい。

 フランス最大の2500の生産者が加盟する協同組合は、「今年は歴史的な状況だ!」としている。「この2年間の間にヨーロッパのワイン在庫は多少もないほどに底をついている!」。 「スペインの在庫もゼロ!」「イタリアの在庫もゼロ!」「もうヨーロッパでは不足分のギャップを埋められない!」とのこと。

 それだけに収まらず、今年のブドウ収穫量は世界的に歴史的な低水準。ニュージーランドは5分の1ほど2011年に比べ少ない。オーストラリアはここ5年間での最低収穫量。フランスでは平均20%の減産。イタリアでは何と1951年以降最低の収穫量。アルゼンチンの生産は24%のダウン。

 ここ10年ほどのワイン生産量は減少傾向にもかかわらず、世界の消費量は増加。OIVのデータによればブドウの栽培面積は7.59百万ヘクタールに2000年の7.85百万ヘクタールから減少。世界的なワイン生産量も2011年の265億リットルに2000年の280億リットルから減少。その間、消費量は225.7億リットルから244.3億リットルへと拡大した。

オランダの銀行、ラボバンクによれば、2012年の低収穫量と、米国、中国、ブラジル、他の新興国などでの消費の拡大、価格の上昇と、需給バランスは均衡状態に近いとしている。

日本国内でもこの先、少なくとも低価格ワインの価格上昇は避けられそうにないようです。

 

 

 

 

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グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その6

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその6回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

2001年からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 100 Index)のチャート。

金融業界のようにワイン業界にもテクニカル・アナリストがおられるのかどうかは分かりませんが、テクニカル的に分析すると上のチャートのように右肩上がりのレジスタンスラインとサポートラインによるチャンネルが描けます。

これをテクニカル面から客観的にみた場合、インデックス価格は長期的な上昇トレンドの中で、下方ラインであるサポートラインに近づいており「高級ボルドーワインは今が買いだ!」ってなことになるわけですね。

しかし、金融小説的に書けば、買い本尊である中国の経済成長の鈍化で今までのように資金を回せなくなる可能性もあります。そうなれば、今年の7月初旬に付けた高値を抜いて値上がりするのは難しいことになります。高級ワイン市場へ流れ込む資金の循環物色で買われる場面もあると思われますが、酒屋のオヤジ的にはこのシリーズ「その3」で書いたトップフォーメーションの形成が予想としては有力ではないかと想像するのです。

 「その3」→ https://www.stepstep.biz/wine/grandvinesono3

 もちろん酒屋のオヤジは金融の専門家ではありません。しかし、ヒジョーに中途半端ではありますが、そっち系のマニアかも知れません。その中途半端マニアには、このグランヴァン市場が昔の「岩戸景気相場」みたいな、典型的な株式相場の形成に似ているような気がしてしょうがないのです。

「大型株(ボルドー)が人気となり、それがピークアウトすれば出遅れた割り安銘柄(ボルドーのセカンドワイン)などに循環買いが入る。その後は小型品薄株(ブルゴーニュ)などが投機的に買われ急騰。」そんな循環買いが繰り返されながら市場全体が調整されて行く感じでしょうか。

 しかし、ワイン市場は金融市場と違い、ある程度は供給側のコントロールが効くと考えられます。どんな商品の流通業者でもその商品の価格が下がるよりも上がる方が良いわけです。過去最高に業績の良い供給側は、価格を崩してまで積極的に販売してくるとは考えにですね。それでも市場を支配しようとして成功した人はいません。

もちろん長期的に考えれば新興国の今後の経済成長は続くと考えられているため、それらの国々での高級ワイン需要は増えるわけです。もし大きく値下がりした場合には「絶好の買い場」がおとずれることになるわけです。

その時、酒倶楽部ステップにお金が沢山あれば、もしかしたらワイン商としてデビューってことに・・・・・・・・・・!?(汗)って言うか、それは無理過ぎか!(涙)

 

 

 

 

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