“ボルドーワイン”に関する記事一覧

グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その12

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその12回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年の年末から2012年6月15日までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移。

グランヴァン市場は一方的な右肩下がりが継続中で、昨年のピークからの29%の値下がり幅。株やユーロ、ゴールドの横ばいからリバウンド的な動きをよそにグランヴァン市場のみ下落トレンドの中にあります。

 しかし、最近のユーロ地域の混乱を受け、金融やワイン市場に詳しい専門家の中には、「ユーロ地域の崩壊は新たなワインバブルへの引き金となるかもしれない!」との考えを持つ方もおられるのだそうです。

経済学には「グレシャムの法則」と呼ばれる法則があり、「バッド・マネーが投資家にグッド・マネーを求めさせる」のだとか。言い換えれば、「バッド・マネーが通貨のユーロで、グッド・マネーがワインのような資産」となるらしい。

投資対象となるワインはゴールドのような実物資産であって、株や債券などとは直接的な価格の相関関係はない。しかも消費されるため年々同じヴィンテージのワインは減少して行くとのこと。

また、ユーロ地域の状況がワイン価格に及ぼす影響については、既に大量のワインを所有する、主にアジアのワイン投資家が神経質になっているようだ。

大手ワイン投資ファンドのファンド・マネージャーは、このところ増えた主にアジアのワイン投資家からの質問に、「ワイン市場はこの先10年ぐらいの底値にある。我々のような長期投資家にとってユーロ地域の状況がワイン価格に影響を及ぼすとは思えない。」

「我々は偉大なヴィンテージである2005年ヴィンテージと2009年ヴィンテージのワインで大量のポジションを持つが、今の市場に放出して溢れさせるのは何の意味もないことだ。」とのアドバイスをされているとのこと。

2005年、2009年、2010年と偉大なヴィンテージが続き、ワイン投資ファンドは大量の偉大ヴィンテージ・ポジションを保有中。中国を中心としたアジアからの需要がグランヴァン価格を急上昇させた後での需要の激減。

たとえ今後ユーロ地域の状況次第でワインを資産として持つ投資家が増えたとしても、そこでうまく売り抜けようとする動きも増えると想像できるわけです。

ちなみに日本のグランヴァン市場では、基準となる価格から約2割ぐらいのディスカウントで都内のワインショップや酒屋、インターネットショップで値付けされている様子。昨今の急激なグランヴァン価格の上昇と、厳しい日本経済を反映して需要が引っ込んでしまった印象です。

リクイディティに優れているとはいえないグランヴァン市場が、はたして安全な資産運用の場となるのか?また、グランヴァン市場は、単に値上がりと転売だけを目的とした人達の買いが支えていて、この先「劇場のシンドローム」的状況に陥ってしまうようなことになるのか?が市場を読むポイントなのだと思われます。

誰もが感じているのは、グランヴァン価格がまだまだ高過ぎるということでしょうか。

 

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グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その11

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその11回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2011年12月から2012年5月末までの高級ボルドーワイン・インデックスの推移(The Liv-ex Fine Wine 50 Index)

2012年に入ってから他の市場と同様に底打ち感が出ていたボルドーワインインデックスは、3月中にその勢いを失い、そのままズルズルと値を下げ、5月中旬には遂に前回の安値を下回る底割れ。そして、そのまま一方的な値下がりが続いている。

値下がり幅は、 2011年7月1日に付けた高値445.49から、2012年5月31日の321.97まで、インデックス・ベースで28%。

 株安、ドル安、ユーロ安、原油安と米国雇用統計の予想以上の悪化を受けて、ほぼ全ての市場の市場心理が弱気一色。ワイン市場にとってもリスクマネーの流入はしばらく見込めない様子ですね。

「ギリシャのユーロ離脱となれば、実物資産である投資可能ワインに資金が流れて価格は上昇する!」としている投資関係のコラムニストもおられるようですが、今のところ全くそれらしい兆候の値動きは感じられません。

中国市場で圧倒的なブランド力を持つボルドーワインが、中国のリスクマネーを大きく動かす富裕層にとって魅力ある水準に達するまで値下がりすると考えた方が良さそうです。

その時にはワイン市場だけでなく他の市場も含めて上昇に転じる可能性があります。そう考えれば、現在既にドル/円の水準は日銀の介入水準に達しているとみられ、すぐにでも介入で大幅なドル高/円安に振れる可能性があるわけです。また、その動向に引きずられて他の市場も含むワイン市場は意外に早い時期にとりあえずの底を付ける可能性もあるかも知れません。

ところで中国のワイン屋さんは富裕層に入るようです。日本でもそうだと良いのですが!

つい先日、新聞を読んでいると中国の記事が載っていました。今でも高級品は飛ぶように売れるのだそうです。若い人の所得水準は二極化していて、上海では窓なしのモグラのような部屋しか家賃が高過ぎて住めない人がいる一方で、フェラーリをカードの一括支払いで購入する若者もいるのだとか。

ビックリしたのは、そのフェラーリを一括支払いで購入したのが、ワイン屋の息子だったこと!「中国のワイン屋さんて、そんなに儲かるの!?」って。

ボルドーワインの供給量は高級ワインのわりに多いと言っても、中国のそんな富裕層がまた本格的に買いに出たら、やっぱりグランヴァン相場は下げ渋ることになるのだと思います。

どの水準で中国人の本格買いが入るのか?がグランヴァン市場の当面のクリティカル・ポイントとなりそうですね。

 

 

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「ボルドーワイン」今の飲みごろヴィンテージは!?

