グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その1

グランヴァン価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで、2011年までに約20倍まで高騰。値動きのグラフを見ると恐ろしくなるほどの価格上昇です。

タイトルの「グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?」とは、まず第一に「グランヴァン市場はバブルなのか?」と、もう一つは「もしバブルなら、そのバブルは破裂するのか?」の二つの意味を含みます。

こんなこと気にして、ブログに書くのは日本で酒屋のオヤジだけだと思いますので、あえてブログに書いてみたいと思います。

ボルドーワイン・インデックスは1988年から約20倍に。

グランヴァンの値動きはゴールド価格の値動きに良く似ていると思います。リーマンショックの時期に価格が一時的に調整され、その後一本調子の値上がり。新興国による分散投資の一部がゴールドと同じくワインにも流れた結果だと思われます。

ゴールド市場における専門家の予想コンセンサスは、米国の量的金融緩和の終了や国際エネルギー機関による石油備蓄放出の影響を受け価格は調整しても、世界的な信用不安やアジアでの強い投資意欲で、長期的には上昇するというもの。

グランヴァン市場は、ちょっと前まではロシア勢の買いもあったようですが、最近の買いはもっぱら中国、香港勢のワイン投資用。今後さらにグランヴァン価格が堅調に推移するかどうかは、中国経済がどうなるかにかかっているようです。

今朝の日経新聞に掲載されていた清華大教授の李稲葵さんによると、中国不動産バブル崩壊の公算は小さいのだそうです。中国では借金をして住宅を購入する家庭がまだ少なく、都市部への人口流入も続いておりバブル崩壊の可能性は少ないのだとか。

そして、中国の人々には物価上昇がなかなか止まらないため、インフレ期待があるのだそうです。預金の金利は実質マイナス状態にあり、資金はゴールドなど預金以外のさらなるインフレに備えた投資商品に沢山流れているようです。グランヴァンへの投資人気もその投資ポートフォリオの中の一つなのでしょう。

今後、中国での金利が上がり、さらなるインフレに歯止めがかかれば、グランヴァン投資人気はこれまでのようには続かないのでしょうが、かといって中国国内での食料品価格の上昇は収まりそうになく、グランヴァンの価格が下がれば、やっぱり中国系の買いがグランヴァン市場に入りそうな感じです。

しかし今の水準は、やっぱりどう考えても高過ぎるような気はします。もし中国人が冷静になったら、いったい後は誰が買うんだ?という気もします。今後も状況の変化に注目したいと思います。

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