ここまでワインの味わいを科学者のように分析されるのは、世界広しといえどこの人しかいないのではないかと思います。

そんなワイン業界の第一人者であるジャンシス・ロビンソンさんのブログに、飲みごろを迎えているボルドーワインのヴィンテージが紹介されておりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ボルドーワインで1本£20(約3000円)以上のワインは最低でも10年ぐらいは寝かせた方が良いようです。また、そんなボルドーワインを若いうちに飲むのは、ワインを無駄にしている様なものなのだそうです。

ボルドーの赤ワインと甘口白ワインは長期間の熟成に向いており、コレクターも世界中にたくさんいるため「今はどのヴィンテージが飲みごろなの?」という質問は多いのだとか。

先ずロビンソンさんが選ぶとすれば、1990年、1982年、1961年、1945年で保管状態の良い信頼できるワイン。また最近試飲した中では、2001年と2002年が現在ちょうど良い飲みごろを迎えており、ボルドーワインを楽しむには賢い選択となるのだそうだそうです。

2002年と2001年は、偉大なヴィンテージである2000年に続く年であり、そのあたりがそれらのヴィンテージの出来の良さに影響しているとのこと。

他の2000年代のワインは、まだまだ飲みごろには達していないとのこと。しかし価格が比較的リーズナブルな2004年に関しては、ものによっては飲みごろのワインもあるとこのとで、ラ・ラギューン、ベイシュビル、バタイエ、グランピュイ・ラコストが飲みごろ。また、ラ・コンセイヤントは珍しく2004年が素晴らしい年となっている。

偉大なヴィンテージである2009年に関してはもう既に美味しいのだが、疑いの余地なくポテンシャルの高いワインを若い段階で飲んでしまうのはワインを無駄にしているようなものだとしています。

最近のテイスティングから2002年ヴィンテージと2001年ヴィンテージのおススメのボルドーワインと、その1ケース(12本入り)の参考価格です。

2002年

ペトリウス(£13,500)、シュバルブラン(£3,000)、ヴュー・シャトー・セルタン(£750)、ラ・ミッション・オーブリオン(£1,250)、マルゴー(£3,600)

2001年

イケム(£5,500)、ラトゥール(£4,800)、リューセック(£1,500)、マルゴー(£3,800)、ラフィット(£7,500)、オーブリオン(£3,500)、ヴュー・シャトー・セルタン(£980)、ピション・ロングヴィル(£950)、ラ・ミッション・オーブリオン(£1,700)

 ボルドーワインを楽しむ参考にして頂ければ幸いです。

 

 

 

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不法ワイン輸入で中国人ビジネスマンに終身刑

ワイン専門誌のデキャンター.comによりますと、中国人ビジネスマンに不法な高級ワイン輸入の罪で終身刑が言い渡されたのだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

北京タイムスに掲載された記事なのだそうだが、その終身刑を言い渡された中国人ビジネスマンは2004年から2009年にかけて4千5百万元(US$7.13M)の分の高級ワインを、安物の酒であるかのように書類を偽造して、高額な輸入関税を免れていたとのこと。

フランス、イギリス、香港から不法に輸入された高級ワインには大量のシャトー・ラフィットやラツールなどの高額ワインが含まれており、その他にもナイキやアディダスなどのブランド・スポーツ着や、サングラスなども輸入されていたのだそうだ。

裁判で、このビジネスマンは通常の輸入方法では税金が高過ぎて、商売として成り立たなかったと語っている。また、有罪は認めているが利益は4百万元(US$0.6M)しかなかったと主張していたのだそうだ。

 彼は北京で三つの会社を経営するビジネスマンだったのだそうですが、中国経済のバブルにほんろうされた様ですね。それなりにご苦労もされたのでしょう。それにしても関税をごまかしただけで終身刑とは・・・・・・スゴ過ぎですね!だれもお亡くなりになっていないのにね!(汗)

日本でもバブル崩壊直後には、「え~! そんなムチャクチャ過ぎるようなデタラメやってたの~!それも一流企業のエリートの方々も一緒になって!!(汗)」みたいな金融系のスキャンダルが続々と表ざたになりましたが、それでもまさか終身刑になられた方はおられなかったと思います。

良い悪いは別としてスゴイ国ですね。

輸出国側に協力者がいないと出来そうもないようなスキャンダルだと思うのですが、そのへんはどうなんでしょうかね。高級ボルドーワイン市場に関してはダウンサイドへのバイアスになったと想像されます。

 

 

 

 

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ボルドーワイン輸出の6割は香港、中国へ!

ワイン専門誌「デキャンター.com」によると、ボルドーワインの輸出は香港、中国が引っ張っているとのこと。

ボルドーワインの香港、中国への輸出はボルドーワイン全体の輸出の6割に達しているのだそうだ。

ボルドーワインの輸入量では、中国が輸入量を85%増加させドイツを抜き去り世界第一位に。金額ベースではイギリスが引き続きトップ、2位が香港、3位に中国が入る。しかし香港と中国を一緒と考えれば、全体の60%を占め圧倒的なトップとなる。

2010年6月~2011年6月の全体のボルドーワイン輸出量は23%増加、金額ベースでは34%の増加となった。しかしフランス国内も含めた売上は2%の減少となった。

ヨーロッパ、アメリカへの輸出も数量、金額ともに7%~22%増加した。

しかし、2008年のリーマンショックではボルドーワインの売り上げも大きく影響を受けており、市場関係者はそのあたりを危惧しているとのこと。

このところの金融市場の混乱で、金属や石油などの商品価格が大幅に下落しているようですね。専門家の話では10月最初の1週間が中国の休日で、それが終われば、大きく割安感のある商品市場に大きな買いが中国から入ると予想されているのだそうです。

高級ボルドーワインの価格も値下がりも続いておりますが、中国の休み明けには 同じように割安感のある銘柄に大きな買いが入るかもしれませんね。

 

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